「ただいま」 肘折温泉に帰ろう

温泉街からは、徒歩2.6㎞の距離にある地蔵倉。周辺にはたくさんのお地蔵さまが並んでいます。また、地蔵倉からの眺めは絶景で、カルデラ地形を確認することもできます。

最上地方の大蔵村にある肘折温泉は、月山と葉山に囲まれ、深閑とした山奥の谷間にある湯治場です。

肘折温泉の歴史は古く、その開湯は1,200年前です。西暦807年に豊後(ぶんご)の国(現在の大分県)からやってきた源翁(げんおう)により発見されました。諸国を巡礼していた源翁は、山中で道に迷い途方にくれていたところ、地蔵の化身である老僧に出会いました。そのとき、源翁は老僧から「肘を折った際にこの地のお湯(上の湯(かみのゆ))に浸かったところたちまち傷が癒えたため、この温泉を世に広めるように」と告げられたそうです。これが「肘折」の名前の由来となり、骨折や傷に効く湯治場として多くの人々が訪れるようになりました。

温泉街の東側断崖にある地蔵倉は、地蔵の化身である老僧が住んでいたとされる洞窟です。古くから、縁結びや子宝、商売繁盛の神として信じられています。 また、地蔵倉のある岩壁の表面の穴に白いこよりを通すと良縁に恵まれると言われています。

肘折温泉には22軒の旅館と2つの日帰り温泉施設、3つの共同浴場があります。大蔵村観光協会会長の木村さんに伺ったところ、3泊、5泊、1週間と長期滞在し、温泉療養で病気やケガの治療をしたり、日頃の疲れをとることを目的としたリピーターが多いそうです。それぞれの旅館は、まるで実家に帰省したかのような温かみが感じられるつくりで、心から安らぐことができます。昔は、自炊して宿泊したそうで、今でも炊事場が残っています。また、各旅館には特徴ある風呂がありますが、温泉街には日帰り温泉施設と共同浴場もあり、日帰りでもお湯の流れる音を聞きながらゆっくりとした湯治が体験できます。

上の湯

温泉街の中心にあり、肘折温泉開湯の伝説となった老僧が骨折した肘を療養した温泉です。お湯からあがった後、いつまでも熱が残らない清涼感が特徴です。この泉質が、ケガによく効くそうです。

カルデラ温泉館

日本では珍しい炭酸泉(冷泉)で、さらに、高温の温泉と冷泉がほぼ同じ場所から湧出しているという点でさらに稀なケースとされています。細かい泡が肌の表面に付着することにより、毛細血管を拡張させるので心臓に負担をかけずに血行をよくしてくれます。また、炭酸泉の飲泉所もあります。胃の働きを活発にする効果があり、ほのかな炭酸は、爽やかな味です。

肘折いでゆ館

一部の旅館の温泉と同じ源泉を利用しています。肘折温泉を一望できる展望風呂が魅力です。また、肘折いでゆ館では、療養相談を行っており、認定温泉医が、一人ひとりから症状等を聞き、それぞれに合った入浴方法を提案してくれます。

木村屋旅館主人で大蔵村観光協会会長の木村裕吉さん。県内からは、田植えや稲刈りが終わった時期の他、さくらんぼ等の果樹の収穫後に湯治に来る方も多いそうです。

つたや金兵衛の混浴風呂。家族でゆっくりとくつろぐことができます。風呂は、源泉の割合が異なる2種類があります。

四季の宿松屋にある風呂。暗く細いトンネルをくぐっていくと辿り着く、まさに秘湯です。

温泉街の中心にある上の湯。浴衣姿で湯治にくる人が多数おり、周辺は、下駄の音が鳴り響きます。

カルデラ温泉館の内湯には、冷泉である炭酸泉だけの風呂もあります。ゆっくりと温まった後、炭酸泉に足を付けて冷やすとより効果が高まります。

肘折いでゆ館。石造りの湯、寝湯、掛け湯など種類が豊富で、男女日替わりで楽しむことができます。施設内には「ゆきんこホール」があり、様々なイベントで活用されています。

人力車と旧郵便局舎。人力車は、肘折いでゆ館で申し込みができます。昭和12年に建てられた旧郵便局舎は、趣きのある建物で、現在は写真展等のイベントが開催されています。

源泉ドームは、腰湯の他、窓から源泉が湧き出る様子をみることもできます。

肘折ダムと足湯。肘折ダム建設中に、様々な出会いがあったことから「初恋足湯」と名づけられました。

銅山川沿いに温泉宿が立ち並びます。車一台がやっと通ることのできる温泉街の道や、昔ながらの温かみが感じられる宿、おみやげ屋、飲食店等の建物には、趣があります。その温泉街を、人力車でまわることができます。銅山川の流れる音とともに、ゆっくりと走る人力車からみる温泉街の景観の流れが、忙しい日常から解放してくれます。また、車夫のガイドもあり、温泉街の多くの魅力を教えてくれます。

肘折温泉の風物詩である朝市。4月から9月は毎朝5時30分から7時30分、10月から11月初旬は毎朝6時から7時30分に開催されます。

温泉街では、冬期間を除いて、毎日朝市が開催されます。地元で採れた山菜や野菜が売られ、元気な地元のお母さんの声が飛び交います。笹巻きやしそ巻きが人気で、手作りの郷土料理も味わうことができます。

銅山川上流には、肘折ダム(肘折砂防えん堤)があります。肘折ダムは、昭和27年に造られた砂防ダムで、平成21年8月に国の登録有形文化財に指定されました。付近が源泉公園として整備されています。源泉公園には、石造りの源泉ドームがあり、中から源泉が湧き出ています。源泉ドームの周りに設置してある椅子に座ると、源泉ドームから熱が伝わる腰湯を体験できます。また、「初恋足湯」もあり、肘折ダムのマイナスイオンを浴びながら、腰湯や足湯でのんびりと過ごすこともおすすめです。

温泉街を散策し、ゆっくりと温泉につかると、どこか懐かしく、そして人や建物の温かみを感じることができます。忙しい日々の生活に疲れたときに、足を運ぶと、思わず「ただいま」と口にしたくなる風景が肘折温泉にはあります。

お問い合わせ

大蔵村観光協会
TEL:0233-75-2324

 



 

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  • 2010-6-15 公開

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