更新日:2020年9月28日

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山形の旬だより ながい黒獅子まつり

いま、山形から・・・ 山形の旬だより 勇壮に舞い繁栄を願う、漆黒の獅子 ながい黒獅子まつり(長井市)(JPG:237KB)

(平成27年4月17日掲載)

黒い面に大きな目玉とむき出したキラキラの歯。格式の高さとともに愛嬌を感じさせる長井市の黒獅子。市内にあるそれぞれの神社の黒獅子が一堂に会する「ながい黒獅子まつり」、第26回となる今年は5月23日(土曜日)に開催されます。

神社により、一つ一つ表情が異なる黒獅子

長井の黒獅子の「獅子頭(ししがしら)」は、丸く飛び出した目玉と前に突き出した口が蛇を連想させることから「蛇頭(じゃがしら)」とも呼ばれています。通常、1人から2人で操作することが多い獅子舞ですが、長井の黒獅子は「波頭(なみがしら)」を表す獅子後方に付けられた大幕の中に、十数人が入りダイナミックに動きます。その様子は「百足(むかで)獅子」とも呼ばれ、躍動的で力強い舞いが特徴です。安産や厄除け、子どもの成長などを祈願する伝統神事として、市内約40の神社に伝わっていますが、神社ごとに舞姿や獅子の表情は異なり、同じものは一つもありません。5月初旬から秋にかけて、それぞれの神社の例祭日に、黒獅子が各地区の氏子一軒一軒を練り歩き、祓い清めます。

獅子頭(ししがしら)(JPG:109KB)

黒目の大きさや歯の色、耳や鼻の形など、神社によって違う黒獅子。穏やかに見えるもの、愛嬌を感じさせるもの、凛々しい表情など様々。

百足(むかで)獅子(JPG:117KB)

全長8mから9mの大きな幕を獅子頭につけた長井の黒獅子。幕の下から振り手たちの足だけが、数多く見える姿が「百足(むかで)」と言われる所以です。

黒獅子にまつわる悲しい伝説

御信心(ごしんじん)(JPG:136KB)

獅子が歯を鳴らす行為を「歯打ち」、頭上で歯打ちすることを「御信心(ごしんじん)」といい、邪気を祓う行為で、家内安全や無病息災などを願いながら御信心してもらいます。

長井の黒獅子の起源は約千年前。伝承によると、源頼義が前九年の役(1051年から1062年)の戦勝祝いと併せ、現在の總宮(そうみや)神社の社殿を再建した際に、兵士たちに獅子舞をさせたのが始まりです。この獅子舞には、このような伝説があります。平安時代に東北地方を治めていた安倍氏の息女に卯の花姫という大変美しい姫がおりました。敵の武将に恋をし、その武将に味方の軍法を教えてしまいます。これが原因で自身の父を戦死に追い込むことになり、姫は自分を責めます。そして敵に追われた姫は、現在の長井市内を流れる野川上流の三淵(みふち)に身を投げ自害してしまうのでした。すると身を投げた辺りから、大きな龍が現れ、上流に泳いでいくのが見えたのだとか。この龍神が總宮神社の例大祭に招かれ、野川の流れを下る姿を舞っているのが、長井の黒獅子だと言われています。

黒獅子たちが集結する日

平成2年から行われているお祭りが「ながい黒獅子まつり」です。毎年、つつじが咲き誇る5月下旬に「白つつじまつり」のイベントの一つとして、市内の目抜き通りと白つつじ公園を会場に開催されています。祭り当日は、黒獅子の披露だけでなく、学校ごとに練習した獅子踊りや子ども獅子舞いを小学生たちが披露する昼の部と、各神社の黒獅子が五穀豊穣、交通安全、家内安全を祈願し市内を練り歩きながら、白つつじ公園を目指す夜の部の二部構成。長井市の名産を販売する売店や、桟敷席も用意され、県内外から訪れた観光客で賑わいます。また、このお祭りの様子は、平成23年からインターネット動画による生中継が行われており、長井市にとどまらず全国に発信しています。これらの活動が認められ、ながい黒獅子まつりは「平成22年度地域づくり総務大臣表彰」で団体表彰や、「第15回ふるさとイベント大賞」で奨励賞を受賞しました。

お囃子(JPG:122KB)

獅子頭や舞い方だけでなく、お囃子も神社によって異なります。ながい黒獅子まつりで聴き比べてみるのもいいですね。

黒獅子は気性が荒い⁉獅子に付きそう猛者との闘い

警固掛かり(JPG:98KB)

獅子と警固の真剣勝負「警固掛かり」は、長井の黒獅子の最大の見所。威勢のよい掛け声とともに、獅子を押さえ込みます。

黒獅子には必ず屈強な男性が付きそうことになっています。この男性は「警固(けご)」もしくは神社によっては「角力(すもう)」と呼ばれ、獅子を誘導してお宮へ帰す役割を担います。長井の黒獅子は素早い動きをしたり、突然走り出したりと大変気性が荒い舞い。かつては村相撲の猛者がこの役目に多くついたそうで、その名残から各地区に代々伝わる四股名を襲名する神社もあります。黒獅子は、祭り終盤に向けて、より激しさを増していきます。ながい黒獅子まつりでも、暴れる獅子を警固が諌める姿に歓声があがりますが、特にクライマックスの白つつじ公園に設けられた社を前に、黒獅子をねじ伏せ運び込む姿は圧巻です。猛々しく迫力のある舞いを春の長井で、観覧してみてはいかがでしょうか。

第26回 ながい黒獅子まつり

平成27年5月23日(土曜日) 昼祭12時から(予定) 夜祭17時30分から
場所:長井市神明町 白つつじ公園
※詳細は長井市観光協会ホームページをご覧ください。

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