|
その丸大扇屋は、十日町商店街より少し入った一角を占めている。格子が美しく長井の町屋造りの典型を残した店構え。そのわきの扇屋の暖簾をくぐると、右手に母屋、左手には庭がある。庭には、京・大阪と取引をした証ともなる雲州燈篭が4基ある。母屋にあがると、中央には囲炉裏、隣の間には仏壇など、当時のままの姿で残してある。台所に残っている「入れかわど」は、昔の人の生活の知恵と工夫が見られ興味深い。町なかを走っている水路から屋敷内に水をひき、庭では洗濯ができる。さらに、家の中にかわど(水路のわきにつくられた洗い場)をつくり、かわどの中には鯉を飼った。鯉は洗い流したご飯粒を食べてかわどをきれいにしてくれる上、食用にもなったそうだ。お膳棚、大きなかご、いくつもある部屋や蔵。大勢の人がここで働き、生活をしていた当時の賑やかさが目に浮かび、また当時の町屋の風俗を伺い知ることができる。
|