福岡ソフトバンクホークス 長谷川勇也選手

鶴岡市出身の福岡ソフトバンクホークス・長谷川勇也外野手は、2009年シーズンに飛躍的な活躍をした選手のひとり。パ・リーグ4位となる打率3割1分2厘をマークし、オールスターゲームにも初出場を果たすなど、プロ3年目でその才能を一気に開花させました。今年もレギュラーとして定着し、さらなる成長と期待がかかる長谷川選手に、今シーズンの抱負をうかがいました。
野球人生のはじまり
−野球を始めたのはいつですか。
「小学3年生あたりです。その頃は、野球はスポーツというより遊びでした。学校が終わって、友だちとやる遊びが野球だったんです。リトルリーグにも入っていませんでしたから。硬式野球(*1)を始めた高校から、本格的に僕の野球人生がはじまったと言えると思います。中学までは投手で、高校に入って外野手に転向しました」
-酒田南高時代はどんな選手でしたか?
「正直、入学当時はレギュラーになることも難しいと感じてました。関西や全国から地元出身以外の選手が集まってくるんですよ。うまくなりたいから本格的に練習に取り組むようになって、それが結果につながることがうれしかった。とにかく練習、練習の日々でした。それが大学進学やプロへの道につながったと思います。」
マイナスをプラスに変える
-2008年に左手小指を骨折されましたが、その時はどんな思いでしたか?
「自分に足りないことを見つめるために、必要な時間なんだと言い聞かせていました。ケガをしたことをマイナスではなく、プラスに生かせるようにしたかったんです。リハビリをしながら、VTRで他の選手のプレーを見て研究したり、下半身の強化をして2009年シーズンに備えました。」
-具体的に、2008年シーズンと2009年シーズンで変わったことは?
「完璧に打ち返したい気持ちが強すぎて、緩いボールや縦方向の変化球をなかなか打てなかったんです。今季は球を引きつけて三塁方向へ打つ意識を持つようにしたら、ヒットが打てるようになって、打率も上がってきた。ファールを打って粘れるようになりましたね。」
-昨季で印象に残っている試合は?
「そうですね、4月の日本ハム戦でのスウィーニー投手との対戦が、特に印象に残っています。振り返ってみると、この打席で納得のいくバッティングフォームを見つけられたように感じます。下半身を使って打つことを体感したというか、手応えをつかめた気がします。昨シーズンのケガをプラスに変えられると。試合は同じことの繰り返しのように見えて、毎回違う発見があるものなんですよ。」
外野の要として、レギュラーに定着
-2009年はどんな1年でしたか?
「シーズンを通してレギュラーとして定着できて、満足のいくシーズンでした。143試合に出場できたことは、大きな自信になりましたね。プロの選手としての野球人生をスタートできた年だったと感じています。」
-4月25日の楽天戦で、アマ・プロ通じて初のサヨナラ打でチームの勝利に貢献されましたね。
「延長11回の2死一二塁の場面でした。試合をそろそろ決めたい思いがあったし、打撃も調子のいいときだったので、(自分で)決めたい思いは強かったですね。結果を出せたことに満足しています。サヨナラの場面ですから緊張感も高まっていたんですけど、その中で結果が出せたことは自信になりましたね。」
-オールスターにも初出場した感想を聞かせてください。
「僕のような選手が出ていいのか、と戸惑いもありました。選手間投票で選ばれたことは光栄に思ったけど、オールスターって華のある選手が出るものだと思っていたんですよ。でも、またとない機会だし、出るからには楽しもうと。いろんな球団の選手と交流できたし、シーズン中の試合で再会するのも楽しみになりましたから。オールスター後は、握手やサインを求められることも増えました。結果的には、出てよかったですね(笑)。」
シーズン4年目、新たな飛躍に向けて
-目標とする選手はいますか?
「素晴しいと思う選手はたくさんいます。でも、そういった優秀な選手と比べるより、いまの実力で納得のいく結果を残すことが目標です。」
-来シーズンに向けての抱負を聞かせてください。
「今シーズンは、フルイニング出場することにこだわりたいですね。途中交代もせず、全試合に出たい。数字目標にとらわれるより、今の実力で自分が納得できる結果を残したい。まだ、自分でも走攻守、どの部分に伸びしろがあるのかわからないし、試合を通じて発見することが大きいんです。『本塁打30本、打率3割、30盗塁』と高いところに目標を置くより、少しずつ課題をクリアしていきたいなと。将来的にホームランバッターとしての資質を持てるなら、そういった積み重ねが今は必要な時期なんだと思います。そうすることが、いい結果につながるはずですから。チームとしては、もちろんリーグ優勝、日本一が目標です。」
プロ入り3年目の昨季は、シーズン序盤から一軍定着。昨年11月には故郷の鶴岡市に後援会が発足するなど、今まで以上の活躍が期待されています。「リハビリの間は、ケガをする前よりもレベルアップしようと下半身の強化を心がけた」という長谷川選手。「マイナス」「プラス」で区別するのではなく、物事をあらゆる側面から発見を得ようとするところや、ケガを乗り越えた翌年の活躍には精神力のタフさを感じました。地元出身のプロ野球選手が増えるのはうれしいこと。名実ともに大きな飛躍を遂げた長谷川選手の活躍を、今シーズンも見守っていきましょう。
- 長谷川勇也 Yuya Hasegawa
- 1984年12月22日生まれ、鶴岡市出身。酒田南高、専修大を経て、2006年の大学生・社会人ドラフトで、福岡ソフトバンクホークスの5巡指名を受けてプロ入り。昨シーズンはクリーンアップの一角を担えるほどの活躍を見せ、オールスターゲームにも初出場を果たした。
- 山形県郷土館「文翔館」
- 福岡ソフトバンクホークス