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啓翁桜

いま、山形から・・・ 山形の旬だより 新春に楽しむ、春の装い 啓翁桜(東根市)
(平成27年12月18日掲載)

 ボリュームのある薄紅色の花びらと凛としたたたずまいで、見るものを魅了する啓翁桜けいおうざくら。しんしんと雪が降り積もる「雪国山形」から、ひと足早く、春の訪れを告げる桜の便りをお届けします。


 

真冬に咲く桜
「啓翁桜」は、1930年に福岡県久留米市の良永敬太郎氏によって作られたと言われています。

 山形県が日本一の出荷量を誇る啓翁桜は、冬に花を咲かせる桜です。しなやかな細い枝にたくさんの花が咲きそろう姿がとても華やかで、お正月の飾りや結婚式、卒業式などのハレの日を演出する花として注目を集めています。また、近年では、フラワーアレンジメントや贈り物としての需要も高まっています。山形の気候と長年の研究により培われた確かな技術により促成栽培された啓翁桜は、12月中旬から3月まで、春を彩る鑑賞用の切り枝として全国各地に出荷されます。


 

お正月にあわせて桜を目覚めさせる

 「私が啓翁桜の栽培を始めたのは、昭和40年代後半。全国ではもちろん、県内でもかなり早い方でした」と語るのは、東根市で啓翁桜の栽培に携わる、山形県花木かぼく生産者協議会会長の大江芳憲おおえよしのりさん。啓翁桜の県内主要産地の一つである東根市では、今シーズン45万本の啓翁桜を、そのうちのおよそ7割をお正月にあわせて全国各地に出荷する予定です。

 12月初旬、「JAさくらんぼひがしね さくらセンター」ではお正月用の啓翁桜の出荷に向けた作業が最盛期を迎えていました。お正月に満開の桜を楽しめるように、切り出した枝に温湯おんとうや薬品で処理を施し、温室に入れて開花を促進させます。「『春が来た』と桜に勘違いさせるための処理です。ただ、そのためには、処理を施す前に気温8℃以下の環境で500時間以上を過ごさせる必要があります。その時間が短いと花を咲かせてはくれません」。秋の訪れが早い山形県では、桜も早い時期から休眠状態に入ります。そのため、早くに桜を目覚めさせることができるのです。

40℃ほどのお湯に1時間浸します。
石灰窒素の上澄みと同じ成分の薬品に浸した後、温室へ運ばれます。
春の陽気と同じ気温に保たれる温室で出荷を待つ啓翁桜。


 

冬の桜は、生産者の研究と努力の賜物

お話しを伺った大江さん。大江さんが栽培した啓翁桜は、皇室会議でも飾られ話題になりました。

 今では全国に向けて出荷されるようになった山形県産の啓翁桜ですが、今日に至るまでは試行錯誤の連続だったと言います。「啓翁桜の栽培を始めた頃は、ヒガンザクラの栽培を参考に啓翁桜を育てていました。一本の幹から枝を伸ばし、その伸びた枝を刈り取っていたのですが、あまり育ちが良くありませんでした。そのような時、幹からではなく根元から細い枝を伸ばす『株立かぶだち』という方法で育ててみると上手く栽培できたのです。その後も県の園芸試験場や、生産者同士で研究を重ね、栽培方法を確立させました。それでも課題は絶えません。最近では“ウソ”という鳥から桜の芽を食べられてしまう深刻な被害が出ています。根本的な対策法が今のところないため、“ウソ”が畑にやって来る1月より前にできるだけ刈取りを終え、被害を最小限に抑えている状況です」。冬に咲く美しい桜の陰で、今なお生産者の研究と努力が続いています。


 

家の中に春を咲かせる

啓翁桜の生け方はさまざま。
枝を短く切ってモダンな雰囲気にもまとめられます。

 啓翁桜を家で楽しむにはどのようにしたら良いのでしょうか。「『花を早く咲かせたい』と思ってヒーターの前に置く方がいますが、温風に当てると枯れてしまいます。早く咲かせるには、風の当たらない日当たりが良く暖かい部屋に置いておくといいですね。咲いた後は、玄関などの涼しい場所に飾っておくと、ひと月近く楽しむことができます」と大江さん。花が散った後にも楽しみがあるそうです。「花が散った後の枝を、花瓶に挿したまま湿度と気温が高い部屋に置いておくと、今度は葉がでてきます。淡い緑色の可愛らしい葉っぱでとてもきれいですよ」。なお、購入する際は、「花の色が鮮やかで、花芽がたくさんついているもの」を選ぶのがポイントだそうです。


 

啓翁桜由来の可憐なお酒はいかが?

「桜三蔵」300ml入り3本セット(1,800円)。平成25年から期間・数量限定で販売を開始し、例年好評を博しています。

 お花見に欠かせないものと言えば、桜とともに楽しむお酒です。山形の酒蔵と啓翁桜がコラボレーションして誕生した特別純米酒「桜三蔵さくらさくら」が、山形市内の酒販店で1月11日から販売されます。このお酒は、山形市内にある3つの酒蔵(寿虎屋酒造、男山酒造、秀鳳酒造場)が、啓翁桜から採取した酵母を使用して仕込んだオリジナルの地酒です。3つの酒蔵のお酒が3本1セットになっているため、それぞれに異なる味わいを飲み比べで楽しむことができます。

 啓翁桜を愛でながら、啓翁桜から生まれた地酒を傾ける。ひと足早いお花見が、冬の寒さを癒してくれそうです。


 

取材協力・お問い合わせ

啓翁桜について
東根市農業協同組合 tel.0237-43-1117
桜三蔵について
山形県酒類卸株式会社 山形支店 tel.023-642-2525


 


 

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  • 平成27年12月18日掲載

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