代表・一般質問の質疑概要(平成21年9月定例会)
1 代表・一般質問の質疑の概要
平成21年10月2日に行われた代表質問及び5日に行われた一般質問の質疑の概要は次のとおりです。
【代表質問】(各会派を代表しての質問)
自由民主党 佐藤 藤彌 議員
◆子ども手当と児童手当について
来年度から子ども手当が創設されるが、これによる、現行の児童手当勘定の中の児童育成事業費で実施されている「放課後児童クラブ」や「病児・病後児保育」「子育てひろば」などの先細りの懸念が払拭できない。国はこれに要する多額の予算が、他の予算に対する削減圧力になっているという懸念に対して「コンクリートから人へ」の合言葉で乗り切ろうとしている。このような中で、保育所の建設や充実、「放課後児童クラブ」、「病児・病後児保育」などを含めた、子育て支援施策をどのように進めていくのか県の考え方を伺いたい。
子ども政策監 子ども手当については、県としても情報収集に努めているが、まだ、制度の内容は明らかにされていない。その中で現行の児童手当制度の廃止による移行などが検討されていると報道されている。
議員指摘のとおり、放課後児童クラブなどの児童育成事業については、年金特別会計の児童手当勘定の資金を国庫補助金の財源として実施されており、子ども手当制度の創設に伴うこれら児童健全育成事業への影響については大きな関心を持っている。
本県では、これまで、仕事と子育ての両立を支援し、保護者が安心して働くことができるよう、保育所の整備を促進し、保育サービスを拡充するほか、放課後児童クラブや病児・病後児保育など、保護者の多様なニーズに対応したサービスの拡充に努めてきた。
県としては、こうした子育て支援施策は、今後とも拡充していく必要があると考えており、子ども手当の制度設計の検討を注視しながら、放課後児童クラブなどの子育て支援施策の実施、拡充に支障が生じないよう、必要に応じ国に対して要望を行っていく。
◆(仮称)酒田特別支援学校について
(仮称)酒田特別支援学校の学級数に関して、21学級ではすぐ増設工事が必要になるのではないかと思われるが、具体的な検討はどうなっているか伺いたい。
また、看護師の配置に関して、現場では看護師を必要とする子どもが開校時に2名、次年度に2名入学することが分かっているので、設置することが開設者の義務ではないか。保健室についても、子ども達には大切な場所であり、近いところに必要だと訴えているがどうか。加えて、県内全ての養護学校で使われている、リフト付きバス、スクールバスの整備についてはどう考えているか伺いたい。
教育長 (仮称)酒田特別支援学校については、平成23年4月の開校に向けて、教育計画の策定作業などの諸準備を進めている。
知的障がい教育部門の教室数については、入学意向調査をもとに、開校後3年目となる平成25年度の在籍者数で63名21学級と想定しているが、議員の心配のとおり、今後の在籍者数の増加が見込まれるので、24教室を整備することで検討している。
保健室については、現在の酒田聾学校の保健室を共用することで検討しているが、配置場所の変更を含め児童生徒の安全性と利便性を最大限に考慮していく。
また、看護師の配置については、来年度の関係市町村教育委員会での就学相談や就学指導の結果を踏まえ、配置の必要性を検討していく。
スクールバスの整備については、現在の酒田聾学校のバスを共用するとともに、他の特別支援学校にならい、児童生徒の障がいの状態や利便性を考慮したリフト付きワゴン車を新規に整備したいと考えている。
今後とも、障がいのある幼児・児童・生徒一人一人の教育的ニーズに応じた、温かみのある特別支援学校の整備に努めていく。
◇その他の質問 高速道路の無料化について、酒田港の利用拡大と対岸貿易拡大について など
県政クラブ 阿部昇司 議員
◆新たな総合計画の策定状況について
山形県総合政策審議会において中間報告が取りまとめられ、これをたたき台に、来年1月の答申に向けて、審議会としてさらに議論を深めていくものと伺っているが、各委員からの意見など中間報告までの審議経過、及び現行計画との相違点を含め、その特徴をどのように捉えているのかについて伺いたい。
総務部長 新たな総合計画については、審議会において「社会経済情勢の変化を踏まえた新たな県づくりの指針を示すべき」、「人口減少抑制のため、子育て環境の整備や若者定着の取組みを強化すべき」など、数多くの意見が出されたところであり、これらをもとに中間報告がまとめられている。
その特徴として、まず、大きくは、「山形が大切にしてきた“人と人の絆”」など「山形らしさ」の打ち出しに工夫・配慮がなされていること、また、未来の礎となる「人づくり」が重視されていることがある。
また、現行計画との具体的な違いとしては、①これまでの人口減少適応策重視に対し、人口減少抑制に向けて、結婚や子育ての支援、若者の定着・回帰などを進めること、②自助、互助の重視に対し、公的基盤としての保健・医療・福祉サービスの提供体制などを充実強化すること、③農林水産業では、販売・発信に力点を置いた取組みに加え、生産力を高め食料供給県としての地位を確立していくこと、さらには、④環境に配慮した取組みに加え、環境と暮らし・産業が共に高まり合う環境先進地域の形成を推進すること、といった方向性が打ち出されている点が挙げられると認識している。今後は、この中間報告をたたき台として、県議会をはじめ、市町村、県民各層から幅広く御意見を頂戴し、それらも踏まえながら、審議会において、引き続き答申に向けた議論を重ねることとしている。
◆景気・雇用対策の取組みについて
県として、雇用の受け皿づくりにもつながる景気対策にどのように取り組むのか、また、新規学卒者の就職難をはじめとした雇用問題への対策としてどのような取組みを進めるのか伺いたい。
商工労働観光部長 企業の業績を少しでも上向きの軌道に乗せていくことが、雇用対策にもつながると考えている。そのため、企業の資金繰り対策として、需要の高い経営安定資金の融資枠を200億円増額し、融資枠総額を600億円とする補正予算案を今議会に提出した。また、厳しい環境下での仕事量の確保に向けて、県企業振興公社における発注企業への訪問数を8月末現在で昨年度比およそ7割増とするなど対応を強化している。
一方、雇用対策として、現在、雇用創出1万人プランの達成に向けた諸事業を継続して実施中であり、まだ、時期的に成果が把握できない分野もあるために、8月末現在の進捗率は53%であるが、まもなく実績の積上げが期待される事業もあるので、できるだけ早期の目標達成を目指し、市町村や労働局と連携しながら全力で取り組んでいく。特に憂慮すべき状況にある高校新規学卒者の就職については、今年4月から労働局とともに3度にわたり企業等への求人要請を行うとともに、教育委員会とも連携しながら求人開拓に努めてきた。今後は、11月に就職未内定者向けの就職面接会を開催することとしているが、緊急対策として、今回の補正予算において、面接時の自己アピール方法等を学ぶためのセミナーを開催するほか、若者就職支援センターへのコーディネーターの配置により、学校や生徒に対する相談・支援体制を強化するとともに、教育委員会においても高校教員等によるさらなる求人開拓を行うための措置を講じることにしており、県、労働局、教育委員会の連携を一層強め、就職情報を共有し、粘り強く求人開拓を行い、一人でも多くの高校生の県内就職に結び付けたいと考えている。
◇その他の質問 環境対策について、新型インフルエンザの対応について など
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【一般質問】(県政一般についての質問)
自由民主党 森谷 仙一郎 議員
◆社会資本整備についての基本的な考え方について
新政権は、時代に合わない国の大型直轄事業は全面的に見直すとしているが、政権が代わっても社会資本整備が遅れている本県に不利益にならないように働きかけ、国事業について、地方の優先度をきちんと国に伝えることが重要であると考える。新政権下での本県の社会資本整備の推進に向けて、知事の見解を伺いたい。
知事 これからの県づくりにおいては、県民の暮らしに元気や活力をもたらす「地域の産業経済」を発展させるとともに、これらを支える「地域社会」の実現のため、真に必要な社会資本は着実に整備していく必要がある。
県内の社会資本整備の現状を見ると、高速道路の整備率等においては、全国の中でも特に遅れている状況にあり、整備促進を図る必要があると認識している。
現段階で社会資本整備に対して、新政権の政策が本県にどのような影響を及ぼすのか具体的に判断できないが、県としても今後の動向を注視していく必要があり、現在、国の施策及び予算に関する情報収集態勢を強化している。その上で、収集された情報等に基づき事業の必要性を一層深化させるとともに、本県の実情と必要性を、機会を捉えて国などに対し強く働きかけていく。
いずれにしても、既存の社会資本の有効活用や長寿命化にも意を用いつつ、必要な社会資本が着実に整備されるよう今後とも全力で取り組んでいく。
◆認可外保育施設の役割と県の支援について
認可外保育施設は、市町村においては待機児童の受け皿として、また、保育内容も認可保育園ではできないような柔軟かつ利用しやすい施設をめざして努力しているが、県として認可外保育施設が果たす役割をどのように捉えているのか、また、今後どのように支援していくのか、子ども政策監に伺いたい。
子ども政策監 県内の認可外保育施設は、休日保育や夜間保育など多様な保育ニーズに対応するとともに、待機児童や、とりわけ低年齢児の受け入れなど、認可保育所の補完的な役割を果たし、仕事と子育ての両立を支援するうえで重要な役割を担っていると認識している。
認可外保育施設に対する国の助成制度は無いが、県では、0歳児または1歳児を一定数受け入れている施設に対して運営費の補助を行っている。今年度は、さらに児童の安全確保のための設備整備に対する補助や保育の質の向上を図るための研修会の開催等、支援を行っている。
地域の多様な保育サービスの提供主体としての認可外保育施設の役割は欠かせないものであり、市町村や関係団体等の意見をお聞きしながら、支援のあり方や充実について検討してまいりたい。また、国に対しては、運営費等の助成制度の創設について、引き続き強く要望していく。
◇その他の質問 さくらんぼの受粉樹対策と「紅シリーズ」の販売戦略について、攻めの観光振興策について など
日本共産党山形県議団 渡辺 ゆり子 議員
◆総合的な雇用対策の実施について
これまで、雇用については、解雇予防、雇用の維持確保、失業者の支援の3つの観点で取り組んできた。国に対して法改正とか対策の強化を訴えていくべきである。私の現状認識は、再就職支援施策が機能していない。国にも取組みを急いで欲しいが、県にも、1万人プランの前倒しとか、取組みを急いで欲しい。
また、1万人プランにとどまらない総合的観点が必要と思う。1万人のプランの前倒し、基金活用の前倒し、国への働きかけ、中期・長期の展望、労働者派遣法の改正についてなど、総合的な雇用対策に取り組むことについての知事の姿勢・観点をお伺いしたい。
知事 雇用対策については、国全体の喫緊の課題としてこれまでも様々な施策が実施され、県としてもそれらを踏まえ、雇用基金事業などの雇用創出事業を実施している。しかしながら、事業や制度によっては、要件や制限が厳しいものもあり、例えば、雇用基金事業の人件費割合の要件緩和や、雇用調整助成金手続きの迅速化などについて要望を行い、改善がなされている。
さらに国においては、今後も、派遣労働者が安心して働き生活できる法的な環境整備や、職を失った方々への生活支援なども含めたセーフティネット機能の充実などに率先して取り組むべきと考えており、直接、または全国知事会に働きかけるなどして、強く要望していきたいと考えている。
県としては、現在取り組んでいる雇用創出1万人プランの関係事業を早期に、かつ効果的に実施し、できるだけ早く、議員ご指摘のように前倒しで目標達成できるよう取り組んでまいりたいと考えている。
一方、雇用を生み出す大本は企業であり、企業活動の維持、成長を図ることが雇用対策につながるものと考えている。このため、商工業振興資金による金融対策や、受注確保に向けた取引あっせん活動の積極的な実施などの応急的対策に加え、企業への技術開発支援等様々な施策を展開し、新たな産業基盤づくりにも取り組んでいる。さらに、現在、最上地域及び朝日町で実施されている「地域雇用創造推進事業(パッケージ事業)」をはじめとした、国の制度についても、県内各地域での取組みを推進し、地域における雇用機会の拡大に努めていく。
県としては、国の新たな景気・雇用対策の動向を注視しながら、中長期的な雇用の維持・安定、創出なども含めた雇用対策に、関係団体等と一体となり取り組んでいく。
◆高校授業料の公私間格差の是正について
公立高校の授業料が無償化されることを前提として、私学の関係者から、かえって公私間格差が拡大するのではないかと不安の声があがっている。関係者は、私学についても、特に低所得層に対しては、実質的に無償化することを望んでいる。
公立高校授業料の無償化を進めるうえで、県として、私学への配慮をしっかりしていただきたい。公私間格差の是正に向けての教育長の見解を伺いたい。
教育長 私立高校に対する助成については、学校運営の経常的経費に係る助成である「一般補助金」と授業料の減免に対する助成である「授業料軽減事業費補助金」等を行いる。
私立高校に対する今後の国の助成制度については、不明な点が多くあるが、方向性としては「私立学校の教育を充実するための助成を維持し、私立高校生の授業料を年額12万円、低所得世帯には年額24万円補助」することが検討されている。特に低所得世帯への助成と本県「授業料軽減事業費補助金」の制度が重複することから、抜本的な見直しも必要となる可能性があり、国の動向を注視していきたい。
いずれにしても、私立高校の助成については、私立学校が本県公教育の一翼を担っていることを念頭におきながら、経営改善に向けた各学校の取組みを踏まえ、私立学校が建学の精神に基づき特色ある教育を行うことができるよう、また、経済的事情に関わらず生徒が安心して学べるよう配慮し、公私格差の縮減に努めてまいりたいと考えている。
◇その他の質問 核兵器廃絶について、最上小国川ダム建設事業の見直しについて など
自由民主党 竹田 千惠子 議員
◆財源の確保について
前知事が財政健全化を目指してきたのに対し、知事の公約では、「引き算の県政からプラスの山形へ」を掲げている。景気の回復が進まず、県税収入が落ち込み、新政権による方向性が定まらない中で、この財源不足を補う部分ととプラスの部分をどう確保していくのか伺いたい。
知事 百年に1度とも言われる経済不況の中で、先の6月補正予算及び今回の9月補正予算は、足下の経済回復に向けて、切れ目のない景気・雇用対策の実施に最も重点を置いて、公共事業や産業振興策などを中心に編成した。
これらの財源としては、国の「経済危機対策」により追加された公共事業や各種基金に係る国庫補助金、地域の実情に応じた地域活性化等を支援するための「地域活性化・経済危機対策臨時交付金」などの特定財源を積極的に活用し、調整基金に依存しないものとした。
一方、県の財政を取り巻く環境については、景気の悪化に伴う税収の減少などにより、引き続き大変厳しい状況にあると認識している。しかし、どんなに厳しい状況にあっても、持続可能な財政運営の確保が、県政運営の大前提であることには変わりない。現下の厳しい事態を踏まえ、当面は景気・雇用対策に注力して行くが、その財源については、国の地方財政措置による財源手当てや今回の「経済危機対策」を受けて造成した各種基金の充用などを優先していくこととし、財政健全化の流れを極力維持していきたいと考えている。
6月に公表した「山形県財政の中期展望」では、一定の条件の下で歳入、歳出を試算したところ、何も財源確保対策を講じない場合は、毎年200億円前後の財源不足が生ずる見込みとなった。
その対策として、「有休財産の処分」や「基金、特別会計資金の有効活用」、「財源対策のための県債発行」等による歳入確保を図る一方で、歳出全般にわたり徹底的にムダを廃するなど「経費の節減」に努めるとともに、「事業の見直し」を行っていく。これらの対策については、第三者機関である「行政支出点検・行政改革推進委員会」においても現在、様々な御意見を頂戴しながら進めている。
いずれにしても、今後は、時代の要請等を踏まえながら事業全体を見直し、限られた財源を真に必要な施策へ重点配分するよう、メリハリのある予算編成を行い、将来とも持続可能な財政運営に努めていく。
◆農業の担い手育成について
本県農業基本条例における担い手の育成・確保の精神をどのように捉え、基幹産業である本県農業に定着する担い手を育成していくのか伺いたい。
知事 農業経営を担う人材の育成・確保については、就農の動機付け、意欲の喚起をはじめ、技術及び経営方法の習得による経営管理能力の向上、さらには、投資に対する支援措置を講ずることまで、幅広くかつきめ細かく展開していく必要があることを山形県農業基本条例に謳っている。
特に、新たに就農しようとする方には、学卒者、Uターン者等を問わず、就農前の段階から定着に向けた発展段階に応じ、きめ細かな支援を講じることとしている。さらに、先般の6月補正予算において、就農後5年間営農支援を行う定着支援助成金の交付などを新たに行うこととしたほか、農業者の創意工夫を活かすことが経営意欲と能力の向上に必要と考え、農林水産業創意工夫プロジェクト支援事業を創設した。
これまでも、農業県である本県において、農林水産業が元気でなければ、県も元気が出ないと申し上げてきた。そのためには、農業の喜びや魅力を次世代に伝えていくことも大切なことであると考えている。
今後とも、新規就農者などへの支援策とともに、女性の経営参画や、若い担い手も含めた多様な担い手の育成・確保やその定着に努め、活力あふれる山形県農業を構築していきたいと考えている。
◇その他の質問 副知事定数条例の改正について、今後の交通信号機整備のあり方について など