平成22年 代表・一般質問の概要
(インデックス) 2月定例会
◎ 2 月 定 例 会
平成22年3月1日に行われた代表質問及び2日、3日に行われた一般質問の質疑の概要は次のとおりです。
【代表質問】 鈴木正法 議員 /土田広志 議員
【一般質問】 鈴木 孝 議員 / 中川 勝 議員 / 小野幸作 議員 / 児玉 太 議員
吉村和武 議員 / 金澤忠一 議員
【代表質問】 (各会派を代表しての質問)
自由民主党 鈴木 正法 議員
◆新年度の部局改編における私学振興への取組みについて
当初予算の内示会において、新年度の当初予算とともに平成22年度における本庁組織の部局改編案が示された。
再び教育委員会から分離するのは良いとしても、総務部の中ではどのように位置づけるのか。自由と社会的多様性を育む私学の重要性に鑑みて、公私間の格差是正にむけた今後のスケジュールと私学への就職支援の強化など、私学振興にどのように取り組んでいくのか、その意気込みとあわせて伺いたい。
副知事 本来、私学振興については、地方教育行政の組織及び運営に関する法律において、知事が管理執行することとされている。現在は、地方自治法に基づき、教育委員会に補助執行してもらっているが、新たな施策展開に伴う予算面や制度面での対応に力点を置くという趣旨から、今般、予算調整や法人指導などを担当する総務部の所管とするものである。
私学振興については、経営改善に向けた各学校の取組みや保護者負担の実態等を十分に踏まえながら、経済的事情に関わらず生徒が安心して学び、そして、就職への結び付きなど地域との関わりを念頭に置きながら、今後とも、各種制度や施策の充実を図ってまいる所存である。
◆中小企業振興条例の制定について
現在、中小企業を支援する主旨の条例は、15の道府県で制定されている。現在のような経済情勢であればこそ、実効性のある条例を制定し、県内の中小企業の皆さんを県としてしっかりと支援する旨の力強いメッセージを発信すべきと考えるが、商工労働観光部長の所見を伺いたい。
商工労働観光部長 本県の事業所のほとんどを占める中小企業は、本県の産業経済を支える原動力であり、地域経済の発展、雇用の確保に貢献しており、規模は小さいながらもオンリーワンの技術など優れた技術を持つ企業もあり、本県の将来を支え、地域の活性化に大きな役割を果たしていくものと期待しているところである。
ご指摘の中小企業振興条例を制定している15道府県のうち11道府県では、ここ4年以内に条例が制定されており、中小企業の果たす役割への期待感の現れであると考えている。その内容は、中小企業振興の基本理念や基本方針、県の責務や中小企業の努力義務などを盛り込んでいる例が多く見られる。
経済のグローバル化、少子高齢化など産業を取りまく環境が大きく変化する中において、県、中小企業、県民それぞれの役割や責務を明確にし、社会全体で本県産業の基盤となる中小企業を支えその振興を目的とする条例制定は、地域経済の発展と県民生活の向上を図るうえで、意義深いものであり、今後、中小企業や関係団体等とも意見交換するとともに、議会の皆様とも議論させていただきながら、制定に向けて検討してまいりたいと考えている。
◇その他の質問 戸別所得補償制度の課題にどう対応していくかについて、山形県犯罪被害者支援条例の狙いと取組みについて など
県政クラブ 土田 広志 議員
◆本県の将来ビジョンについて
総合発展計画は、あくまでグランドデザインであると認識する視点に立って考えると、アクションプランは、発展計画を補完する短期の数値目標を設定するにとどまる行動計画であって、中・長期の展望を描いた設計図とは違う性格のものであると考えるが、当局の考え方を伺いたい。
知事 第3次山形県総合発展計画の策定にあたっては、様々な分野で活動している県民の皆様とも意見交換を行い、本県の強みや全国、世界における本県の位置づけなどを検討し、県民が夢と希望を持つことができる新たな県づくりに向け、長期的な展望に立って、概ね10年間の政策展開の方向性を骨太に示しているところである。
この計画全体を総括する基本目標として「緑と心が豊かに奏であい 一人ひとりが輝く山形」を掲げ、この実現に向け、「暮らし」「産業・経済」「地域社会」の3つの柱を基点とした県づくり構想において、それぞれの政策の展開方向や目指していく姿を打ち出している。
これらの政策を展開するにあたっては、社会経済情勢の変化や動向に柔軟にかつ的確に対応しつつ、機動的に施策を展開していくことが重要である。
このような考え方に立って、長期構想に掲げる目標を実現するため、概ね4年間の期間において重点的に取り組む事業の方向性とその推進工程、及び施策の目標指標を示す「短期アクションプラン」を策定し、毎年、事業の進捗状況や目標指標の達成状況等について、検証、評価し、その内容について見直し、改善を図ることとしている。
さらに、毎年度秋に、短期アクションプランを基本としつつ、社会経済情勢の動向はもとより、当面する県政課題や県民ニーズを十分に踏まえて「県政運営の基本的考え方」を策定し、翌年度に重点的に取り組む施策を明らかにしていく。これに基づいて、事業費をはじめ、事業の規模や実施方法などを事業計画期間内の複数年度にわたり具体的に検討し、予算編成当該年度には、より効果的、効率的な施策・事業の展開を図っていかなければならないと考えている。
◆特別養護老人ホームの待機者解消対策について
特別養護老人ホームへの入所を申請したものの長年待たされている方がいる。早期改善、計画の見直しについて伺いたい。
健康福祉部長 特別養護老人ホームへの入所申込者数は、平成20年6月現在、7,321人で、そのうち、特に施設サービスが必要とされる要介護4以上の在宅で入所を待っている方は691人となっている。
こうした入所申込者の状況等を踏まえ、昨年3月に策定した現行の第4期介護保険事業支援計画では、特別養護老人ホーム等881人分の整備を図ることとした。
その後、国では平成24年度からの次期計画以降に必要と見込まれる介護施設等の緊急整備のための新たな支援措置を講じて、平成23年度までの現行計画期間中で重点的に整備を進めることとしたことから、県としては、今後の介護保険財政の安定化等にも留意しながら市町村と協議調整を行い、特別養護老人ホーム等1,061人分の整備を前倒しで実施することとした。
したがって、現行計画は変更していないものの、実際の平成23年度末までの整備目標は、前倒し分を加えた1,942人と大幅に引き上げられている。本年度はこのうち290人分の整備を実施、平成22年度は710人分と計画的に整備を進めることとしており、今後とも、市町村と連携しながら、在宅での介護が困難な方が一日も早く施設サービスを受けられるよう、お年寄りが安心してケアを受けられる場の確保・充実に取り組んでいく。
◇その他の質問 つや姫を始めとした本県農産物の国内外における販売戦略について、総合的なブランド戦略と世界戦略について など
【一般質問】 (県政一般についての質問)
自由民主党 鈴木 孝 議員
◆楽天ゴールデンイーグルス2軍本拠地としての支援策について
県はこれまでも応援活性化のための事業を行っているが、さらに積極的な支援活動を実施し山形県の2軍本拠地での観客動員数の増加を図るとともに、試合数の増加に向けなお一層の支援活動の充実が必要である。青少年の健全育成と地域活性化のため、今後どのように地域に密着した支援活動を計画実施する考えなのか教育長に伺いたい。
教育長 地元を挙げた応援の取組み、さらには公式戦におけるチケット販売やもぎり、ファールボール注意喚起など地元組織の運営参画、また観客数も増加したことなどから、昨年秋、イースタンリーグ公式戦終了後には、楽天球団幹部の方から「山形でのゲームは興行面、運営面、観客動員面などにおいて成功であった。」との評価をいただき、このことが、来季のゲーム数の増加につながったものと考えている。
今後、さらなる観客増を図っていくためには、県と両市町が連携し、これら中山町・天童市の取組みを、村山地域14市町の取組みへ、さらには全県へと、面的な拡大を図っていくことが重要となる。そのため、全県的な広がりが見られる少年野球教室を引続き実施するとともに、昨年設立した支援協議会の組織を活かし、広域的な広報の強化や、市町村応援デーやスポーツ少年団等による応援自主企画事業など、地域レベルでの応援の取組みへの助成を新たに行うなど、県民の観戦機会を増やす取組みを進め、2軍本拠地を活用した青少年健全育成と地域活性化を目指していく。
◆食の甲子園全国大会について
昨年10月、県立山辺高等学校を会場に第5回食の甲子園山形大会~プレ南東北大会~決勝大会が行われた。山形の食文化を全国に発信する素晴らしいイベントであり、生徒のキャリア教育にもつながり県としても大いに力を入れるべきと思う。全国大会に向けて今後どのように推進していこうとしているのか、そして期待される効果をどのように考えているのか農林水産部長に伺いたい。
農林水産部長 食の甲子園やまがた大会は、高校生が料理を通して地域の生産者や料理人等から地元の食材や郷土料理等の食文化を学ぶ食育の実践であるとともに、伝統の継承と創造への意欲を持つ青少年の育成を図るものである。これまで、大会で提案された高校生のアイディアを基に、在来作物を活用したお菓子が商品化されるなど農業と食産業の橋渡しとしての成果もあげてきている。
平成22年度は、参加した高校生から「他県も参加できるように」との声があることや、山形の食材・食文化を県外の人にPRできる絶好の機会であることから、全国大会に規模を拡大して開催したいと考えている。開催に当たっては、引き続き、おいしい山形の食と文化を考える会と協働して企画・運営を行うとともに、企業協賛を働きかけるなどして、多くの人が関係する広がりのある取組みとなるよう努めていきたい。
また、全国大会の開催を通して、県民にこうした活動を広く知ってもらい、協働する民間団体が増えることで、食育を実践していく機運が県民全体に広がるとともに、大会から生まれた料理を料理店で提供することなどで、県産農林水産物の利用を拡大したいと考えている。さらに、県外での県産食材の評価向上や交流人口の拡大につなげたいと考えている。
その他の質問 本県のスポーツ振興を目指した競技力強化について、産業振興プランの改定に向けた考え方について など
自由民主党 中川 勝 議員
◆職員定数条例の改正について
職員の定数管理については、その方針を明確、責任をもって改革していくためにも、職員の定数条例を改正すべきと考える。実態にあった定数条例とすべきと考えるが総務部長に伺いたい。
総務部長 地方自治法では、「職員の定数は、条例でこれを定める」こととされており、直近の改正で申し上げると、平成16年3月に、当時の行革大綱に基づいて、平成10年度から平成15年度までの6年間に取り組んだ職員数の削減分として、288名を減じたところである。
その後、現在に至るまで、やまがた集中改革プラン等による職員数の削減に取り組んできた結果、条例定数と実際の職員数との乖離が大きくなっていることは、議員ご指摘のとおりであるが、今まさに、現行の集中改革プランの取組期間の終期となる平成22年度当初に向けて、職員数削減の仕上げの精査を行っているところである。また、現在検討している新たな行財政改革の指針においても、引き続き、職員数の削減に取り組んでいく考えである。
こうした中で、実態に見合った定数条例が筋であるという認識は持ち合わせているので、職員ご指摘の点を十分に踏まえ、条例改正の内容や時期等について、今後検討を進めてまいりたいと考えている。
◆有機エレクトロニクス研究所の見直しについて
なぜ、有機エレクトロニクス研究所を廃止し、県内での産業集積を促すための事業化推進施設に組織を改めるのか。産学官の意思の疎通が形成されていないところに問題があるのではないか。そこで、県政トップの知事を含めた産学官関係者が一同に会した話し合いの場を設け、不信を払拭していくことが必要と考えるが知事の所見を伺いたい。
知事 本県では、有機エレクトロニクス関連産業の集積に向けて、平成15年に有機エレクトロニクス研究所を開設し、照明用の有機EL開発等に取り組んできた。その成果、有機ELパネル専業会社が設立され、商業ベースのパネルを出荷するに至るとともに、県内企業においても有機EL応用製品への取組みが展開されている。このように民間において事業化が進みだしており、有機ELパネル専業会社の本県における量産化と県内企業の有機EL事業化への取組みの促進を重要課題と位置づけ、県内企業等の製品開発や試作品製作等への支援に取り組んでいく。
即ち、事業化・産業化の段階における研究開発等は、企業を主体とする取組みと連携し、支援していくという立場で取り組んでいく考えである。その際、有機エレクトロニクス研究所の施設・設備や人材、知的財産等は、本県における有機エレクトロニクス産業集積のための重要な資源であるので、今後、企業や大学等を主体とした共同研究や共同開発等が促進されるよう有効活用していく。
また、今後、照明用有機ELの事業化・産業化のみならず有機トランジスタ、太陽電池等、有機エレクトロニクス関連の新たな研究開発を着実に推進し、競争が激化している国内外における研究活動等をリードしていくため、まず、山形大学や県内企業等と、互いに信頼し合い、連携・協同して取り組んでいく必要がある。このため、独立行政法人科学技術振興機構(JST)の支援決定をいただき、今年度から山形大学と共同して取り組むこととしている「先端有機エレクトロニクス国際研究拠点形成プロジェクト」の推進に当たって、私と山形大学や企業等のトップからなる「山形県有機エレクトロニクス産業集積会議」を設置し、現状認識を共有するとともに、進むべき方向を確認しつつ進めてまいりたいと考えている。
◇その他の質問 事業化推進施設と山形大学の研究との関わりについて、認定職業訓練施設と技能者育成、県産材の利活用の推進について など
自由民主党 小野 幸作 議員
◆平成22年度当初予算について
平成22年度当初予算では、子育て支援など重要施策への必要な予算措置が図られたようだが、雇用が深刻化している状況下では、かなり大胆な施策でないと効果は期待できないのではないかと思う。大胆な財政出動と将来に向けての財政規律の維持は相反するものであり予算編成では双方とも求められると思うが、予算編成での知事の基本的な考えを伺いたい。
知事 平成22年度当初予算の編成に当っては、5つの分野の施策に重点配分を行い、新しい活力溢れる山形県づくりを進めていくための予算を編成したところである。また、直面する緊急課題である「景気・雇用対策」については、現下の厳しい危機的な経済情勢からの脱却を目指し、切れ目なく一体的に取り組めるよう財政出動措置を講じたところである。一方、県政運営の大前提である持続可能な財政運営を確保していくには、財政の健全化を進めることが極めて重要であり、予算編成と同時に財政の中期展望を策定し、中長期的な財政健全化目標を示し、財政健全化を図っていくことを考えている。
今後とも、歳入の確保や歳出の見直しの徹底などの財政の健全化を進め、財政規律の維持に努めていくこととする。
◆第3次県総合発展計画について
労働力人口の減少は、わが国経済の潜在的な成長力の低下に直結するものである。労働力人口をいかに増やしていくかが中長期的な課題かと思うが知事の見解をお伺いしたい。また、「GNH」(国民総幸福量)という指標を国家目標に掲げている国があるが、今般示されている第3次山形県総合発展計画に鑑みGNHについての知事の所感を伺いたい。
知事 労働力人口の減少は、生産力の低下をもたらし、県民の暮らしに大きな影響を及ぼすものと考えている。本県においても労働力人口は減少傾向にあり、社会の活力が失われていくことが懸念される。こうしたことを踏まえ、第3次山形県総合発展計画においては、将来の労働力を確保する観点からも総合的な少子化対策を進めることとしている。また、本県の生産・産業活動を担う人材の確保に向けて、県外からの人材誘致を進めるとともに、若者の県内定着に向けた取組みとして、県内企業と連携した在学中の就業体験機会の拡充や、修行の場の創出・確保を進めていくこととしている。加えて、女性や高齢者、障がい者を含めた県民誰もが、それぞれの特性や能力などを発揮できる就業の場の創出・確保を進めていきたいと考えている。
GNH・国民総幸福量の考え方については、時代や国柄、歴史・文化的な違いによって、何を幸せと感じるかは様々であると思われる。GNHの提唱国であるブータン王国は、敬けんな仏教徒が多く、感謝の心を持つとか、精神の安寧というものを重視しているものと推察される。いずれにしても、県民や国民の幸せを実現することは、政治を預かる者の世界共通の責務であると考えている。我が国においては、人々のライフスタイルや価値観も多様化しており、一人ひとりの心の充足や自己実現といったことが求められるようになってきていると受け止めており、まずは保健・医療・福祉の充実など、暮らしを支えるしっかりとした基盤づくりを進め、質的な豊かさが根づく地域社会の形成に取り組み、第3次山形県総合発展計画の基本目標の実現を目指してまいりたいと考えている。
◇その他の質問 県内の景気動向とそれに対する具体的な対応策について、新規高卒者の就職対策について など
◆過疎地域の振興について
過疎地域の自立促進について、与野党間で協議がなされ、今通常国会で現行過疎法を6年延長することや、ソフト事業を過疎対策債の対象とするなど新たな支援策が盛り込まれると伺っている。過疎地域については、様々な支援措置が講じられているが、県内35市町村中多くの市町村が過疎地域の指定を受ける中で、過疎地域の課題をどのように認識し、解決していくお考えか、知事に伺いたい。
知事 過疎地域は、人口減少率及び財政力の2つを要件とし、過疎地域自立促進特別法に基づき、現在県内18市町村が指定されている。こうした地域は、豊かな自然と文化を育む本県にとってかけがえのない地域と考えている。これまでの4次にわたる特別措置法による過疎対策により、社会基盤の整備等は進んだものの、過疎地域は、少子高齢化が進む中で、安全安心な暮らしの確保や耕作放棄地の拡大など多くの課題を抱えている。県としては、第3次総合発展計画において、人口減少抑制の観点からの施策を展開するとともに、過疎地域や中山間地域などにあっても、住民の皆様の思いを大切にし、日々の暮らしに不可欠な機能やサービスを身近に利用できる生活圏の形成を図ることとしている。
いずれにしても、過疎地域については、人口減少、少子高齢化が進んでいるがゆえの厳しい状況があるが、少しでもそれらを抑制し、状況を好転させるため、それぞれの地域の自主的な活動を大切にしてまいりたい。さらに当該市町村と充分連携を図りながら、地域資源や地域内外のマンパワーの活用によるセーフティネットの形成、産業の振興等を図り、そこに住み続けたいと願う住民の思いを大切にしながら、元気に生き生きと暮らしていくことができるような地域づくりに引き続き取り組んでまいりたい。
◆北村山地区の県立高校再編整備計画について
北村山地区の高校再編整備計画では、県内初となる併設型中高一貫教育校のモデル校を東根市に設置することなどが示されたが、東根中高一貫校の設置場所については、なお、検討が必要だと考えている。今の東根工業高校の敷地は、他県の新設された中高一貫校の敷地と比べても狭くなるようであり、せっかくの県内初のモデル校と謳っている訳でもあり、教育内容も含めしっかりと良い学校を整備して頂きたいと考えるが、教育長の所見を伺いたい。
教育長 北村山地区の県立高校の再編整備に当っては、少子化への対応だけでなく、中学校卒業者の約5割が東南村山地区へ流出しているという現状を踏まえ、北村山地区に魅力的な学校を設置することを大きな目的としたところである。地域説明会では反対の声もいただいたが、多くの方々にお集まりいただき、期待する声もたくさん頂戴した。東根中高一貫校(仮称)の敷地については様々なご意見があるが、中高一貫教育校設置計画にも示したとおり、将来にわたり生徒を確保でき、広域的に入学者を確保できる場所、又、校舎・校地の有効活用という観点から、現段階では東根工業高校現有地が最適地と考えている。なお、県内初の中高一貫教育校のモデル校にふさわしい学校の整備については、これまで地域説明会で説明してきたとおり、6年間の計画的・継続的な教育活動が効果的に展開され、子どもたちが夢と希望を持って学ぶことができるよう、教育基本計画をしっかりと策定してまいりたい。いずれにしても、北村山地区の再編整備については、子どもたちの地元定着が図られるよう、楯岡高校の跡地利用も含め、地域の声を十分お聞きしながら進めてまいりたい。
◆私学助成の充実について
国において、公立高校の実質無償化に向けて教育予算の変革があったが、有料である私立高校との公私間格差が拡大しないか懸念されている。
県の来年度予算によると、私学への一般補助金の補助率が45.5%となり、年収450万円未満世帯に対する授業料軽減補助の県独自の助成の積み増しとあいまって、県内私立高校にお子さんを通わせる環境整備が進んだと考えている。
改めて私学に対する思いと今後の一般補助金の補助率引き上げの考え方について伺いたい。
知事 各私立学校におかれては、それぞれの建学の精神に基づいた特色ある教育を実践されているところであり、時代の要請に応え、地域社会にも数多くの有為な人材を輩出してこられた。私立学校は本県教育の一翼を担い、本県の学校教育の振興を充実にご尽力をいただいているところである。
こうした認識に立って、私は、かねてより、経営基盤の安定と保護者等の負担軽減等を進めることにより、公私間の格差の是正(縮減)に取り組まなければならないことを痛感していた。
この度の私立高校に対する一般補助金については、多様な人材を育むその重要性に鑑み、補助率を標準運営費の44%から45.5%に引き上げることとしたところである。
さらに、私立高校生等の世帯に対して、公立高校の授業料相当額を就学支援金により助成するとともに、低所得世帯に対しては、県単独で新たな授業料軽減のための助成制度を設け、家計負担の一層の軽減を図ることとした。
今後の私立高校一般補助金の補助率引き上げの考え方については、県の財政状況を踏まえながらになるが、毎年度の私学を取り巻く環境を十分斟酌しながら、段階的に補助率を引き上げ、補助率を標準運営費の50%にしていく考えである。こうした取組みによって、私立高校の教育条件の維持・向上と家計負担の軽減を図り、経済的事情に関わらず生徒が安心して学べるよう、しっかりと支援してまいりたい。
◆安心して子どもを出産できる環境の整備について
子どもを安心して産み育てる社会づくりに向けた取組みが加速していくこととなると思うが、中でも出産に対する環境整備は必要不可欠である。
今後、安心して子どもを出産できる環境づくりを進めるにあたって、平成22年4月の総合周産期母子医療センターの開設を含め、子どもが生まれる前から、生まれた後までの保健や医療について、どのように充実させていき、少子化対策に向かうのか、お聞きしたい。
子ども政策監 ご指摘のように、産科合併症などのリスクの高い妊娠や2,500g未満の低出生体重児の割合が増加する傾向にあり、周産期医療体制の整備の重要性が増してきている。
このため、県では、4月に県立中央病院に24時間対応の総合周産期母子医療センターを開設し、新生児集中治療管理室(NICU)や、リスクの高い妊婦のための母体・胎児集中治療室(MFICU)を備えるとともに、来年度において、出産時の救急要請等に対応するため、新生児用ドクターカーを配置し、高度な周産期医療を提供していく。
併せて、このセンターとの連携のもと、NICUを備えた複数の医療機関を地域周産期母子医療センターに位置づけ、母体や新生児の救急搬送・受入のためのネットワークの整備を図っていく。
また、安全な出産のためには、母体と胎児の健康管理が重要であることから、引き続き、妊婦健康診査について助成を行うとともに、適切な受診や妊娠期の過ごし方など広く情報提供を行っていく。
その他、疾病の早期発見、早期治療のため、現在、全新生児を対象に先天性代謝異常等検査を実施しているが、今後さらに、新生児聴覚スクリーニングについても実施率向上に努めるなど、県民の皆さんが一層安心して出産できる環境づくりに取り組んでいく。
◇その他の質問 山形駅西口県有地の有効活用について、農業産出額アップに向けた園芸支援策について など
◆国に対する提案・要望の今後の対応等について
知事は鳩山政権における平成22年度政府予算案が決定されるまでの政策決定のプロセスをどう受け止め、今後どのように対応していくのか。県の「平成22年度国の施策等に対する提案・要望」に対し政府予算案等で反映されなかった項目や「事業仕分け」の結果として「影響あり」とされている項目にどのように対応していくのか伺いたい。
知事 深刻な景気・雇用情勢が続く中、国においては、「いのちを守る予算」と名付けた平成22年度政府予算案を閣議決定し、今まさに国会において審議が行われている。
今般の政府予算案の決定過程における最大の特徴としては、行政刷新会議における「事業仕分け」に代表される「予算編成プロセスの透明化」と、財務省原案の廃止に代表される「政治主導の徹底」の2点があげられると思われる。
まず、1点目の「予算編成プロセスの透明化」については、その代名詞ともなった「事業仕分け」において、国民の理解が得られるよう政策や事業等の妥当性、有効性、効率性などを検証したり、国民に対してオープンな場で議論するという手法は画期的なものであり、その趣旨は評価できる。
しかしながら、「事業仕分け」の場においては、「地域主権の確立」をマニフェストに掲げておきながら地方交付税交付金を「抜本的見直し」とするなど、マニフェストとの整合性が取れているのか疑問に感じる評決結果や、道路整備予算の見直し、農道整備事業の廃止など地域の実情を十分に踏まえているとは思えない評決結果も散見された。
最終的には地方交付税交付金の増額等地方の声にも一定程度配慮した政府予算案が決定されたが、今後は政策決定過程から地方の声としてしっかりと主張してまいりたいと考えている。
2点目の「政治主導の徹底」については、財務省原案の廃止など、「政治が考え、政治が責任を持つ」予算編成に取り組んだところであり、内閣が責任を持って意思決定を行うという姿勢は一定の評価ができるものと考えている。
地域主権への転換期にあっては、国の施策に対して地域の視点から、地域の実情をしっかりと主張していくことがますます重要になってきている。要望・陳情の民主党幹事長室一元化のルールについては、これにのっとって国への提案活動を行っていくこととしているが、私としては、どのような形であれ、地域の声をしっかりと国に届け、その声を国政に反映させていくことが重要であると考えている。したがって、国への提案については、民主党のルールにのっとった形のみならず、引き続き、県議会や県選出国会議員の皆様、全国知事会などと連携しながら、あらゆる機会を捉えて、地方の声、現場の声を届け、本県の考え方をしっかりと主張してまいりたいと考えている。
なお、平成22年度政府予算案における提案・要望の反映状況についての今後の対応であるが、要望が反映されていない項目については、反映されなかった理由などについて分析し、今後の提案活動に資するよう取り組んでまいりたいと考えている。また、新たに創設される社会資本整備総合交付金(仮称)などのように、その制度内容が十分に明らかにされていないものや、個別事業に対する補助金・交付金の配分額など、詳細について国から示されていない事業が数多くあり、その内容によっては本県に大きな影響が懸念されるものもある。これらの事業については、来年度の事業執行に支障を来さないよう、引き続き情報収集に努め、より具体的に本県の実情を等を主張してまいりたいと考えている。
さらに、この度の提案・要望の反映状況等の本県への影響などを十分検証した上で、今後の国に対する提案がより効果的な内容となるよう検討し、引き続き国に対し本県の考え方をしっかりと主張してまいりたいと考えている。
◆今年度の子ども政策室の取組みの成果について
知事は「子育ての不安と悩みを解消する支援策の提供」を公約に掲げ、それまで複数の部局に設置されていた子育て支援や男女共同参画に関する施策を一元化し、知事直轄の「子ども政策室」を設置した。
今年度「子ども政策室」を設置し、重点的に取り組んだ施策、その成果についてお聞きしたい。
知事 子育て支援については、特に重点的に取り組む分野として、基本からしっかりと取り組んでいく必要があると考え、昨年4月に「子ども政策室」を立ち上げたところである。子ども政策室においては、まず、今後の県の少子化対策の基盤づくりに重点的に取り組んできた。
具体的には、県内市町村の子育て担当部署との意見交換をはじめ、子育てに関わるNPOなど諸団体の関係者と話し合いを行う中で、現状認識や課題の共有を進めてきた。こうした取組みをもとに、昨年10月には「山形みんなで子育て応援団」を設立し、県民お一人お一人から、できることから応援していただく、県民総ぐるみの支援体制の整備を図った。また、新たな婚活支援事業も立ち上げたところである。
さらに、企業に対しては、仕事と子育ての両立支援の視点からワーク・ライフ・バランスの推進について、一層その取り組みを促進するため、12月には、労・使・県・市町村の代表による「ワーク・ライフ・バランス推進協定」の締結を行ったところである。
また、今定例会には、これからの県の子育て支援・少子化対策の基本となる「山形県子育て基本条例」とともに、認可外保育施設の役割等を踏まえた支援の拡充など、新たな視点を盛り込んだ関連予算を提案させていただいているところである。
さらに、具体的な施策を盛り込んだ「次世代育成支援行動計画(山形子育て応援プラン)(仮称)」の策定作業も、まもなく完了する段階となっている。
これらの取り組みにより、行政のみならず県民参加、県民総ぐるみで子育てを支援していこうという基本的な考え方の姿が見えてきたとの評価をいただいているところである。
このように今年度は、子ども政策室の設置を通じ、子育て支援・少子化対策について県としての強いメッセージを発信するとともに、県民総ぐるみで子育てを支えていくという今後の明確な方向付けが出来たものと考えているところである。
◇その他の質問 海外誘客の促進に向けた受け入れ態勢の整備について、本県の治安現状と今後の課題について など