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クマとのトラブルを予防しよう!

1 クマと共存するために

私たちに多くの恵みをもたらしている自然環境は、多様な生き物がいることで成り立っています。中でも本県最大のほ乳類であるツキノワグマが生息していることは、自然環境の豊かさの現れです。

ツキノワグマは、かつては東北地方から九州地方にかけて広く分布していましたが、九州では昭和初期に絶滅したといわれており、四国や中国地方、紀伊半島などでは生息数が減少し、絶滅が心配されています。

山形県では、1978年と2000年に生息分布を調査しました。ツキノワグマは県内に広く連続して分布し、ここ20年間においても安定した分布を示しています。なお、県では、生息状況をより詳しく知るための調査を継続しているところです。

ツキノワグマが県内に広く生息していることは、クマを絶やさないよう県民が付き合ってきた歴史を物語っています。先人が残してくれた豊かな自然のシンボルを未来につないでいく努力をしていくことは素晴らしいことです。

一方、ツキノワグマは、時には山に入る人たちの脅威になったり、農山村などに暮らしている人たちの生活に不安を与えることもあります。

自然と共生した社会づくりを目指し、ツキノワグマと共存していくためには、クマと人とのトラブルを減らす工夫をすることが大切です。

 

2 山でクマに出会うのはどんなとき

ツキノワグマは警戒心の強い動物です。普段はクマのほうが先に人の気配を察知して出会いを避けていると考えられますが、時には出会ってしまう場合があります。

クマに出会う場合とは、

  • お互いに気づかないとき
    やぶの中など見通しの悪いところで、歩いている足音が川や雨の音などに消されて、お互いが気づかずに接近したとき(出会いやすい距離:0から15メートル)
  • クマが食べ物を食べているとき
    クマが食べ物を食べているところに、近づいたとき(30から50メートル)
  • 人の持ち物などに興味を示したとき
    クマが人の持ち物や動きに興味を示し、近づいてきたとき(5から100メートル)
  • 子グマに近づいたとき
    可愛いなどと思って子グマに近づき、近くに親グマがいるとき(10から50メートル)

 など、いろいろな状況が考えられます。

クマと出会わない工夫をしたり、万一クマと出会ってしまったときに、その場その時の状況を適切に把握することで、トラブルを回避することができます。また、過剰な行動による二次的なトラブルの防止にもつながります。

 

3 クマに出会わないために

山菜やキノコ採りでのトラブルが多くなっています。まずは何よりも、クマに出会わない工夫をしましょう。

  • 音で知らせよう
    川の近くや雨の日などに山に入る場合は、鈴やラジオなど音の出るものを携帯し、音をたてながら行動してください。
  • ふんや足跡に気をつける
    人間のものと同じくらいか、それよりも大きい新しいふんや足跡を見つけたら、近くにクマがいる可能性が高いので、そっと立ち去りましょう。
  • 出没地域などへの入山を避ける
    新聞やテレビなどで、クマの頻繁な出没やクマとのトラブルが報じられた地域には、できるだけ入山しないようにしましょう。
  • 子連れグマに注意
    子グマを見つけたら、周囲の物音などに注意しながら、そっと立ち去ってください。近くに母グマがいます。
  • 食べ残しや空き缶を捨てない
    山の中などに、食べ残しや空き缶などを残さないようにしましょう。クマが味を覚えて、人や里に接近する原因となります。

 

4 万一クマに出会ってしまったら

それでも、万一クマに出会ってしまったら、あわてずに落ち着いて行動しましょう。

  • 歩いているクマを見つけたとき
    歩いているクマを近くで見つけたときは、動かずに呼吸を整えてクマの行動を観察し、足跡や声などで歩いている方向を確認してください。遠くに立ち去ったのを確認したら、回りの音などに注意しながら、クマが立ち去ったのと反対方向にゆっくり移動し、気配を感じなければ、次は音をたてながら普通に下山してください。
  • 至近距離でクマと遭遇したとき
    クマによる直接攻撃など、過剰な反応が起きる可能性が高くなります。特に親子連れ、子グマと母グマが少し離れている場合などです。実際問題として、攻撃を回避する完全な対処方法はありません。クマは、攻撃的行動として、上腕で払いのける、つかみかかる、抱え込む、噛み付くなどの行動をしますが、ツキノワグマでは一撃を与えたあとにすぐ逃走する場合が多いとされています。多くは、顔面ならびに頭部が攻撃対象になるので、両腕で顔面や頭部を覆い、直ちに伏せるなどして、重大な障害や致命的ダメージを最小限にとどめることが重要です。
  • クマがついてきたとき
    クマが歩いてついてきた場合、人家や車などに近いときは転ばないように一定の速度で歩いてください。小屋などにたどり着いた場合は、そっと立ち去るのを待ちましょう。できれば外部の人と連絡を取り、周辺にいないことを確認してもらうと安心です。車の場合は速やかに立ち去り、地域の方々などに情報を伝えてください。近くに逃げ場がない場合は、開放的な場所を目指して転ばないように一定の速度で歩いてください。クマを刺激しないよう、飽きるまで根気よく一定の距離を保ちながら、クマが立ち去るのを待ちましょう。

 ここに書いてある方法は、これまでの経験などから有効と考えられるものです。

クマは個体によって性格が違い、万全といえる対処法はありません。

山はクマの生息域であることを忘れずに十分注意して行動しましょう。

 

5 農林被害を防ぐために

木の実など山の食べ物が不作なときや里の作物に慣れてしまったときなど、農作物に被害を及ぼします。また、木の皮をはいだり、植えた広葉樹の若木を食べるなどの被害も起きています。これらの被害を未然に防ぎましょう。

農林被害を防ぐうえで、これまで用いられている被害防止対策を紹介します。

  • 農地を電気柵で囲む。(侵入を防ぐ)
  • 忌避剤を散布・塗布する。(敏感な臭覚を利用する)
  • 警戒音や超音波等で追い払う。(敏感な聴覚を利用する)
  • 犬を利用する。(吼える声で敬遠させる)
  • 木の幹に荒縄等を巻く。(幹をツメから守る)
  • 木の根元に枝葉等を積む。(木に近寄りづらくする)

 

※このページは、「山形の野生動物を考える会」の協力を得て作成しました。

 

 

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  • 2014-04-28新着情報に掲載する。
  • 2014-04-28「4 万一クマに出会ってしまったら」記述の一部修正

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