更新日:2020年9月28日

ここから本文です。

羽黒山 蜂子神社御開扉

いま、山形から・・・ 山形の旬だより 羽黒山 蜂子神社御開扉(ごかいひ)(JPG:319KB)

山形県の中央にそびえる月山、羽黒山、湯殿山からなる、出羽三山。雪が解け開山となる春から夏にかけては、山形県内外から特に多くの参拝客が訪れています。午歳である今年(平成26年)は、羽黒山の御縁年にあたりますが、その御縁年の特別企画として、出羽三山の開祖である蜂子皇子(はちこのおうじ)の御尊像がはじめて公開されることになりました。

※注 月山:7月~10月中旬、湯殿山:4月下旬~11月初め、羽黒山:オールシーズン

出羽三山の開祖 蜂子皇子

出羽三山の開山は千四百年余前の推古元年(593年)といわれています。第32代崇峻(すしゅん)天皇の御子である蜂子皇子が、聖徳太子の勧めにより、宮中を逃れ、越路(北陸道)を下り、能登半島から船で海上を渡り、佐渡を経て由良(現鶴岡市)の浦に辿りついたところ、三本足の大きな鳥が飛んできて、羽黒山へ導いたといいます。

蜂子皇子はそこで難行苦行の修行を積まれると、ついに羽黒の大神「伊氏波神(いではのかみ)」のご出現を拝し、羽黒山頂に社を創建され、その後月山、湯殿山を開かれたそうです。これが、羽黒山に伝わる開祖の由来です。

羽黒山杉並木(JPG:230KB)

羽黒山杉並木

蜂子皇子の生涯

出羽三山の開祖と伝えられる蜂子皇子は、五穀の種子を出羽の国に伝え、人々に農耕を教え、産業を興し、治病の方法を教え、人々のあらゆる苦悩を救うなど、幾多の功徳を残されたそうです。全ての民の苦悩を能(よ)く除くということから、能除太子(のうじょたいし)と称され、91歳で薨去(こうきょ)されました。

蜂子皇子の御姿は御顔がみにくく、口は大きく耳の根本まで裂け、鼻の高さは三寸もあり、顔の長さは一尺五寸もある異様な御姿であったと伝えられていますが、これは人々の苦悩を一身に引き受けたからだとも言われています。

蜂子皇子御尊影(JPG:160KB)

蜂子皇子御尊影 左下は金剛童子、右下は除魔童子

御尊像の由来

江戸時代の初めまで、蜂子皇子の御尊像は羽黒山五重塔(現国宝)に安置され、比叡山の湖海院(こかいいん)という高僧が五重塔を拝観された折、御尊像について尋ねられ、九拝されたそうですが、開祖の御殿が無いことに疑問を持たれたそうです。

羽黒山五重塔(JPG:222KB)

羽黒山五重塔

そこで、時の別当宥俊(ゆうしゅん)は、元和5年(1619年)に羽黒山上に御堂(=開山堂)を建立し、開祖の御尊像を安置したと「羽州羽黒山中興覚書」に記されています。また、文政6年(1823年)には開山能除仙(能除太子)に対し、仁孝(にんこう)天皇より照見大菩薩(しょうけんだいぼさつ)の諡号(しごう)が贈られました。

やがて明治の世となり、明治3年(1870年)出羽三山は神の山となり、「権現の名をもって呼ばれるものはすべて神とすべし」という政府の命が下ります。当初、開山堂は仏堂として残されることになっていたため、御尊像はそのまま安置されていました。しかし、明治7年、出羽三山神社初代西川須賀雄(すがお)宮司は、菩薩号を返上し開山堂を蜂子神社と改めました。蜂子皇子像は僧の姿だったことから、これより堂の奥深くに仕舞われることとなりました。

幻と言われた御尊像の御開扉

かつて人々のあらゆる苦悩を救ったといわれる出羽三山の開祖蜂子皇子。その御尊像が明治以降初めて、一般に公開されることになりました。公開を後押ししたのは、関係者の東日本大震災の復興への思いでした。

羽黒山の信仰区域は関東以北。震災直後から青森、岩手、宮城、福島、茨城などから、何千人という方が羽黒山へ来られました。助かった方々は、車を乗り継ぎ、又相乗りして来られ感謝の祈りを捧げました。また、痛ましくもご家族を亡くされたという方は、鎮魂のため羽黒山霊祭殿(れいさいでん)(亡くなった人の霊は山に上ると云われている)を訪ねられたといいます。

震災2年後の昨年は、一向に進まない復興と、仮設住宅暮しの辛さに、この先どうなっていくのかという不安が参拝者に見え隠れしていたそうです。

「震災以降、出羽三山神社では毎日、震災復興を祈っています。しかし、復旧作業が進まない現況にあって3年目の今年は、かつて民衆に手を差しのべ救ってくださった開祖蜂子皇子に、全国の皆さんにも祈っていただくために御尊像を公開することに致しました。」と出羽三山神社の吉住さん。

人々の苦悩を一身に引き受けた蜂子皇子。その尊いお姿を拝観していただき、被災者の方の心の平安と被災地の一日も早い復興を共に祈るための旅に出かけみてはいかがでしょうか。

三神合祭殿(JPG:299KB)

羽黒山三神合祭殿(さんじんごうさいでん)

羽黒山 開山堂 蜂子神社御開扉
開催日時 平成26年4月29日(火曜日)~9月30日(火曜日)
受付時間 8時30分~17時00分
お祓料 500円
記念品 小玉串(お守り)等
御縁年特別御膳
期間 平成26年4月29日(火曜日)~11月23日(日曜日)
会場 羽黒山斎館
料金 2,500円(税込)
記念品 羽黒あられ・三山句碑ポストカード

取材協力及びお問い合わせ

  • 出羽三山神社 TEL 0235-62-2355
  • 羽黒町観光協会 TEL 0235-62-4727