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代表・一般質問の質疑の概要(平成19年2月定例会)

1 代表・一般質問の質疑の概要

  平成19年2月27日に行われた代表質問及び同年2月28日並びに3月1日に行われた一般質問の質疑の概要は次のとおりです。

【代表質問】(各会派を代表しての質問)

画像森田廣 自由民主党  森 田   廣  議員
 
本県農業政策のあり方について
 本県における農業産出額の減少や農業就業者の減少・高齢化及び国における新たな政策の実施や日豪EPA交渉など、農政が大きな転換点を迎える中で、本県農業も改革に取り組み、将来に向けて体力強化を図っていくべきものと考えるが、本県農業政策のあり方についてどのように考えているのか。
 
農林水産部長 県においては、平成18年度に新たな農林水産業振興計画を策定し、消費者の信頼に応える「環境にやさしく安全でおいしい農産物」の生産や、競争力の高い農業経営の実践により、「農業県やまがた」の発展を図ることとしている。
 平成19年度から導入される品目横断的経営安定対策や農地・水・環境保全対策に積極的に対応し、地域農業を支える意欲ある担い手の育成・確保を図りながら、競争力の高い特色ある産地づくりを推進していく。
 また、農業と他産業の連携による新たな商品開発、2年目を迎える「山形セレクション」による本県ブランドの向上、生産から加工・流通・販売まで一体となった農業の総合産業化を目指すなど、本県農業の持続的な発展に積極的に取り組んでいく。
 
◆障がい者が暮らしやすいまちづくりの推進について
 県では、障がいのある方々が地域で安心して暮らしていけるようなまちづくりを県全体で進めていくために、どのような取組みを行っていくのか。
 
健康福祉部長 障がいの有無にかかわらず誰もが使いやすい施設の整備や、適切な情報提供などを進めるとともに、障がい者に対する県民の理解を一層図っていく必要があると考えている。
そのため、「山形県福祉のまちづくり条例」にある対象者、規制対象施設の種別や規模の範囲、対象項目などの拡大について、懇話会を設置して県民各層から意見をもらい検討を行っていきたい。
 平成19年度は、障がい者や高齢者、妊娠している方など、歩行が困難な方の駐車スペース確保のための利用証制度を新たに導入し、県民の障がい者に対する理解を深めていきたい。
 
◇その他の質問 やまがた緑環境税について、いじめ問題と規範意識の醸成について、県立日本海病院と酒田市立酒田病院との統合再編について など
 
画像太田忠藏 山形21世紀の会 太田忠藏 議員
 
やまがた改革の目指すものについて
 知事は、一昨年の9月に「百年後にも誇りに思える元気なふるさと“やまがた”」の実現を目指して、「やまがた改革」の方向性を県民に示している。
 この「やまがた改革」は具体的に何を目指し、知事は、「やまがた改革」を推進することによって、県民に具体的に何をもたらそうとしているのか、抽象的な表現ではなく、わかりやすい言葉でその考えを聞きたい。
 
知事 「やまがた改革」は、大きな変革や転換の時代の中で、過去のしがらみなどにとらわれず、自由な発想の下で、新しい時代を切り拓き、誰もが住んでいて良かったと実感できる、そして未来に夢と希望を持つことができる、豊かで魅力ある「やまがた」を、県民や市町村と共に実現しようとする取組みである。
 この新しい県づくりを実現していくためには、①将来に負担を残さないような財政体質を確立すること、②情報公開を推進し県民の理解・参画を得ること、③自ら新しい着想で企画立案し、実行し、着実に成果を積み重ね、その結果を検証・評価し、そして改善や次の行動に結びつける、という自律的な組織経営を確立することが必要である。
 こうした取組みを推進するためのシステムを再構築するのが「県庁改革」であり、こうした土台のうえに、県民、市町村とともに知恵を出し合い、施策を創りあげ、事業を展開することにより、県民の思いや行動が評価され報われる、満足感の高い社会を築きあげたいと考えている。
 
◆市町村合併支援策について
 市町村合併を推進するためには、国の様々な手厚い財政優遇措置と相まって、県単独の支援制度が重要と考える。
 昨年度策定した本県の合併推進構想に基づき、市町村の合併を積極的に推進するためには、県による財政支援措置のさらなる充実等について検討すべきではないかと考えるがどうか。
 
知事 平成19年度予算において、昨年度合併した市町村、具体的には、鶴岡市、酒田市、庄内町の住民の方々が合併してよかったということを「手触り感」をもって受け止めていただけるよう、①強い要望のあった道路整備事業に対する重点投資や幹線県道の完成時期の前倒しを行うこと、②合併市町村の公共的施設等の整備を促進するための市町村振興資金について無利子融資枠を創設することなど、重点的に支援を行うこととしている。
 このほか、新たな市町村合併に向けた取組みに対しても引き続き支援を行うこととしており、合併協議会の運営に対する交付金や合併した市町の「新たなまちづくり」に対する交付金の制度を設けている。
 
◇その他の質問 真の地方分権型社会の確立に向けた取組みについて、平成19年度当初予算について(地方財政対策等に対する評価、予算の効果的・効率的な財源活用、今後の財政見通し)、男女共同参画社会の実現に向けた施策の展開について、安全・安心なまちづくりについて など
 
 
画像星川純一  自由の会・県政・公明クラブ 星川 純一 議員
 
産業クラスター計画への取組みについて(産業振興に向けた政策の推進について)
 
 地域発の産業おこしに向けたプロジェクトとして、全国的に大きな関心が寄せられている「有機EL」や「超精密加工技術」等の取組みは、研究段階から、実用化・事業化に向けた取組みを進めていくべき段階にあると考えるが、産業クラスター計画の中で、今後どのように取り組んでいくのか。
 
商工労働観光部長 国の産業クラスター計画の中に位置づけられた、山形・米沢地域を中心とした超精密ものづくり技術クラスターの形成に向けては、次に掲げる取組みを進めている。
 超精密加工技術については、工業術センターを中心とした地域企業約20社との共同研究等により基盤技術の高度化や技術者の育成に取り組んでおり、成果を挙げてきている。今後は、更に、技術移転の裾野の拡大や企業間の連携等を一層促進し、技術競争力の強化に努めていく。
 また、有機エレクトロニクス研究は、研究所において発光パネルの性能向上や量産技術等の研究開発を進め、一定の成果をみている。今後とも研究成果の地域波及や研究所と企業の交流及び技術連携を図っていく。
 さらに、関連産業集積の核となる発光パネル供給体制の具体化に向けた取組みを引き続き進めていく。
 
◆21世紀の北前船構想の実現に向けた進め方について
 
 18年3月に、酒田港長期構想検討委員会が中心となり「21世紀の北前船構想」をまとめ、本県唯一の重要港湾である酒田港が目指す30年後の姿を発表した。酒田港は、本県の経済と暮らしを支える物流の拠点であるとともに、今後の交流拡大が予想される東アジア地域、特に北東アジア地域との物流、人流の拠点のひとつとして、港湾機能の充実が求められている。
 酒田港の港湾管理者として「21世紀の北前船構想」についてどのように考えているのか、知事に聞きたい。
 
知事 かつて北前船は、国内の海運のネットワーク化をもたらし、拠点となった酒田港を通じて庄内地域や、最上川舟運で繋がった山形を繁栄させた。そして、繁栄によって得られた富の多くは、日本一の広さの黒松林植樹など、公益のために使われた。この公益の精神を現代に活かしたものが「21世紀の北前船構想」だと聞いている。
 港運事業者、市民団体等関係者の熱心な議論を経て策定された本構想においては、「物流」「リサイクル」「親水」「防災」の4つの面における機能の充実を大きな目標に掲げている。港湾管理者としては、この目標が将来の酒田港が歩むべき方向として受け止め、リサイクルポートの振興や、みなとオアシスの充実などを図って、人やモノの交流を進めるとともに、港湾施設の更なる整備等を行い、構想の実現に取り組んでいきたい。
 
◇その他の質問 均衡ある発展に向けた県づくりの基本的な考え方について、新たな再生法制の動きを踏まえた市町村への助言について など
 
 
【一般質問】(県政一般についての質問)
画像小池克敏  自由民主党 小池 克敏 議員
 
◆県土の均衡ある保全と育成について
 中山間地域の集落などにおいて農地の荒廃が加速しており、秀麗な山々と最上川の流れによって育まれた、本県の誇るべき歴史や文化・美しい景観が、川上から次第に荒廃が進むことが懸念されている。
 知事は、地域力の向上のために、本県の文化性に満ちた自然環境や、自然と共生する地域文化を大きな財産として、次世代にしっかりと残すと述べているが、緑環境税の導入によって森林整備に一定の見通しがついた今、「子ども夢未来志向」を標榜する知事の、美しい県土の均衡ある保全と育成にかける思いについて聞きたい。
 
知事 県土の均衡ある保全と育成を図っていくためには、都市と中山間地域とがそれぞれの機能を発揮・共有して、お互いがその利益を享受し合うことが重要である。
 中山間地域は、農林水産物の生産のみならず、美しい環境・景観の形成や水源の涵養など、県民の生活基盤を守る重要な役割を担っているが、過疎化・高齢化の進行や耕作放棄地の増加などにより、地域活力の低下が懸念され、集落の維持が困難になってきている。活力ある中山間地域づくりを進めていくためには、単に集落を守るという発想にとどまらず、地域の特性や多様な資源を活かし、新しい価値を生み出す産業創造の場として、また、バイオマスエネルギーの活用による資源循環の推進やグリーン・ツーリズムなどの都市住民との交流活動の促進による新しいライフスタイル実践の場としての発展を図ることが重要である。
 県としては、それぞれの地域に住み、地域社会を支えている方々と一緒になって、多様な施策を展開することにより、「地域力」の向上を図り、美しい県土の均衡ある発展に努めていく。
 
本県教育にかける思いについて
◆今話題のベストセラー「国家の品格」の著者である藤原正彦氏は、諸外国から見た日本が、国際化という名のもとに「国柄」も「国家としての品格」も失ってきているとしている。日本の教育が大きな転換点に直面している今、教育県山形の舵取り役となる教育長として、国家の品格についてどのように考え、本県教育行政をどの方向に向けようとしているのか聞きたい。
 
教育長 国家の品格については、様々な考えがあると思うが、日本人は今なお礼節を重んじる国民であるし、また、近年、伝統や文化を自覚し、見直す動きも出てきているのではないかと思っている。
 本県には、自然の豊かさや自然に対する感謝と畏敬の念、自然に根ざした深い精神文化などがあり、そういう中で豊かな情緒や繊細な感性が育まれてきた山形特有の歴史がある。本県の教育行政の舵を取るにあたり、本県の持つこのような環境を生かし、子どもたちが、山形の自然・文化・人とかかわり、学びながら、郷土に誇りと自信を持つとともに、「いのち」を大切にする教育に全力を尽くしていきたい。
 
◇その他の質問 新たな財政調整機能の仕組みについて、広域経済圏を支える道路ネットワークの整備について、 など
 
画像伊藤孜 山形21世紀の会 伊藤 孜 議員
 
山形県民の所得向上対策について
 2004年の全国市町村納税者一人当たり平均所得ランキングでは、第1位が東京都港区の947万円、最下位は、北海道上砂川町で211万円である。   
県内第一位の山形市は、323万円で、全国では584位であり、山形市以外の市町村は、全国で真ん中より下位グループに位置し、都市部と地方の格差の大きさ、中でも県内自治体のあまりにも「惨めな」状況に愕然としている。  
 知事は、こうした現状をどう受け止め、県民の豊かな生活を目指した所得向上策をどう捉えているのか。
 
知事 社会経済の成熟化に伴い、人々の意識は量的拡大よりも質的充足へと転換し、一人ひとりが満足感を得る価値は必ずしも経済的な尺度だけでは測りきれなくなりつつある。しかし、力強く発展する“未来に広がるやまがた”を実現するうえで、県民所得の向上については、まだ経済的な基盤や産業集積が盤石と言えない本県にとって、依然として大きな課題であると認識している。  
 このためには、県づくりの三つの力の一つである「経済力」の一層の拡大を図る必要がある。山形らしい強い産業の創出に向けた取り組みを強化しなければならない。その際、従来の産業や地域の枠組みにとらわれない産業連携や広域展開といった手法を取り入れながら、価値を再度見つめ直す「価値の再発見」と新しい発想で新しい価値を生み出す「価値の新創造」の両面から戦略的に展開していくことが求められる。
 今後の具体的な取り組みとしては、食産業群形成の観点から農業と他産業が連携した先導的プロジェクトを展開するのをはじめ、山形カロッツェリア・プロジェクトの自立化、山形セレクションの深化・拡大、隣接県と連携した自動車産業の集積促進などを積極的に進めていくこととしている。
 
◆私学を巡る県民の意見に対する所管について
 
 次代を担う若者が安心して勉学に勤しむ環境を整えることは、政治にかかわる者に課せられた責務である。
 私学助成を巡る今回の県の対応に対して、理解できないという県民の方から私に寄せられた手紙には、「県が、平成19年度予算で私立学校への補助金を減額する方針を明らかにしたことに対し、私立学校の生徒有志や関係者が、方針撤回を求める集会を開催した際、この生徒達と向き合い、知事は、丁寧に説明すべきでなかったか。
 また、なぜ減額されなければならないのかという素朴な疑問、芽生えた問題意識にしっかりと答える責任があるのではないか。」とあります。この手紙に対する知事の率直な意見を聞きたい。
 
知事 私立学校は、公教育の一翼を担う一方で、その建学の理念に基づき、独自の学校運営が大いに期待されるところである。私立学校一般補助金は、私立学校の経常的な経費に対して助成するという、本来の趣旨を徹底する観点から、このたび再構築を図ったものである。
 また、このこといついては、概算要求の段階で公表したところ、私立高校生や私学関係者から様々なご意見をいただいた。その声を真摯に受け止め、助成額を要求段階の金額よりも引き上げることとしたものである。
 なお、私立学校に通う生徒に対して、今後とも社会情勢に関する高い関心を持ち続けて欲しいことや、その関心をいかに相手に伝えるかなどについて、自らしっかり考え、行動して欲しい旨、将来に対する期待を込めてメッセージを送ったところである。
 
◇その他の質問 若者の再挑戦にたいする所見について、教育基本法の改正を踏まえた教育現場の対応について など
画像小野幸作  自由民主党 小 野 幸 作  議員
 
世界遺産登録への今後の取組みについて
 文化庁の世界遺産の暫定リストに追加する候補資産に地方自治体から24件の応募があり、4件がリストに追加、20件が継続審査ということになった。ユネスコは、近年既に本登録の件数が多い中世の城や教会などの歴史建造物より、自然環境と文化が織りなす「文化的景観」や「産業遺産」など件数が少ない分野からの登録を優先する傾向にあると言い、そのことから「より可能性が高い分野を先にリストに掲載するのが本登録への近道」と言われており、その意味では本県の「出羽三山と最上川が織りなす文化的景観」は的を射たものである。今回の本県の提案は来年度以降の選定に向けた継続審査となったが、準備時間が短く、議論の積み重ねが足りなかったと思われる。今後の対応についてどう考えているのか。

総務部長 文化審議会において継続審査案件とされた「出羽三山と最上川が織りなす文化的景観」については、「高度な精神文化を表す総合的な資産として、価値は高い」とされた上で、「世界遺産一覧表及び世界遺産暫定一覧表には、未だ反映されていない分野の文化資産である」との評価を得た。一方、本県の提案は「出羽三山信仰、最上川の舟運、鳥海山信仰、蔵王信仰など複合している主題についての整理の必要性」や「多様な構成資産相互の関連性・連続性、出羽三山と最上川とを結び付ける根拠の明確化」等の課題が指摘されている。
 今後は、専門的・学術的な見地から、こうした課題に対する整理・検討など候補資産の資産価値について分析・証明を進め、提案内容の精査を行う。世界遺産を目指す取組みは、世界的な価値を次世代へ継承していくため、県民と一体となって資産の保存・管理を図っていくものである。引き続き、世界遺産に関するシンポジウムの開催等により全県的な機運の醸成を図り、県民参画による推進体制の整備を進めていく。
 
教育行政について(高校再編について)
 県内全体を考慮し、また、本県のこれからの地域産業のあり方を熟慮した上で、農業、工業、商業の単独高校は何校ぐらい必要と考えているのか。職業に関する学科を持つ高校を何校にするのか。その形態は新庄神室産業高校のように総合選択制にするのか。あるいは、総合学科に組み入れるのか、という議論が重要である。
 北村山地区の4校をどうするのかという枠の中での議論ではなく、職業学科においては学区制というものはなく、全県1区であり、全県的視野で考えるべきである。
 10年後20年後の将来を見通しても、県内に農業、工業、商業の単独校は何校かは絶対に必要であると考えるがどうか。
 
教育長 農業や工業、商業などの専門学科については、同じ学科の集積によりさらに専門性を高めたり、異なる学科の連携・融合により幅広い視野を持たせるなどの視点から再編整備を進めることとしている。このため、様々な設置形態が想定されることから、単独校として一概に何校設置するとは言い切れない。
 専門学科の学区については、全県1学区としているが、生徒の多くは自宅から通学している実態にあるため、専門学科の配置は、全県的な視野に立ちながらも、生徒の通学範囲に十分配慮しながら検討する必要がある。こうしたことを踏まえ、北村山地区の高校再編については、地域の意見を聞きながら、既存の高校が果たしている役割、地域社会や産業との関わりも十分に考慮し、魅力的で活力ある高校教育になるよう検討を進めていく。
 
◇その他の質問 広域合併と道州制について、村山総合支庁と分庁舎のあり方について など
 
 
画像澤渡和郎  自由民主党 澤渡和郎 議員
 
日本の精神文明と教育のあり方について
 日本精神を世界に紹介するものとして、新渡戸稲造博士が1900年に刊行した「武士道(The Soul Of Japan)」が知られている。
 新渡戸稲造博士が学んだジョンズ・ホプキンズ大学の同窓であり、また、IMF国際通貨基金在職時、世界経済の中枢において実務を担われた齋藤知事に、その識見や経験から、日本の精神文明と教育のあり方について所見を聞きたい。
 
知事 我が国には、明治、大正、昭和初期において、礼節や自然への畏敬の念をはじめとする、伝統的な精神文化がしっかりと息づいており、人々は、伝統・歴史に培われた道義心や感謝の心、思いやりや忍耐などに代表されるような日本人としてこれまで大変大切にしてきたものがある。
 今日、少子化やグローバル化の進展などにより、教育を取り巻く環境も大きく変化してきているが、人間の本質はいつの時代にあっても変わらないものであり、教育は時流に流されず、軸足をしっかりさせる必要があると考えている。
 このため、我が国の、そして山形の歴史と文化、精神風土などを尊重する態度を育成することを通じて、日本人、山形県人としての意識の高揚を図ると同時に、国際理解にも目を向けながら、例えばしっかり語れる自分を持つなど、グローバル化にも対応できる人材の育成に、教育委員会と一緒に取り組んでいく。
 
まちの魅力づくりと都市計画のあり方について
 まちの魅力づくりは、地方都市に共通する大きな課題である。まちづくりは、公共に奉仕する精神や協力がなければ不可能であり、若者をひきつけることはできない。
 今後、百年後にも元気なやまがた、まちづくりを進める上でその基盤となる都市計画の将来構想について、知事の所見を聞きたい。
 
知事 人口減少や超高齢社会の進展など、大きな時代の転換を迎える中、都市を取り巻く様々な情勢に対処するため、地域の歴史・文化等を踏まえながら、既存ストックを有効に活用した既成市街地の再構築などにより、都市機能が集積したコンパクトな都市構造への再編に取り組む必要があり、とりわけ「まちの顔」となる中心市街地の再生が重要である。
 こうしたコンパクトで魅力あるまちづくりを行うためには、国、市町村と連携して、都市構造の骨格となる都市基盤の整備を図る必要がある。さらに、街の再生を図るために、既成市街地の土地区画整理事業等を支援し、街なか居住を促進するとともに、電線類等の地中化や無散水消雪による冬期歩行者空間の確保、バリアフリー化により、魅力ある街づくりを進めていく必要がある。
 
◇その他の質問 少子化問題と教育の重要性について、山形セレクション初年度の実績評価と今度の展開方針について、医療制度改革の影響と対応について など
 
画像村山隆  自由の会・県政・公明クラブ 村山 隆 議員
 
「いぶき」を「かたち」にする施策の展開について
 
 知事の就任から2年間は、「やまがた改革」の中でも県民への痛みの部分がクローズアップされ、県全体の活力が失われてしまうきらいがあったが、その中においても、カロッツェリア型ものづくりや山形セレクションの深化・拡大など、県民の目から見ても、これまでの山形には見られなかった新しい取組みが生まれてきている。こういった取組みをさらに推し進めることで、県民を元気づけるもの、そして、明るい未来をより身近に感じられるものと思う。
 今後、「いぶき」を「かたち」にする施策として、どのような展開を図っていくのか、そしてどういう効果が期待されるのか、知事の考えを聞きたい。
 
知事 私が想い描く「未来に広がる“やまがた”」は、本県がもつ歴史・文化、自然、匠の技や農の力など、地域の価値をあらためて見つめなおす「価値の再発見」と、多様な主体の連携や新たな発想による「価値の新創造」により、全国・世界に発信・貢献し続ける“やまがた”である。
 就任以来、こうした考えのもと取組みを進めてきたが、その結果、様々な分野において「胎動」が見られるようになっている。今後は、こうした「いぶき」をさらに広げ、かつ深めて、確実な成果、すなわち「かたち」として具現化していくことで、県民が未来に向かって変わりつつある“やまがた”を実感できるようにしていきたい。
 具体的にいくつかの例を示すと、カロッツェリア型ものづくりは、高付加価値の製品開発やプロモーションを進めることにより、国際的にも高い評価を得ており、新たな産業群としての可能性が高まっている。来年度は、さらに、自立した強い産業群にしていくべく、リーディリングブランドの法人化等を行っていく。
 また、「出羽三山と最上川が織りなす文化的景観」の世界遺産登録に向けた取組みについては、これまで暫定リスト掲載に向けコンセプトや構成資産の検討を行ってきており、来年度は、学術的・専門的見地からの分析・検証などを通して、資産の価値をさらに磨き上げ、暫定リストへの追加掲載を目指していく。
 さらに、全国に誇りうる本県の農産物を起点とした食産業群の形成に向けた取組みについては、これまで事業化の可能性について横断的に調査・研究してきたところであり、そのいくつかは既に商品化に向けた動きが具体化してきた。来年度は、さらに消費者から支持されるような商品を生み出していくとともに、本県農林水産業の総合産業化につなげていきたい。
 このように、一つひとつの取組みを着実に「かたち」にするとともに、それぞれの取組みを各分野・各地域における個別のものにとどめず、それぞれ密接に関連するものとして、横断的・総合的に進めていく。
 
◆産業廃棄物税を活用した事業の展開について(環境政策について)
 
 本県では、「山形県産業廃棄物税条例」を制定し、平成18年10月1日から施行したところだが、産業廃棄物税の平成18年度の税収は、当初見込んだ額から相当下回り、来年度以降の税収も、漸減していくことが予想される。当該税は、あらかじめ税収の使いみちを定めた法定外目的税であり、当初計画していた事業ができずに、条例の目的自体が十分達成されないといった事態も考えられる。
 産業廃棄物税の税収の現状と今後の見通しを踏まえ、平成19年度の産業廃棄物税の使途はどのようなものになるのか、文化環境部長に聞きたい。
 
文化環境部長 当該税目の税収は、先行県の例を見ても、景気の影響を受けつつも、漸減していく傾向にある。このことは、税収減に伴う事業の縮小が想定されるものの、税導入のねらいである排出の抑制やリサイクルの推進が着実に進展していることの現われであると考えている。
 導入初年度である本年度の税収は、5千9百万円を当初予算に計上し、その後補正予算で4千3百万円に減額した。来年度は、過去の最終処分量の推移等を分析し、1億6千2百万円を見込んでいる。
 来年度の税収の使途については、ごみゼロやまがた推進プランのひとつである「資源の循環を担う産業の振興」に重点を置いて実施していく。具体的には、循環型産業の創出・育成を図るため、高度な3R技術の研究開発の推進やリサイクル施設等の基盤整備に対する支援を行うほか、地域ゼロエミッションを目指し循環型産業の拠点形成を図る「やまがたエコタウン事業」を実施するとともに、循環型産業の市場形成を促進するため、「ごみゼロやまがた見本市」の開催等を通じたリサイクル製品等の販路拡大事業を実施していきたい。
 
◇その他の質問 退職手当債の発行に係る考え方について、食品の安全・安心の確保について、障がい者の自立と社会参加の促進について など
 
画像松浦安雄  自由民主党  松 浦 安 雄  議員
 
市町村合併と地方自治について
 地方分権が進む中で、市町村は自己決定、自己責任の原則の下、その役割にふさわしい権限、財源、組織を備えた自立性の高い総合的な行政主体として、効果的、効率的な行財政運営を実現する必要がある。
本県における地域の将来のあり方を見据えたうえで、県内の市町村合併に対する考え方を聞きたい。
 
知事 市町村は、地方分権時代において住民に最も身近な基礎的自治体として、自らの責任と判断で、必要な行政サービスを安定的・持続的に地域住民に提供していくことが求められているが、本県においては、今後ますます人口減少や高齢化が進展していく中で、市町村合併は避けて通れない政治課題の一つである。
 言い換えれば、自らの責任と判断で合併をしない選択をして、合併した地域に比べ住民の利便性向上や行政サービス、まちづくりなどの点で見劣りする、また、財政事情が将来像を描けないほど悪化したなどの事態に陥った場合は、その責任は厳しく問われなければならない。
そのようなことから、県としても、3年余りとなった合併新法期限内の合併実現に向けて、市町村長・議員をはじめ県民の皆様に、さらに具体的な議論を呼びかけていくなどして、自らの課題として解決していきたい。
 
少子化対策とその確立について
 これからの少子化対策について、本県ではどのように取り組んでいくのか聞きたい。
 
知事 少子化対策の基本は、結婚したい、子どもを持ちたい、安心して子どもを育てたいと願う県民の誰もが、その願いをかなえることができる社会を実現することだと考えている。
子育てに関する各種意識調査では、「経済的負担を少なくする」「働きながら子育てができる環境をつくる」「社会全体で子育てをサポートする」といった悩みや要望が浮き彫りになっており、県では、地域子育て支援センター、つどいの広場及びファミリーサポートセンターの設置箇所数の拡大等を引き続き図っていくこととしている。
 また、若者の社会流出も少子化の大きな要因となっている本県とって、「平成19年度県政運営の基本方向」の柱の一つであり、19年度当初予算でも具現化した「若者を山形にひきつける」ための諸施策を実践することが非常に重要であると考える。
いずれにしても、人口減少社会を乗り切るため、みんなで力を合わせスピード感を持って、山形らしい少子化対策に取り組んでいきたい。
 
◇その他の質問 財政改革と中期展望について、男女共同参画社会のあり方について、教育改革と人間形成について など
 

 



 

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