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山形に魅(ひ)かれてきた男(パワー)! Part.4



画像第85号山形県メールマガジン第85号 いま、山形から…
画像第85号特集 山形に魅かれてきた男(パワー)! Part.4
画像第85号特集 山形に魅かれてきた男 説明 画像第85号ブルーノさんの写真
画像第85号陶芸家 ブルーノ・ピープル 画像第85号ブルーノさんの写真
画像第85号ブルーノ・ピープル
土質の悪さは個性、雪の多さは天の恵み。
究極のプラス思考で人生を楽しむ人。

 生まれも育ちも山形ではないのに、縁あって山形に暮らす男たちがいる。しかも、あるがままの山形を楽しみながら、慈しみながら。大石田町で陶芸に取り組むブルーノ・ピーフルさん(48)もその一人。
 ブルーノさんはフランス人。21歳で初来日して以来、日本の焼き物に魅せられて、各地の窯場を見て回った。当時、東北地方は興味の対象外だったらしく、まったく足を踏み入れていなかった。それが、益子での修業の後に、大石田で陶芸活動に入ることになる。それが、日本風に言えば「縁」ということになるのだろうか。
 まず、修業時代に出会った奥様が仙台出身ということで、東北に目が向くようになった。そして、陶芸用の土が豊富な場所として、大石田にたどり着いたというのだ。しかし、確かに大石田は土が豊富で、あと100軒の窯場ができても十分まかなえる量ではあるが、土質としてはあまり恵まれているとはいえない。陶芸家仲間からの評価も低かったが、ブルーノさんはそれを土の個性と捉えて、その個性を生かした作風を確立させていった。それらの作品はあくまでも実用性重視。ユニークなオブジェのように見えても、それらはちゃんとペン立てや一輪挿しといった、用途があって暮らしに馴染む楽しい陶器となっている。
 県内でも豪雪地域として知られる大石田。そこにあるブルーノさんのアトリエは、例年以上の大雪にすっぽりと埋もれんばかり。それなのに、ブルーノさんはぼやくどころか、「雪は自然の恵み」「何十年に一度などという記録的な大雪を体験できるなんて、ある意味ラッキー」と、どこまでも前向きな思考で取材陣を驚かせた。


その町が授かった自然や文化、伝統を大切に。
思いは大石田町民、思考はフランス人。

 輸送システムの充実で、採れた土をほかの場所に運んで焼き物にするという陶芸家も増えている。しかし、大石田町民となって20年、ブルーノさんは「この町で採れた土は、この町で焼き物にすることに意義がある」と、あくまでも大石田にこだわる。
 また、ブルーノさんは自然保護や環境問題に対する意識も高く、大石田に移り住んで最初に取り組んだのは、陶芸ではなく町の自然保護活動だった。当時、大石田がギフチョウの北限に近いとされていたことから、外部の人々による乱獲が行われて激減していた。このままではいけないと、すぐに保護活動に乗り出し、地域住民と町を動かしたのがブルーノさんだった。そのほかにも、産廃問題や給食に低温殺菌牛乳を推奨するなど、フランス人らしい積極性と合理性と行動力で住民を感化し、住民の中へと溶け込んでいった。
 さらに、現在は地元の文化をより積極的に後世に伝えるべきと、県内でただ一人となってしまった大石田町在住の舟大工による小鵜飼舟(こうかいぶね)造りを計画中。その資金調達には、たらばす(米俵のふた。歌人・斎藤茂吉が、これに座り最上川を見つめている写真で知られる)を作って売るなど、アイディアを取り入れている。大石田を思う気持ちはまさに大石田町民。それでいて、欧米人的な豪快さを失うことなく、必要に応じて町の人々を刺激する役割もしっかり担っているようだ。

画像第85号ブルーノさんの登り窯の写真
とてもユニークでかわいい登り窯。人気キャラクターを思わせる目や耳や鼻、ブルーノさんの茶目っ気が感じられます。
画像第85号制作中のブルーノさんの写真
ブルーノさんの作品はすべてこの蹴りろくろで作られます。足で器用にろくろを回しながら、みるみる美しい形の器に。
画像第85号ブルーノさんの作品写真
作品のほんの一例。シンプルな皿やコーヒーカップから、ハリネズミ型のペン立てをはじめとする個性的な動物シリーズまで。

画像第85号プロフィール
画像第85号ブルーノさんの写真
1957年 フランス生まれ
1979年 初来日
1980年 益子の島岡達三氏に師事
1984年 パリにて個展
フランス生まれのブルーノさんは、日本の陶芸を学ぶために21歳で初来日。
栃木県の益子で修業を積んだ後、土の豊富な大石田町に移り住み、大石田焼を興した。
ブルーノさんの活躍は陶芸のみに留まらず、環境問題や地域文化の保護にも積極的だ。

 
画像第85号いつの日か「焼き物の町大石田」と呼ばれたい。
今のところ大石田焼は、ブルーノさんの一窯だけ。土の量に恵まれた土地柄を生かして、もっと焼き物をする人が増えることをブルーノさんは願って止まない。そのためにも、陶芸教室で焼き物の楽しさを老若男女に伝えること、自らの個展や展覧会といった機会を生かして大石田焼の可能性をアピールすることに一生懸命だ。エキゾチックなルックスとは裏腹に、流暢な日本語に愛嬌のある山形弁を織り交ぜて繰り広げられる陶芸教室は、とてもにぎやかで楽しい。こんな子どもたちの中から、いつの日か大石田焼の担い手が育ってくれればと、指導にも熱が入る。
画像第85号陶芸教室の写真
     


 
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