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大型野生動物生息動向調査(平成25年度~)

 1 調査の目的

 山形県では、本県に新たに流入しているイノシシやニホンジカをはじめとする大型野生動物の生息・分布動向や被害状況等を把握・分析するとともに、被害対策の効果検証に資するため、平成25年度から山形大学農学部に委託して標記の調査を実施しています。

2 調査の概要

(1) 大型野生動物モニタリング調査

 ニホンジカ、イノシシ、ニホンザル、カモシカ、ツキノワグマ、ハクビシン、アライグマを対象に、積雪量の少ない日本海沿いに北上することによる分布拡大と朝日山地を経由した西への分布拡大の状況を把握するため、庄内地域(鶴岡市域)に自動撮影カメラによる調査区を設けて生息動向を調査しています。

○調査区(モニタリングサイト)の設置

・朝日山地から連続する鶴岡市南部の山林から市街地周辺の山林にかけて、1km四方の調査区(モニタリングサイト)を、日本海側の山林に4箇所、内陸側に3箇所、6~10km程度の間隔で設置
・野生動物の生息に好適な広葉樹林を中心に設置場所を設定

○自動撮影カメラの設置

・赤外線による夜間撮影が可能な自動撮影カメラを、各モニタリングサイトに(1km四方あたり)4台、計28台設置

○設置期間及び各調査区ごとの対象哺乳類の撮影機会数

平成25年度 平成25年9月11日~11月17日  平成28年度 平成28年5月12日~11月14日

平成26年度 平成26年5月10日~11月17日   平成29年度 平成29年5月17日~11月20日
平成27年度 平成27年5月14日~11月17日

○平成29年度における調査結果と考察

 

 イノシシ:昨年度はじめて鱒淵サイトで本種は確認されたが、今年度は中心市街地に近い山林にてはじめて確認された。温海地区を中心に捕獲情報や被害情報もあることから、低密度ながらほぼ全域に本種が広がっている可能性は否定できない。
 ニホンジカ:シカの撮影機会数の年変動は大きく、今年度は増加傾向がみられた。ただし、撮影個体はすべてオス成獣で、継続して同じサイトで撮影されないことから、シカは定着状態にはないと判断される。しかし、オスジカが縄張りを主張するために発する咆哮(howl)が温海地域で今年度確認されたことから、今後の動向に注意が必要である。 
ツキノワグマ各サイトの合計でクマ撮影頻度の経年変化を見ると、撮影機会数は微増傾向を示しているものの、撮影されるサイトの年変動は大きいため、その傾向は読み解きにくい。一方で、撮影された時刻から明らかにされた本種の活動時間帯をみてみると、ブナ凶作年であった今年度、活動時間帯のピークが人の活動時間帯でもある12時から16時にあることが明らかにされた。こうした活動時間帯の年変異は、人身事故リスクの評価においても重要なものであり、今後も継続的なモニタリングが求められる。 
ニホンザル:各サイト合計でサル撮影頻度の経年変化を見ると、2016年から撮影機会数が約1.5倍に増加し、これまで分布が確認されていなかった三瀬サイトでも本種が確認された。このことから、より北部へ個体群が回復している可能性が考えられた。

(2) 大型野生動物の分布に関するアンケート調査

 県では、県内における大型野生動物の生息状況や被害状況等を包括的に把握するため、平成27年度から、県内全市町村を対象に野生動物の目撃情報や被害対策に関するアンケート調査を実施しています。

○結果概要

 
特定鳥獣管理計画を含む、現行の野生動物管理施策の評価と、それを受けたフィードバック管理を実現するためには、①哺乳類各種の分布動向、②農林業被害状況、③被害対策の達成状況(効果測定)の3点の継続的なモニタリングが不可欠である。そこで、平成27年度より、①から③の項目評価を目的としたアンケート調査を実施しており、本年度も継続実施した。種別の結果概要は以下のとおりである。
 
ニホンザル
1)分布状況:県内に生息する群れ数は前年度と比較し増減はなかった一方で、分布が確認メッシュ数(5km×5km)は、昨年度より13増加していた。
2)被害状況:人間をみてサルが逃げる度合を示す「人馴れレベル」は、県内全域で増加傾向にあった。特に、置賜地域および庄内地域でその値が増加した。
3)対策状況:追い払いや捕獲が多くの市町村に共通して実施されていたものの、その効果を実感できている地域は限定的であった。一方で、電気柵はその効果を実感しやすい対策であることが示唆された。
 
イノシシ
1)分布状況:イノシシの分布メッシュ数は、一昨年度から昨年度までが33メッシュの増加であったのに対し、今年度はさらに47メッシュの増加となり、イノシシの分布回復は大幅に進行していた。
2)被害状況:全県的に農業被害が深刻化する傾向が確認された。特に、村山・置賜地域など、過年度から被害が確認されていた地域において、その被害はより深刻な状況に陥っていた
3)対策状況:捕獲が多くの地域で実施されていたものの、その効果を実感できている地域は半数にとどまった。
 
ツキノワグマ
1)分布状況:三川町・中山町を除くすべての市町村で生息が確認された。今年度からクマ目撃地点のメッシュ数も評価したところ、総計で195メッシュあった。
2)被害状況:全県的に被害レベルが高まった昨年度よりも、被害が増加する地域は限定されていた。
3)対策状況:すべての被害発生市町村で捕獲を実施されていたものの、その効果を実感できている市町村は全体の65%に留まった。
 
ニホンジカ
1)分布状況:分布メッシュ数は、昨年度よりも5増加したものの、目撃は散発的で、昨年度と同一メッシュで確認されたケースは4メッシュのみであった。
2)被害状況:農業被害は3市町村で報告されているが、その実態は不明である。
3)対策状況:シカ被害は顕著に発生していない状況のため、対策を実施していると回答した市町村は米沢市(捕獲による対策)のみであった。
 
ハクビシン
1)分布状況:県内の全市町村で生息が確認され、分布メッシュ数は昨年度より20増加し、3年連続で分布拡大傾向が見られた。
2)被害状況:農業被害レベルが減少した市町村は多く見られたものの、その値は依然として高く、特に村山地域で高い値を維持している市町村が多かった。
3)対策状況:28の被害発生市町村のうち、11市町村で電気柵が対策として導入されており、十分な対策効果が得られていると回答した市町村が大半を占めた。

○市町村アンケート集約結果

・グーグルアースによるアンケート結果については、山形大学農学部のホームページによりご覧いただけます。【山形大学農学部】

 

・平成26年度のアンケート集約結果は次の地図データをご覧ください。【平成26年度のみ】

注)リンク先に表示される地図データは、委託先(山形大学農学部)が作成したGISデータベースを山形県ホームページ公開用に編集したものです。

 

 

3 調査報告書

 本調査の委託先(山形大学農学部)から提出された報告書は次のとおりです。 

 

 

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  • 平成26年7月22日掲載

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