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更新日:2020年10月12日

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2月定例会予算特別委員会(令和2年3月4日、新型コロナウイルス感染症への対応等について)

新型コロナウイルス感染症への対応等について、御説明申し上げます。

感染者の発生状況

新型コロナウイルス感染症につきましては、世界的に感染が拡大しており、厚生労働省の発表では、3月3日正午時点で、中国をはじめ72の国と地域で、90,885人の感染者が確認され、そのうち死亡者は3,114人となっております。
日本国内では、同時点で、26都道府県で284人の感染者が確認され、そのほか、「ダイヤモンド・プリンセス号」船内での感染者が706人確認されております。
なお、2月29日には隣県の宮城県及び新潟県で感染者が確認されております。

政府の対応等

政府では、1月30日に「新型コロナウイルス感染症対策本部」を設置し、入国管理を強化するとともに、2月16日以降は、専門家会議を開催し、相談・受診の目安の公表やイベントの開催に関するメッセージの発表などを行っております。
2月25日には、「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」を公表したのに続き、翌26日は、全国的なスポーツ・文化イベント等の今後2週間の中止・延期・規模縮小の要請を行いました。
さらに、27日には、全国全ての小・中学校、高等学校及び特別支援学校について、何よりも子どもたちの健康・安全を第一に考え、3月2日からの臨時休業の要請などの対応を行っております。

本県の体制等

本県におきましては、1月に対策会議を設置しておりましたが、2月7日には、私を本部長とする「山形県新型コロナウイルス感染症対策本部」に移行し、医療体制の強化をはじめ、感染防止対策の周知徹底や関係機関との連携強化を図ってまいりました。また、2月25日には、第2回本部員会議を開催し、同日、政府が決定した基本方針を受けて本県が対応すべきことを早急に検討し、できることから直ちに実行することや、県内で感染者が発生した場合には迅速・的確な対応が取れるよう対策に万全を期すことなどを各部局等に指示したところであり、感染拡大を防止する取組みを進めているところです。

本県の感染症予防等への対応

本県の医療体制の整備としまして、2月7日に健康福祉部の医療統括監を中心として、医師会をはじめ医療関係者に参集いただき、「新型コロナウイルス感染症医療連絡会議」を開催し、情報の共有を図りながら進めているところです。
新型コロナウイルスの検査につきましては、県衛生研究所において、現在、一日当たり最大60検体の検査が可能であり、さらに3月中に検査機器を増設し、最大80検体が検査できるよう検査体制の増強を図ってまいります。
なお、衛生研究所では、3月3日までに累計で57件の検査を実施しておりますが、全て陰性との結果を得ております。
県内5つの感染症指定医療機関におきましては、患者の受入れや移送車の配備などの態勢を整備しているほか、医療機関を発端とした感染症のまん延防止や感染が疑われる症状のある県民からの相談に応じて、適切に専門の医療機関につなぐため、「帰国者・接触者相談センター」を県内5保健所に設置するとともに、「帰国者・接触者外来」を設置する医療機関を順次増設し、現在13医療機関で診療体制を整えております。
県内で感染者が発生した場合は、県内5つの感染症指定医療機関に18床の指定病床があり、入院いただくことになります。感染者がそれ以上多数に及んだ場合は、これら指定医療機関の一般病床の区域を区切り、感染防止対策をしっかり実施したうえで、病床を使用することが可能とされておりますので、本日夕方に「第2回新型コロナウイルス感染症医療連絡会議」において対応を確認し、患者の受入体制など、具体的な進め方について合意を図っていくこととしております。このようにして、今後の状況変化に応じて、確実に病床を確保してまいります。
また、3月6日には、新型コロナウイルス感染症が発生した場合に備え、県医師会や県社会福祉協議会、市町村などの関係機関が緊密に連携しながら迅速に対応するために、「新型コロナウイルス感染症に係る県・市町村等危機管理連絡会議」を開催することとしております。
このほか、県民の皆様の不安を払拭するため、1月24日から県庁及び各保健所に電話相談窓口を設置しており、3月3日までに1,191件の相談がありました。感染予防のためには、学校、職場、家庭など様々な場面で、手洗いや手指の消毒等の日頃の感染予防対策が重要でありますので、引き続き県ホームページやSNS、テレビ・ラジオ、チラシなど、様々な手段をフルに活用して情報発信してまいります。

学校における一斉臨時休業に係る対応

次に、学校における一斉臨時休業に係る対応について申し上げます。
これまで県におきまして、政府からの指示を受け、できる限りの対応を進めてきたところであります。2月25日には、政府の「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」が示され、その中では、学校等における感染対策の方針の提示及び学校等の臨時休業等の適切な実施に関して、都道府県等から設置者等に要請することとされているものの、具体的な方針は示されておりませんでした。そうした中、27日、内閣総理大臣より、新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けて、3月2日から全国の小・中学校、高等学校及び特別支援学校について、春休みまで臨時休業にするよう要請がありました。
本県では、まだ感染者が確認されていない中ではありましたが、総理大臣自らこのような要請をされたということは、本県としましても、全国的な非常事態と捉え、適切な対応をしていかなければならないと考えたところであります。
県では、この要請を受けまして、まず、教育委員会から県立学校に対し、3月2日から春休みまでを臨時休業とすることを指示いたしました。市町村立の小・中学校及び高等学校についても、市町村教育委員会へ県立学校と同様の対応を求める要請を行っております。

感染拡大防止のためには、地域が一体となって対応することが重要でありますので、各市町村においては、それぞれの事情を踏まえながら、御協力をいただいているところです。
この結果、県立学校では、全ての学校が3月2日から休業としたほか、市町村立の小・中学校及び高等学校についても、本日までに全ての学校で休業の対応をとっております。また、私立学校につきましても、全ての私立高校で臨時休業の実施が決定されております。
また、卒業式につきましては、時間を短縮し、参加者を限定するなどの対応をとっているところであります。特に、最高学年となる子どもたちにとって、3月は、卒業や進学前の大切な時期であります。子どもたちはもちろんですが、保護者の皆様にとりましても、大変残念な、切ない思いをされていらっしゃるのではないかと思います。県としましても、大変難しい判断でありましたが、全国的な感染拡大の状況に鑑みれば、ここ1、2週間が極めて重要な時期であり、本県としても、やむを得ないと判断したところであります。
なお、休業中の低学年の児童への対応など、保護者の方々を中心に、県民の皆様に不安が広がっていることと思います。本県におきましては、共働き率も高く、子育て中の皆様には大変な御負担をおかけすることとなりますが、何より子どもたちの健康・安全を第一に考え、適切に対応していく必要があります。
県としましては、関係団体等を通して、民間企業の皆様にも、子どもを持つ従業員の休暇取得への配慮をはじめ、在宅勤務や短時間勤務、時差出勤、子ども同伴の出勤など、柔軟な対応について御協力をお願いしたところであります。
また、3月1日には、私と教育長の連名で、学校の臨時休業に伴う児童生徒の居場所を確保するための体制整備について、1.小学校の授業時間帯は学校で対応し、その後は放課後児童クラブで対応することや、2.既に登録している児童は放課後児童クラブで対応し、新規に希望する児童については、学校において対応するか、学校施設を活用して臨時に放課後児童クラブを開設し対応する、3.新規に希望する児童も含め放課後児童クラブで対応する、といった3つの例をお示ししながら、各々の事情に応じて対応していただくよう、市町村長及び市町村教育委員会教育長あてに依頼したところです。
なお、総理大臣からは、「こうした措置に伴って生じる様々な課題に対しては、政府として責任をもって対応する」との御発言もございましたので、現場の実情等に応じた必要な対応については、全国知事会等とも連携しながら、政府に要請してまいります。
今後とも、市町村と連携し、県民の皆様に対して、必要な情報の提供を適切に行うとともに、企業・団体などへの協力要請を行うなど、このたびの緊急対応を着実に実施し、県民の不安解消と県内での感染防止にしっかりと取り組んでまいります。

イベント等への対応

次に、イベント等への対応につきましては、政府の方針を踏まえるとともに、感染防止を徹底するため、県が主催するイベントやセミナーなどで、一般の方が参加するものについては、当面の間、開催の中止や延期などを決定しております。
引き続き、政府の方針や全国的な感染者の発生状況などを踏まえながら、適切に対応してまいります。

本県経済等への影響及び対応

次に、新型コロナウイルス感染症への対応に伴う本県経済等への影響と対応について申し上げます。
感染拡大に伴う企業活動への影響につきましては、春節明けの操業再開の延期や人の移動規制などにより、中国に進出している県内企業(56社)の生産活動の停滞や、大手自動車メーカーの操業再開の遅れ等から、本県の自動車関連企業等においても、生産に必要な部品等が一部調達できないなどの影響が出始めております。
また、観光面では、中国人旅行客を中心に、3月3日現在、県内の主な温泉旅館・ホテルにおいて2,000人を超えるキャンセルが発生しているほか、日本人の宿泊客や観光立寄施設の利用者が減少するなど、観光事業者にも影響が出てきております。
さらに、台湾との国際定期チャーター便や外航クルーズ船寄港の一部中止などの影響が出ております。
このため県では、中小企業・小規模事業者支援として、2月25日に、県の商工業振興資金融資制度の「地域経済変動対策資金」の対象に「新型コロナウイルスによる影響」を指定するとともに、本定例会での議決が前提となりますが、特に売上げの減少が著しい中小企業者・小規模事業者を対象に、県・市町村・金融機関の負担により無利子とする制度を創設することとし、本日(3月4日)から、県や金融機関において相談に対応してまいります。また、中小企業振興課内に相談窓口を設けて、経営安定に向けた資金繰りを支援するとともに、政府が新型コロナウイルス感染症に関する緊急対策として発表した「セーフティネット保証4号(借入債務の100%を別枠で保証)」に本県を指定するよう、経済産業省に要請し、3月2日に指定を受けたところです。
さらに、学校における一斉臨時休業による経済的な影響への対応を協議するため、3月1日に私を議長とする緊急経済対応会議を設置し、翌3月2日に第1回会議を開催したところです。
学校の休業措置により、休業・休職を余儀なくされる保護者の収入減や、子ども預かりのための負担増が生じているとともに、スクールバスの運行を請け負うバス会社においては運行業務がなくなったり、卒業式シーズンとも重なったことで、卒業祝賀会や謝恩会等のキャンセルが出るなど、多くの県民や事業者、さらには、食料・花きなどの生産者にも深刻な影響が出ております。
そのため、3月2日から、産業政策課内に特別相談窓口を設けて、学校臨時休業により事業活動に影響が生じる県内企業等の相談に応じております。また、業界や民間事業者等に対して、学校の臨時休業による経済活動への影響を全庁的に調査・把握し、金融支援など、できることから必要な支援策を講じてまいります。
そして、減収により損害を受けた県内企業等への補償など、必要な対策については、全国知事会とも十分連携しながら、政府に要望してまいります。

県としましては、引き続き、関係機関・団体との連携を密にし、情報収集を行いながら、県民の皆様に対し、感染予防対策など、不安解消のための正確な情報提供を適切に行うとともに、医療提供体制の確保など、万が一県内で発生した場合への対応、さらには、県内経済の安定に向けて、万全を期してまいります。

以上、新型コロナウイルス感染症への対応等について御説明いたしましたが、内容の詳細につきましては、今後の予算特別委員会、常任委員会及び特別委員会において、御審議をいただきますよう、よろしくお願いいたします。

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