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米、酒、そば、くだもの、おいしいものを挙げればきりがない山形名物。意外なところでは、「山形のラーメンはうまい」との定評もある。県外からわざわざラーメンを食べるためだけに山形を訪れるお客も少なくない。しかしながら、「そんなにおいしい山形ラーメンってどんな味?」と聞かれると答えに窮してしまう。 県民性、お国柄という言葉があるが、山形県の場合、県でひとくくりにはしがたいほどに置賜・村山・最上・庄内という地域間の個性が豊かである。ラーメンもそのひとつで、それぞれの地域自慢のラーメンがあって、どの味をもって「山形ラーメン」とは限定しがたいのだ。 今回の特集では、そんな個性と主張にあふれた山形のラーメンを求めて県内縦断を敢行。それぞれの地域を代表するラーメン店を訪ねて、一杯のラーメンに秘められたさまざまな思いや歴史にスポットをあててみた。 |
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| 太麺でしかも冷水で締めるため5分間かけてやや軟らかめに茹で上げられる。 |
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| 茹で上がった麺はしっかり水洗い。キュッと締まって程良い食べごたえ。 |
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| 栄屋本店の外観。 |
冷たいラーメンといっても冷やし中華ではありません。それは、仙台が発祥の地とされている冷やし中華より歴史の古い「冷しラーメン」。山形名物として近年特に人気が高まっている「冷しラーメン」の元祖がここ「栄屋本店」。本来はお蕎麦屋さんながらラーメンのおいしさが評判となって、「もちろん蕎麦も旨いが、やっぱりラーメン」というお客さまの方が増えてしまったのだそうです。そんなある日、常連のお客さんが「夏には冷たい蕎麦を食べるんだから、ラーメンも冷たいのが食べたいな」と言いました。そんなお客さんの何げない一言が店主の心に残り、「冷しラーメン」開発のきっかけとなったのだそうです。いまだ破られていない40.8度という日本最高気温の記録保持市である山形の暑い暑い夏から生まれた食文化であり、お蕎麦屋さんだからこそ寄せられたリクエストの賜といえるかもしれません。このお客さんの要望に何とか応えようと先代はかなりの試行錯誤を繰り返したようです。スープを冷たくすると味の決め手である牛脂が固まってしまうというジレンマ。そこで、牛肉の旨味だけを残して脂はきれいに取り除き、代わりに植物性の脂でコクを出すという方法に行きつきました。
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| 氷で冷やされた特製スープが麺を待つ。氷が溶けても味が薄くならない工夫がされている。 |
それから1年の歳月を経た昭和27年、ついに「元祖 山形名物冷しラーメン」が完成したのです。牛、かつお節、昆布をベースにした伝承の味にゴマ油の香りを加え、いっそうさわやかで風味豊かなスープに仕上げられました。麺は熟成してコシのあるこだわりの太麺で、製麺所には水にさらすことでよく締まること、のびにくいことなどをお願いしているのだそうです。茹で時間はたっぷり5分間、しっかり水にさらして氷の浮かんだスープの中へ。チャーシュー、メンマ、かまぼこといったお馴染みのトッピングにキュウリが加わわることによってグンと涼感が増します。さらに、のびにくいのでしばらくおいてもおいしく食べられるという特典つき。
冷しラーメンのブームを受けてメニューに加える店も増えていますが、冬場でも食べられるお店は限られているようです。でも、病みつきになって冬でも食べたいという人が少なくないというので、元祖店の使命としてか
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| キュウリが涼感を呼ぶトッピング。さわやかでおいしさ新鮮、冷しラーメン。 |
「栄屋本店」ではオールシーズン注文に応じてくれます。夏場で400~500食、冬場でもその1割ぐらいは注文があるという冷しラーメン。冬、暖かい店内で食べる冷しラーメンのおいしさは、夏のそれとはひと味違ってまた格別かもしれません。この冬、一度お試しになってみてはいかがでしょうか。
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