スノーボードアルペン ナショナルチーム日本代表 斯波正樹 選手

2010-2011シーズンのFIS(国際スキー連盟)スノーボードワールドカップ(W杯)で、大会順位11位、シーズン総合成績30位と日本人最高成績を塗り替えた斯波選手。4期目となるワールドカップ初戦を終え、12月から毎月2~3戦と続く大会を前に帰県された斯波選手に、3年後のソチ五輪を見据えて、どんな戦いになるのか、蔵王中央ロープウェイ温泉駅近くにある斯波選手の実家のお店で話を伺いました。


―スノーボードをはじめたのはいつですか?
「祖父母がレンタルスキーの店をやっていて、小学3年生のときに家族で山形へ引っ越してきました。その頃スノーボードが流行していて、店からボードを持って歩いて蔵王中森ゲレンデを登り、毎日滑っていたんです。するとインストラクターから声をかけてくれて、教えてもらえるようになりました。

小学校4年生か5年生の時、スノーボードの大会があると聞き、興味本位で、長野県の大会に出場しました。初めての参加だったので、転ばないで完走するのが目標だったのに、1回目から全国大会で優勝しちゃって。
次の年も優勝。中学に行ってもやろうと決めました。たくさんの大会に出ていく中で、中学2年生の時にイタリアで開かれたISF(国際スノーボード連盟)ジュニア世界選手権に選抜されて出場しました。はじめての海外の大会、世界の選手をよく知らなかったけれど、どんどん勝ち進んでいって、優勝したんです。」
―高校卒業後はカナダで過ごされていますね。
「スノーボードの選手としてやっていくために語学力を養成するためと、長く広く、起伏があってスケールの大きなところで滑りたかったんです。特待生としてカナダに留学し、スポーツ専門学校へ入学しました。在学の1年間は、英語の勉強とトレーニングばかりしていました。卒業後の2年目は、車のフロントガラス修理のアルバイトをしながら、カナダのナショナルチームに選手を送り出しているスノーボードのクラブチームに在籍。アルバイトでは、接客から修理作業までひとりでやるんです。単語や言い回しを覚えて説明しなきゃならないから、かなりの英語力がつきましたね(笑)。」

―2008年からは全日本ナショナルチームの一員に。故郷に戻って気付いた、山形の良さは?
「主に夏場は国内で陸上トレーニング、冬場は海外を遠征し、試合を送る生活です。蔵王はクーラーなしでも涼しいし、トレーニングでは山の中を走れるし、水もうまい。野菜や果物、何でも新鮮だし。家には田畑があるんですが、その日に食べるものを採って来れる環境っていい。蔵王から山形市内に降りていく道、赤い大鳥居のあたりからの夜景も大好きなんです。」

―スノーボードアルペン、どのような競技なのでしょう。

「スキーのアルペン競技と同様、旗門で規制されたコースを滑走します。予選と決勝があり、予選ではレッドとブルーの2コースを滑った合計タイムを競います。予選タイムのトップ16人が決勝に進み、トーナメント戦で1位と16位、2位と15位と組み合わせて対戦し、タイムの早い方が勝ち抜いていく競技です」
―今シーズンに向け、どのようなトレーニングをされたのですか?
「筋トレを含め、スポーツに適している骨格づくりをしました。世界で戦うとなると、正確に速いターンをしていかなければなりません。そのためには身体のバランスというか、しっかり力をかけ、効率的に地面に力を伝えることが大切なのです。骨格が物理的にズレているとそれが出来ず、自分のイメージする滑りが出来ないことがあるんです。

骨格がしっかり良い位置にあると、すぐに速い滑りにつなげやすい。背骨の角度や位置を、いい位置に矯正をすると、筋肉の付く位置も変わり、身体の機能も高まって力を発揮できるんです。この骨格はスポーツ全般に共通で、キレのある身体になって、持久力もあがってくる。今までと違う、どんどんスポーツに適した身体になっているんですよ。
とにかく予選を通過して、勝ち進み、決勝戦であっても安定して滑れるはず。今年はなるべく早い時期に表彰台に上るつもりなんです。」


―夢を追いかける若者たちへメッセージを
「それが本当にやりたいことだったら、思ったらトコトンやること。いろんなことに対するものの見方が広がるし、いろんな面で成長できると思います。中途半端なら辞めたほうがいい。時間も自分のエネルギーも、お金も費やさなければならないから。自分は25歳だからまだ若いうちに入るのでしょうが、今からカナダに行くとなると、先を考えてしまったと思う。若ければ若いほどリスクは少ないし、身動きがとれるうちに、たくさん、トコトンやっていくのが大切かな。」
―斯波さんの将来的な目標は?
「当面の目標は、ソチオリンピックへ出場、そして上位入賞を果たすことです。毎年なんですけれど、毎年どんどん、昨年より成長しているなと、自分でも感じることができる。今の調子でやっていったら、さらに成長している自分がいるんじゃないかと思う。あくまで予想ですけどね。」
1986年生まれ。Uターンした両親とともに9歳から山形市在住。'01年、15歳でISFジュニア世界選手権優勝。山形南高等学校卒業後、'05年カナダ留学。'08年より全日本ナショナルチームの一員として、ワールドカップや世界選手権に参戦している。昨シーズンのFISスノーボードワールドカップでは、大会順位11位、シーズン総合成績30位といづれも過去日本人最高の成績を収めた。
斯波正樹オフィシャルサイト