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山の分校でそばを食べる「みやまの里 木の根坂」

いま、山形から・・・ 山形漫歩 山の分校でそばを食べる「みやまの里 木の根坂」

 山形県の北部に位置する鮭川村。村の中心部から車で約30分。いくつかの立て看板に導かれ、車1台分ほどのぐねぐねの山道を進んでいくと、突如として小さな村里・木の根坂が現れます。ここに新庄市や天童市、山形市、秋田市、仙台市などからもお客さんが訪れる、手打ちそば屋があるのです。

 

木の根坂地区
深い山道で不安にならないよう道中に看板がいくつか立つ。

 山あいに位置する木の根坂は11戸の小さな地区です。主に稲作やタラノメ、きのこなどを栽培しています。春は福寿草やサンシュユ、マンサク、山吹など様々な萌黄色を見せてくれ、カタクリの花の群生へと続きます。ヒメギフチョウの可憐な姿、夏の白いヤマユリの甘い香り、そして秋には色彩豊かな紅葉が魅力です。

ちょっと開けてきました。

 坂道を登り終わると、「みやまの里 木の根坂」が見えてきます。元は鮭川村立曲川小学校木の根坂分校。木造平屋建てで、玄関では下駄箱が当時のまま使われており、廊下には生徒たちの絵や写真が飾られています。「職員室」というプレートが残っていたり、そばをいただく教室には、チョークと黒板があったり。小学生に戻ったような、懐かしい気分にしてくれます。

 

ここが職員室。
食堂には黒板が。
体育館にはステージと、バスケットボールのリングもそのまま残る。

 

分校がそば屋になるまで

 平成19年3月、木の根坂分校は児童数の減少により70年の歴史を閉じることに。「いつまでもこの地に住み続けたい」「閉校になっても分校と関わりを持っていきたい」と地域のみんなが何度も集まり、木の根坂の拠点として校舎を活用できないか話合いを重ねました。その結果、地区住民が何かしらの関わりを持ちながら運営するそば屋として、生まれ変わることになったのです。

井上クニ子さん。

 担当することになったのは、分校向かいの家に生まれ、現在も木の根坂に暮らす井上クニ子さん。調理師として33年間、木の根坂分校で給食を担当したことから、そば屋でも腕をふるうことになりました。

 そして平成19年8月3日のオープン初日、旧分校は開店を待つ人であふれ、木の根坂すべての家から手伝いにきたそうです。「お客さんがここにど~んと並んだの。外にも行列ができて、初日には278人も来てくださったんです。2日目が280人、3日目は180人くらい。3日間1軒から3~4人も手伝いに来てくれ、家族総出のところもありました。私のほかに2人がずっとそばを打ってくれたの。手に豆ができたんですよ」。

 

結いの文化

 木の根坂地区には、地域住民で助け合い、協力し合う相互扶助「結い」の精神が、今もなお根づき、ここでの暮らしは街中で暮らす感覚と違うことがいくつかあります。

ユニフォームはお手製です。

 例えば田植えの時、1軒の家から夫婦揃って手伝いに行き、終わるまで皆で共同作業。手伝いをもらった家では、ごちそうやビール、お酒がふるまわれ、いろんな話も飛び交い、作業するだけでなく宴会のような楽しさもあるのだそうです。

 また何か足りなくなっても、町場まで行かなければ買物はできません。「マヨネーズが無いから貸して。炊飯器のタイマーを忘れてご飯が炊けていないから、1膳分貸してとか。木の根坂の家なら、『入ってください』と言われなくても、『おはようさん』と挨拶しながら玄関の戸を開けて入る。それも「結い」があるからじゃないかと思います」と井上さんは笑います。

 

里山歩きと手打ちそばを
そば会席

 みやまの里 木の根坂で、ぜひ味わって欲しいのがそば会席(1,500円、要予約)。この日のメニューは季節のてんぷら(ナス、ピーマン、うどの葉)と山菜(ミズの炒め物、蕗の甘露煮)、かいもち(ごまだれ、キジ汁)、きゅうりの酢の物、笹巻き、そして鮭川産の最上早生を使った手打ちそば。

最上早生を使った手打ちそば

 「そばの打ち方、材料の使い方など、来ていただいたお客様からアドバイスをいただくようになり、自分でも工夫しながら作っています」と井上さん。太くてやわらかい山菜を使った季節の一品は、ここでしか食べられない絶品料理です。他には板そば、キジそば、かい餅などの単品もあります。

 そばのほかには、木の根坂の方たちが案内してくれる、里山散策(1週間前まで要申込み、3名~ 2時間3,000円)も楽しめます。深い山、自然の美しい山あいの「みやま(深山、美山)の里」へ、子どもの頃のような懐かしさを求めて出かけてみてはいかがでしょうか。

 

やまがたChannelで動画も公開中
取材協力
みやまの里 木の根坂 最上郡鮭川村曲川3262-5 TEL.0233-55-2612

 

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  • 平成24年7月20日公開

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