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株式会社ニューテックシンセイ 代表取締役社長 桒原晃さん

いま、山形から・・・ 山形の若者 株式会社ニューテックシンセイ 代表取締役社長 <ruby><rb>桒原 晃</rb><rp>(</rp><rt>クワバラ アキラ</rt><rp>)</rp></ruby>さん(米沢市)
(平成28年3月18日掲載)

 木目の美しさと無垢材のやわらかな手触りが魅力の木製ブロック「MOKULOCK(もくロック)」。山形県米沢市にある株式会社ニューテックシンセイの代表取締役社長 桒原晃さんは、自社の持つ金属加工技術を活用し、県産木材を使用したブロック玩具の商品化に成功しました。

「培った技術力+“山形ならでは”のもの+子どもへの愛」=「もくロック」
31歳の時に、山形大学工学部に入学。そこでの人との出会いが、「もくロック」商品化の大きな推進力になったそうです。

 当社は長年、パソコンやプリント基板の組み立てなどを手掛けてきました。しかし、年々、事業環境が変化し、自分達の会社も何か新しいことをしなければ生き残れないと危機感を持つようになりました。そのような時、打開策を模索する中で、ふっと思いついたのが木製のブロックだったのです。

 「山形にいるからこそできること、米沢にいる意味を見出せるものとはなんだろうか」。自分自身、単純に自然が好きだったこともありますが、“山形らしさ”に目を向けた時、頭に浮かんだのが“木”でした。今まで蓄積してきた自社の技術と地域資源を活かせるもの、そして、自分の子どもに喜ばれるもの、子どもの能力を伸ばせるものを作りたいという想いで、2009年に小さな子どもを持つ社員と2人で、県産の未利用材を使ったブロック玩具の開発に取りかかりました。


 

天然ものを一定の規格で仕上げる難しさ
 
小さな刃で削り出され、木片はブロックへと形を変えていきます。

 初めて扱う木材。当たり前ですが、木製ブロックの開発は一筋縄ではいきませんでした。金属やプラスチックなどの人工物と違い、木材は“いきもの”です。温度や湿度で伸びたり縮んだりしますし、木の種類によって硬さや収縮・膨張の度合も異なります。

 
両面とも精巧なつくり。蓄積された精密部品の加工技術が活かされています。

 子どもが組み立てて遊ぶものですから、ブロック同士がカチッとはまり、スムーズに外れなければならないのですが、試作品はブロック同士が上手くはまらなかったり、割れてしまったり…。「もくロック」には、カエデ、サクラ、ホウノキ、カバ、シデ、ケヤキの6種類の木材を使用していますが、一定の品質のものがなかなか作れず、木材ごとの最適な乾燥の期間や方法、寸法を探し当てるために、微調整を幾度となく繰り返しました。試行錯誤の末、およそ1年後に木の種類別にプログラムを組み込んだ自社製の製造装置によって、木片から自動的に最適な寸法のブロックが削り出せるようになったのです。開発を担当した社員の努力はもとより、山形大学をはじめ、県工業技術センター、木材加工関係の方々の協力があってこその成功だと思っています。


 

「もくロック」の誕生、そして世界へ
「もくロック」を組み立てて作った家。オンリーワンの魅力にあふれています。

 品質の揃ったブロックを量産できるようになると、今度は商品化に向けて動き出しました。社員の子どもや地元の保育園の園児にお願いして、実際にブロックを使って遊んでもらい、問題点が無いかを何度もテストしました。また、商品名やパッケージ、パンフレットなどについて社員と話し合いを重ね、時には地元のデザイナーなどの力を借りながら、1つずつ作り上げていきました。そして、開発に取りかかってから2年後の2011年、「もくロック」の販売にたどり着きました。

カラフルな壁は社員さんの手作り。「もくロック」とともに、子育てイベントに登場しました。

 近頃は、イベントへの出店や広報活動が実を結び、国内外のセレクトショップやインテリアショップでも取り扱っていただけるようになりました。未利用材を使用しているため、その時々で手に入る木の種類も異なりますし、同じ種類の木でも、どの部分を使うかでまったく表情の違うブロックになります。箱を開けてみるまでどんな色合いのブロックが入っているのか分からないところも、魅力の1つと感じてくださっているようです。また、2015年1月にパリで開催された、世界最高峰のインテリアと雑貨の見本市「メゾン・エ・オブジェ」では、環境に配慮して継続可能な商品をつくる企業に贈られる「グリーン・アイテナリー賞」を受賞しました。この賞を受賞したのが、出展した約3000ブランドのうち9ブランドのみ、日本企業では唯一ということを聞きいた時は、大変驚きましたし、自信にもつながりました。


 

これからも“山形らしさ”を追い求めて
ピース数や大きさなどバリエーション豊かな商品の数々。子どもの想像力をかき立てます。

 国内外から注目していただき、玩具としてはもちろん、インテリア雑貨としても「もくロック」に興味を持ってくださる方が増えていることは、非常にうれしく感じています。ただ、開発の原動力にもなった“子どものため”という部分は、これからも忘れたくないと思っています。

杉の木で作ったプレイルーム。これも木材を活用する取組みの1つです。

 自然の力や美しさを知ってもらいたいので、今後は、子どもが生活する空間全体をプロデュースしていきたいと考えています。まず第一歩として、朝日町の家具製造会社に製造を依頼し椅子の試作に取りかかっているところです。また、森づくり活動にも、より一層力を入れていきたいと思っています。2016年2月には県や南陽市と「やまがた絆の森(もくロックの森)協定」を締結しました。これから、南陽市赤湯地区にある十分一山で、社員と地域が連携して里山の保全活動を行っていきます。自分達を育んでくれている山が元気になるように、南陽市の小学生とも一緒に活動する予定です。

 一歩踏み出し地道に努力を続けたことが、今に繋がっていると感じています。山形がもっと魅力的な場所になるように、これからもコツコツと“山形らしさ”を追求していきたいです。


 

取材協力・お問い合わせ

株式会社ニューテックシンセイ  tel.0238-21-3155 http://mokulock.com/


 


 

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  • 平成28年3月18日掲載

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