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おかひじき



いま、山形から・・・ やまがた伝統野菜 置賜地域 おかひじき

 山形県置賜(おきたま)地域の伝統野菜「おかひじき」。初めてご覧になると「これなんだろう?」「どうやって食べるの?」と思われるかもしれません。

 「おかひじき」は、どんな食材とも合い、栄養価に大変優れた野菜で、3月下旬から11月上旬まで出荷されます。

おかひじきの歴史

 山形県南陽市が発祥の地とされるおかひじき。江戸時代の初期、庄内浜で取れたおかひじきの種が、当時の主要交通路であった最上川を船で上り、船着場のあった砂塚村(現 南陽市梨郷)に植えられたのが、栽培の始まりといわれています。

JA山形おきたま 南陽おかひじき部会 副部会長 大友一彦さん。

 元々は、海岸の砂地に自生するアカザ科の野草で、おかひじきの名は、形が海草のひじきに似ていることからその名が付いたといわれています。

 南陽市でおかひじきを生産している大友一彦さんは、「JA山形おきたま おかひじき部会」の副部会長として、忙しい収穫のかたわら、東京、宮城、新潟など、PRのために各地をまわっています。PRの際には、対面販売で試食をしてもらえば、「初めて食べた人でも、10人中9人は購入してくれる」と自信を持って言います。

 

シャキシャキの食感と豊富な栄養価が魅力

 色鮮やかなグリーンのおかひじきは、見た目もシンプル。まさに「陸のひじき」という名そのものですが、栄養価も大変優れている野菜です。キャベツとの成分を比較すると、カロテンが172.2倍、ビタミンAが170倍という驚きの調査結果に。他に、カルシウム、カリウム、鉄、マグネシウムなどのミネラル分が多く、ビタミンCも豊富に含まれています。カロリーも低く、女性に喜ばれる要素がいっぱいです。南陽市では学校給食にも使われているので、地元っ子にとっては小さい頃から学校でも家庭でも食べているおなじみの野菜です。

おかひじきの辛し和え。もっとも多く食べられている。

 特徴は、なんといっても、シャキシャキとした食感。噛むたびに口いっぱいに独特の歯ざわりが広がります。

 クセもなく、どんな料理にも合うおかひじきですが、やはり、一番のおすすめは、おかひじきの美味しさが最も引き立つシンプルな「辛し和え」です。お湯でゆでたら、水にさらし、よく水をきって、辛し醤油で和えるだけ。ポイントはゆですぎないこと。「ゆで時間は2分がベスト」と言う大友さん。大友さんのお宅では毎日おかひじきを食べているということで、お孫さんも大好きだそうです。

おかひじきをしょうがで味付け。

 また、たまご焼きや納豆にいれて朝食に出したり、サラダにして、ドレッシングやマヨネーズをつけても美味しいですし、特にこれからの季節の暑くて食欲のない時におすすめなのは、ひやむぎといっしょにゆでて食べること。ひやむぎのゆで時間がおよそ4分だとしたら、最初にひやむぎをゆで、残りの2分におかひじきを入れます。ゆであがったら、冷水でもみあらいして出来上がり。まるで、白い雪の中に、緑がうかんでいるようで、見た目にも涼しさを感じ、のどごしつるつる、噛むとシャキシャキ。大友家では「シャキつる」というそうです。

 

美味しさは生産者の苦労の賜物

 おかひじき部会の会員は現在8名。一番の悩みは後継者不足です。部会は約35年の歴史あるものですが、年々会員が減り、おかひじきの人気が上がっても生産が間に合わず、対応できないというジレンマを抱えています。

大友さんのおかひじき栽培ハウス。湿度、温度管理、防虫対策ととても手間がかかる。

 栽培の難しさは、後継者がいないことにもつながっています。まず、湿気に弱く、温度、湿度管理がとても大変であるということです。梅雨の時期、ハウス栽培がほとんどのおかひじきは、雨が降ればすぐにハウスを閉めにいき、雨があがれば、たちまちハウス内は高温になり湿気がこもるので、すぐにハウスを開けて通気性を良くしなければなりません。それを怠るとベト病が発生し、一晩で全滅してしまうこともあります。水分が足りないと、硬くなり、おかひじきの最大の特徴である、シャキシャキ感が失われてしまうといいます。また、おかひじき栽培に許可されている農薬がほとんどないため、ほぼ無農薬に近く、殺虫剤を使うこともできず、虫がつかないように日頃の管理がとても大変になります。

露地のおかひじき畑。

 おかひじきの品質を保つために、おかひじき部会には3つの決めごとがあります。

 それは、1.収穫は朝刈りとする、2.二番刈りはしない、3.品質チェックは刈取り時と出荷時の二重確認を行うの3つです。朝収穫したものを12時までパック詰めにして、やわらかく安定した品質のおかひじきを出荷しているのです。

 おかひじきを作っていて一番うれしいのは、各地に試食販売のPRに行った時など、「どんなに野菜嫌いの子供でも、試食で『おいしい、おいしい』と食べてくれること」と大友さん。その時は、栽培での大変な苦労も忘れてしまうくらいの喜びになるそうです。

 

伝統野菜をイタリアンに

 米沢市の郊外にあるイタリア料理の店「リストランテ喜右エ門」。平成21年(2009年)に畑のある地産地消レストランとしてオープンし、「おきたまの食」を地域を挙げて応援する「おきたま食の応援団」の会員でもあります。

山形県米沢市の懐石風イタリア料理の店 リストランテ 喜右ェ門 オーナーシェフ 我妻喜一さん。

 オーナーシェフの我妻喜一さんは、30歳を過ぎてから、エンジニアから料理人になったという異色の経歴を持っています。また、日本料理店で修業した経験も活かし、自ら畑でつくった野菜や山に採りに行った山菜、地元で採れる伝統野菜(在来作物)、米沢牛などの食材を「お箸で食べるイタリアン」として、和食の懐石料理にならって提供しています。我妻さんは、「在来作物は、その土地の気候風土に適しているものであり、長い歴史の中でそこに住む人々が代々守り受け継いできたものだから、価値があるのです」と言います。

 また、雪国である米沢は、冬の食べ物を確保するために、保存食の文化が息づいている土地柄です。収穫した山菜や野菜を天日干しにし、乾燥させて保存する。また、塩漬けにして冬に食べる時は塩ぬきをするなど、先人の知恵が今に受け継がれています。

 「喜右ェ門」では、季節の食材をお客様に食べていただくという考えから、冬は、あえて関東や関西から取り寄せた野菜でサラダを出すのではなく、保存食の文化を守り、秋に収穫した野菜を雪中に貯蔵していたものや、乾燥させたものを使いスープにして提供しています。

 子供の頃、料理上手なおばあちゃんの盛りつけが、食べるのがもったいないほど綺麗で感動したという我妻さん。その感動が今も心にあり、料理は食べる前に、まず、見た目の美しさ、香り、そして、食べた味わい、食後の余韻で感動してもらえるようにと、出し方、盛りつけにもこだわりをみせています。

 

おかひじきでイタリアン
 
サクラマスとおかひじきのカルパッチョ。

 おかひじきの食材としての魅力は、「やはりシャキシャキの食感。そして、どんな食材にも合うこと」と我妻さん。おかひじきの一番の特徴であるシャキシャキ感を堪能できる料理を2品作っていただきました。

 まずは、サクラマスとおかひじきのカルパッチョ。上には山で採れた山にんじんの葉が載せてあります。もう1品は、おかひじきとトマトの冷製パスタ。どちらも鮮やかなおかひじきの緑とサクラマスとトマトの赤がとても美しく、見て感動、食べて美味しさに感動の、まさにオーナーこだわりの逸品です。

おかひじきとトマトの冷製パスタ。

 「おひたしもうまいけど、地元の食文化と洋の食文化とが交わった時には、新たな素材の魅力が発見できますよ」と我妻さん。

 感動をいただきに、いらしてみてはいかがでしょうか。

 

取材協力

JA山形おきたま 南陽おかひじき部会 tel.0238-57-4793
リストランテ 喜右エ門 tel.0238-28-0284

 


 

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