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湯気の向こうに笑顔が見える「ひっぱりうどん」

いま、山形から・・・ おらほの自慢 湯気の向こうに笑顔が見える 村山市 ひっぱりうどん

 大鍋からもうもうとあがる湯気。お湯が沸いたらできたも同然。乾麺のうどんと納豆があれば作れる名物料理・ひっぱりうどん。ここ村山市はひっぱりうどんの発祥の地なのだとか。ひっぱりうどん研究所もあるのです。

 

ひっぱりうどんの作り方
たっぷりのお湯の中に太めの麺が泳いでいます。

 ひっぱりうどんは山形県内(主に内陸部)に伝わるうどんの食べ方で、麺をゆでた鍋から直接ひっぱり上げて食べることから「ひっぱりうどん」と呼ばれているそうです。

 作り方はとても簡単。鍋でお湯をわかし、うどん(乾麺)を入れます。つけだれは納豆に醤油を加えたものが基本で、それにサバの水煮(いわゆる“サバ缶”)や生卵を加えるのが一般的とのこと。

材料はこれだけ。

お好みでねぎやかつお節などを加え、麺がゆで上がれば出来上がり!

いっただきま~す。

よく混ぜたつけだれに鍋からひきあげたうどんをからめて、ズルズルっといただきます。

 熱々のうどんに納豆の香ばしさと醤油の香り、サバの旨みで、つるつるズルズル、いくらでも食べられ、体もぽかぽか温まります。

 

炭焼きとひっぱりうどん

 山形県の内陸地方を中心によく食べられている「ひっぱりうどん」ですが、発祥の地は村山市戸沢地区だという説があります。

戸沢地区にある「ひっぱりうどん」発祥の地の看板

 山岳信仰と貴重な高山植物の分布で知られる葉山。その麓、戸沢地区ではかつて生業としての炭焼きが盛んでした。炭焼きには長い時間がかかり、火力の調整が重要で釜の側から離れることができないことから、手早くできるひっぱりうどんは、作業中の食事にぴったりだったというわけです。簡単で美味しくて、「家にある食材で作れる」と家庭で食べられるようになり、次第に広まっていったと伝えられています。

 戸沢地域では「ひっぱりうどん」ですが、村山市の他の地域や他市町村では「ひきあげうどん」、「ひきずりうどん」、「ずりあげうどん」などと呼ばれ、それぞれの地域に根付いています。

 

ひっぱりうどん研究所
ひっぱりうどん研究所 所長の佐藤政史さん

 ひっぱりうどんが麺類の独特の食べ方であることに着目したのが佐藤政史さんです。村山市はそばの産地としても有名ですが、「旧暦の大晦日は地域みんなでひっぱりうどんを食べて、新年・家庭・地域に幸運をひっぱり寄せよう」ということで、平成22年2月12日に年越しひっぱりうどん地域宣言をして、研究所を設立しました。

 「この地方での一年で最も寒い時期である1月下旬から2月下旬には、旧歴の大晦日が訪れる。この日を、家族で鍋を囲んで“ひっぱり”合い、和やかに過ごすことは、何と素晴らしくはなかろうか。“ひっぱり”合ってココロと体を温めれば、次第に部屋も暖まり、室温を下げれば環境にもやさしくできる。一家の温かな団らんと明るい地域の未来を願い、ここに旧暦大晦日を『年越しひっぱりうどん』の日とすることを宣言する。」

 これが宣言文の一部です。夫婦、親子、兄弟がひとつの鍋からひっぱりうどんを食べることで会話がはずみ、家族が仲良くなれる、そして節電にも貢献できるというのです。なんともユニークではありませんか。

 

ひっぱりうどん知恵袋

 この日も10名ほどの研究員がひっぱりうどんの例会を行っていました。他の用事で戸沢地区市民センターにやって来た人に「一緒に混ざって、ひっぱってったら(いっしょにひっぱりうどんを食べましょう)」と声を掛けると、参加者がどんどん増えていきます。「たんねけごんたら、まだへっだらいいべ(足りないようだったら、また乾麺を入れればいいよ)」といくらでも簡単に作ってしまえます。

研究員の皆さんから作り方のポイントや、美味しいたれや具材を教えていただきました。

  • 乾麺の選び方/やわらかくなり過ぎないよう、ゆで時間が7~8分位のもの。
  • 便利な道具/鍋から麺をひきあげるのに、箸がすべってしまいます。例会では鍋からスパゲティをすくう、スパゲティレードルが活躍していました。うどんをしっかりキャッチしてくれ、誰でも上手にすくうことができました。
  • さし水/麺がゆで上がったら、鍋の湯がぬるくならない程度に差し水をします。麺がのびるのを防いでくれるそうです。
  • +αのたれ、具材、薬味/ネギ、一味唐辛子、かつお節、大根おろし、変わり種として、バター、チーズ、カレー、ラー油など。
  • 赤い食材/旧暦の大晦日、つまり年越しひっぱりうどんには、「祝の赤」ということで、紅しょうがとキムチがおすすめ。
みんなで和気あいあい。みんなでつるつる。
みんなでひっぱる
ひっぱる
 
ひっぱる
スパゲッティレードルなら、鍋から上手にすくえます。
赤い食材・キムチ、紅しょうが。

 

地域の食文化として
「TOZAWA 『ひっ』ト『ぱれ』ード」 かまくらの中で食べるひっぱりうどん

 ひっぱりうどん研究所には市内の小学校や各種施設からの講演・実演などの依頼があり、佐藤さんは、戦後日本の経済成長とからめて、ひっぱりうどんの食べ方(食材)の変化などについて話をしています。「『ひっぱりうどん』は、地域ひいては日本経済とともに成長してきた食卓の変遷を表す大切な食文化です。そして、今なお、心も体も温まる愛すべきスローフード・ソウルフードとして伝えるべきと考えます」と佐藤さん。話が終わったあとは皆でひっぱりうどんを食べるのが決まりです。

イベントでおひろめ中。納豆とサバ缶の出会いに、県外の方は驚きます。

 さらに研究所では、各種イベントに出店したり、毎年、1~2月にはひとり100円でひっぱり放題という、ひっぱりまつり「TOZAWA 『ひっ』ト『ぱれ』ード」を開催。そのほか、学業成就のご利益があるといわれる碁点文殊院にて合格祈願をしたひっぱりうどん専用の乾麺・合格鉛筆等をセットにした「受験必勝!合格ひっぱりうどんセット」(元日から3月末まで)などの販売も行っています。

雪が降り始め、寒さが深まると一層美味しくなる、ひっぱりうどん。みんなで食べて、合格も幸せもひっぱり上げましょう。

 

取材協力
ひっぱりうどん研究所 TEL:0237-56-2111(村山市戸沢地区市民センター内)

 


 

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更新情報

  • 2012-12-21掲載

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