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納豆餅

いま、山形から・・・ おらほの自慢 身近な材料をあわせて、おいしく。なっともづ(納豆餅)

 あんこ、ずんだ、ごま、きなこ。お餅の食べ方はいろいろありますが、山形で忘れてならないのが納豆餅です。県内の多くの家庭で作られ、スーパーの惣菜売り場にも並ぶ納豆餅。しかし他県の方からは「ちょっと変わった食べ方」と思われているようです。

郷土料理はわからないことばかり

 おいしいお米の産地である山形には、さまざまな餅文化が残っています。県内では当たり前のように食べられている納豆餅ですが、山形県以外で現在食べられているのは、宮城県や北海道、京都府の一部など、限られた地域のようです。

 「郷土料理っていうのはわからないことばかりですが、実は現代の地産地消そのものなのですよ。」と、料理研究家の古田久子さん。山形の素朴な郷土料理“だし”にしても、いつ、誰が作ったのか、わからないのだそうです。それは納豆餅も同じなのだとか。

 「でもね、子や孫へと何世代も伝えられてきた料理というのは、手近な材料と材料を合わせて作られて、食べてみると何となく元気が出るし、おいしくて味覚的にも満足できるのですよね。私は先祖の遺産ともいうべき伝承料理に感謝しております」。

 

山形の餅文化
料理研究家の古田久子さん

 「餅は昔から、農耕神事やお客様をもてなすための特別な食べ物でした。さなぶり(田植えの終わりに田の神を送るお祭り)や刈り上げ餅(稲刈りが無事に終わったことを田の神に感謝する、神迎・神送りの餅)などは、神に感謝し、共に食べます。また、子どもが生まれたり、歩くようになったときなど成長の節目節目に餅をついて祝ったり、来客のもてなしに餅をつくなど、『餅文化』が伝えられてきました。

 そして納豆も、昔ははどこの家でも作っていました。ワラと大豆は手近な材料としてすぐ手に入りましたし、冬場にコタツに入れて、誰もが手軽に作ったんです。納豆のねばねばは、当時は貴重だった健康のもと。私たちの体が欲している栄養素を含んでいます。しかもおいしい。

 雑煮は汁があって、するする入る。あんころ餅、くるみ、ごま、みんな甘いでしょ。その味を調節するためにも、お醤油味の納豆餅はバランスが良いんだと思います」。

 

お店でいただく納豆餅
峠の茶屋名物、ピンポン玉のようなまん丸お餅。

 30年前から、餅とラーメンを提供している山形市の「峠の茶屋」。店長の常川さんは、定休日以外は毎日、しかも土曜、日曜ともなれば六升もの餅をついています。

納豆はみごとな大粒。

「吟味したもち米を水につけて蒸し、つきます。水分が多かったりしてべたっとするのは嫌だから、その日の天候によって、つやを見てそれぞれの時間を調整するの。そうしないと出来上がりが違うんです。お餅も生きているんだなって思います。

お餅とラーメンのセットもあります。

おいしく食べてもらいたいから盛り付けの形にもこだわっています。熱々の餅をぷっくりとした形にして、手で切るの。そして一番シンプルな味付けは納豆。うちでは餅はあんこ、納豆、くるみ、ごま、ずんだ、きなこ、おろしの7種類あって、その中から好きなもの3つをセットにできるようにしているんだけど、皆さん必ずと言ってよいほど納豆餅を入れますね。

「峠の茶屋」の常川店長

 納豆は大きな豆で、しろこ(納豆に白っぽくついた、ねばねばのもと)があり、豆の表面がごりごりっとした、元気なもの。それに地元のだし醤油とねぎをのせます。醤油もいい加減なものではおいしくならないのよ。」

さらに「餅好きな方の注文には納豆と雑煮が多い」と常川さん。雑煮と納豆はつるっとしたのどごしが良く、いくつも食べられるからだそうです。かつてひと皿5個入りの納豆餅を5皿食べたという、つわもののおじいさんがいたのだとか。「昔の人はホント、お餅が好きだったのよね。あっさり系がお好みの方には酢とだいこんおろしの納豆餅をおすすめしています。納豆にマヨネーズを和えてもまろやかでおいしいので、お家で試してみてください」。

 

納豆餅を飲む
納豆とねぎをのせていただきます。

 河北町溝延みぞのべ地区には、古くから「餅を食べる人は粘り強く力持ち(餅)で、家、村、国を宝持ち(餅)にする」という考えがあります。「溝延一升餅保存会」では毎年2~3月頃に餅飲みを披露するそうです。その際に食べられるのが納豆餅。たっぷりの大根おろしの絞り汁とだし醤油でいただくそうです。かつては一人で3升を食べた方もいたのだとか。

ただし、「餅飲み」は、選りすぐりのパフォーマンス集団によって行われています。危険なので、くれぐれも真似しないでくださいね。

 

撮影協力

峠の茶屋 tel.023-629-2838

 


 

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