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うま~い馬肉料理(馬刺し・馬モツ・ガッキ煮)

いま、山形から・・・ おらほの自慢 うま~い馬肉料理(馬刺し・馬モツ・ガッキ煮)

 古くから馬の産地であった最上地域。その中心である新庄市では馬刺しはもちろん、馬モツ、ガッキと呼ばれるすじ肉などの煮込みが食べられています。その背景には馬と人の深いつながりがありました。

 慈覚大師が東国行脚の際、一人の百姓が温水で馬の脚を治療していたところに近づいて、見ると見事な良馬であったため「この土地はすぐれた馬を産するであろう」と、馬頭観世音を授け馬を飼育することを勧めたという言い伝えが残っています。江戸時代の書物で新庄領内の名産物を番付した「新荘御国産名物尽しんじょうおんこくさんめいぶつづくし 」では、現在の最上町(当時:小国)の名物に「小国駒」と馬を指す記載があります。

 

雪国になくてはならない馬
「昔は今よりもっと馬肉をよく食べていた」と柴田孝さん

 山形県の中でも雪深く、春の訪れが遅い新庄市。かつてはほとんどが農業を営み、その多くが農耕のために馬を飼っていたそうです。

「なぜって春先、雪の深いうちから田んぼを耕さなければならない。農耕のために他の地域では牛を飼っただろうけれど、牛の力じゃどうしようもなかったわけ。冬は積雪で道路が使えないから馬ソリも使った。馬はどうしても必要で、農家のほとんどが馬を飼ってたね」そう語るのは柴田牛肉店の柴田孝さん。お店では現在も馬肉を扱っています。

 「馬車用、農耕用などたくさんの馬がいて、それも走ることの速いサラブレッドじゃなく、ペルシュロン系とかの力の強い大型の馬。豊富に馬がいたから事故が起きることも多かった。農作業中、馬がストーンと雪にぬかったりすると、支える骨が少ないから足にヒビが入ってしまう。そうなるともう治らない。店にひと月で7~8頭くらい入ることもあったよ」。

 良い馬が近くにたくさんいたことから、雪深い最上の暮らしに馬たちが活かされていたことが想像できます。日常の食卓にのぼり、お祭りや年の暮れのもてなし料理としても準備されていたという馬肉。特に、他の地域では珍しい内臓やモツが好まれ、全部を煮て馬肉汁などで食べられていたのは、身近で生活に不可欠だった馬の存在に感謝し、粗末にできないという気持ちも込められていたのではないでしょうか。

 

馬刺のはじまり
真空パックされショーケースに並ぶ馬肉
家庭用として販売されている馬もつ

 この地域での馬肉は、煮て食べることが主流で、馬刺しで食べることは多くなかったそうです。「昭和40年頃に九州を舞台にした連続ドラマで、よく馬刺しが出てきたんだ。それからぼちぼち広がっていって食べるようになった。美容にいいとか、馬力がつくということで、お客さんの方から馬刺しの注文が入るようになった」と柴田さんが話してくれました。

そして「馬が昔より身近でなくなって、食べる機会も少なくなってきたから、おいしい馬肉を食べたことのある人も減っているんじゃないかな。でも、馬肉は本当に美味しいよ。煮ても焼いても」とも。

 

料理店でも家庭でも
割烹つたや

 明治24年創業という新庄の老舗料理店・つたや本店。ここでも馬肉料理を提供しています。

高橋秀幸さん

「宴会や会食で、お客様のご要望が多いのはやはり馬刺しですね」と代表取締役の高橋秀幸さん。馬刺しは、赤身の部分にニンニクかショウガを添えて提供することがポピュラーだそうです。他には、高級感のあるサシの入った部分や、タテガミ脂を赤身で巻いて味わうメニューもあるそうです。

 新庄の家庭の味となっているのが馬モツやガッキ煮。モツは内臓で、ガッキ煮はすじ肉やアキレス腱、ロースの下、モモ肉の端など、部位としてどこにも入らないような部分を一緒にして、酒や醤油、しょうがなどで煮込んだものです。「馬モツはサッと煮込むとしっかりとした歯ごたえがあり、ゆっくり煮込むと軟らかくなります。さらっと炒めることを『軽く蹴っ飛ばして』なんて言うんです。汁モノにする時は、馬肉をすき焼きのように『軽く蹴っ飛ばして』(軽く火を通して)取りだし、肉汁を利用して野菜などを煮込んでから、馬肉を戻して仕上げます。調理の仕方や味付けは、家庭によってそれぞれあるのではないでしょうか」と高橋さん。

サシの入った馬刺し
赤身の馬刺しとタテガミ脂
ガッキ煮

 

馬モツ

 赤ぶくと呼ばれる肺を使った煮込みもあるそうです。「煮ていると気泡がぶくぶくたってゆで汁を2~3回取り代えてから、ギューギューと磨くのだそうです。肺は本当に状態が良いものでないと食べられないため、手に入りずらい。私たちもあまり食べたことがありません。おばあちゃんたちくらいしか煮れなくなっているようです。」と、少し残念そうに高橋さんは話してくださいました。

 

新庄駅で食べられる馬肉弁当
馬肉のユッケ

 生食用牛肉が食品衛生法で基準等を定められてから、馬肉の新しい食べ方として“ユッケ”の人気が出てきているそうです。

さくらそぼろ弁当

 そして、新庄の馬肉を食べる文化を広げようと作られたのが「さくらそぼろ弁当」。甘辛い特製タレでガッキを味付けし、煮込みとそぼろに仕立てご飯の上にのせています。様々な肉が混ざったガッキが固い食感であることは新庄っ子には常識。しかし馴染みのない方には「歯が立たない、固すぎる」との理由で受け入れにくいだろうと、やわらかく煮てあるそうです。

 様々な知恵や工夫で食べられてきた馬肉。時代の移り変わりとともに、地元の味も少しずつ姿を変えてきているのかもしれません。

青くさわやかな秋空の下、最上地域を巡り、馬肉料理を食べてみてはいかがでしょうか。馬肉は、いつもあるとは限りませんので、電話などでご確認ください。

 

お問い合わせ・取材協力
柴田牛肉店 新庄市本町3-51 TEL:0233-22-0432
割烹つたや 新庄市常葉町3-25 TEL:0233-22-0434
もがみ物産館 新庄市多門町1-2 ゆめりあ内 TEL:0233-28-8886

 


 

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  • 平成24年10月19日公開

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