更新日:2020年9月28日

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酒田まつり

いま、山形から・・・ 山形の旬だより 今も息づく進取(しんしゅ)の精神 酒田まつり(酒田市)(JPG:100KB)

(平成29年5月5日掲載)

「西の堺・東の酒田」といわれ、江戸時代に北前船の交易により栄えた酒田市。「酒田まつり」はその酒田市で一番賑やかなお祭りです。1609年に始まり一度も途切れることなく開催され、「鶴岡天神祭(鶴岡市)」、「大山犬まつり(鶴岡市)」とともに庄内三大まつりのひとつに数えられています。祭り当日は大通りから日和山公園までの沿道に350ほどの露店が並び、県内外から22万人もの人が押し寄せます。

酒田まつりと立て山鉾の歴史

400年以上の古い歴史を持つ酒田まつり。その始まりは酒田の守り神である上日枝(かみひえ)神社と下日枝(しもひえ)神社の例大祭にありました。1609年に始まった例大祭は2つの神社の祭神(さいじん)が山王権現(さんのうごんげん)であることから、「山王祭(さんのうまつり)」といわれました。

「本間様には及びもせぬが、せめてなりたや殿様に」と唄われた、江戸時代の豪商・本間家の基礎をつくった本間光丘(ほんまみつおか)は、1762年京都の祇園祭の山鉾(やまほこ)巡行を参考に、京都の職人に亀傘鉾(かめかさぼこ)を創らせました。細部までリアルで今にも動き出しそうな木彫の大亀の山車(だし)は大いに賞賛され、山王祭のにぎわいに拍車をかけたといわれています。さらに雲をつくような高さを持つ山車“立て山鉾(やまぼこ)”が競うように立ち始め、山王祭を見るため、船に乗って江戸や大坂(大阪)から多くの人々がやってきて、酒田湊はたくさんの船の帆柱で埋め尽くされたといいます。立て山鉾が高くなったのには諸説がありますが、山鉾には神が宿るといわれたため、高さを競うようになったそうです。

お神輿(JPG:141KB)

上日枝神社と下日枝神社のお神輿

獅子の舞(JPG:159KB)

渡御(とぎょ)行列の最後は子どもたちによる獅子の舞

「酒田まつり」は、新山が形成された1801年の鳥海山噴火や大きな被害が出た1894年の庄内地震、また1976年10月29日の酒田大火などの災害があっても途切れることなく続けられており、「湊町酒田の心意気」を表す祭りといえるでしょう。そして酒田大火から3年後の1979年には、復興を記念し山王祭を酒田市民の祭りにしようと、「酒田まつり」と呼ぶようになりました。

立て山鉾の衰退と復活

「山王祭に山鉾あり」といわれるほどの存在だった立て山鉾。1781年頃(明治35年)に創られたものは20mもの高さがあったといい、祭りを大いに賑わせました。ところが明治時代に入ると状況が一変。1906年に町中に電線が張り巡らされ、立て山鉾の巡回ができなくなってしまったのです。立て山鉾が姿を消すと、祭りは精彩を欠いていったといいます。

立て山鉾(JPG:102KB)

2014年にリニューアルした立て山鉾。金色の龍が神社を守るように配されたデザイン

日吉丸の山鉾(JPG:133KB)

北前船をモチーフとした「日吉丸」

しかし、1996年に酒田青年会議所がかつての祭りの賑わいを復活させたいと山鉾制作に取り組みます。2008年には高さ22.36mの立て山鉾を復活させ、酒田まつりの新たなシンボルとして親しまれています。

立て山鉾のさらなる発展系

宵祭りの様子(JPG:71KB)

日和山公園での宵祭り

山鉾の数は、立て山鉾のような大型のものも含め現在、4基。今年祭りの新たな試みとして酒田青年会議所はそのうち22.36mの立て山鉾の内部から祭りや酒田市の映像を投影することでその魅力をPRするという、これまで全国に例をみない新たな取組にチャレンジしています。しかも資金調達はインターネットで出資を募る“クラウドファンディング”です。

酒田青年会議所の山鉾制作担当・大和田基継さんは「湊町酒田には新しいことを恐れずに挑んでいく、進取(しんしゅ)の精神が受け継がれてきました。伝統を守りながら、新しい技術や手法を使い、酒田まつりを次の世代へ繋げていきたいです」と話してくれました。クラウドファンディングの募集締切は5月7日、目標金額まであと少しです。酒田に受け継がれてきたDNAはどんな立て山鉾を見せてくれるのでしょう、楽しみですね。

大和田基継さん(JPG:173KB)

制作中の山鉾にクラウドファンディングを取り入れた酒田市青年会議所の大和田基継さん

山車行列、獅子ぱっくん 酒田まつりの魅力

酒田の大獅子(JPG:153KB)

大獅子は黒・赤の2対4体、仔獅子も黒・赤の2対4体がある

獅子パックン(JPG:134KB)

獅子パックンでは子どもは大泣きなのに、大人はみんな笑顔

酒田まつりの見どころは立て山鉾だけではありません。工夫をこらした山車が酒田ばやしにあわせて酒田市内を回る“山車巡行”も酒田まつりの醍醐味です。今年は53団体約4,000人が参加します。

山車の中では、酒田大火の後に新たに加わった巨大な獅子が人気で、“酒田の大獅子”とよばれています。獅子の大きな口の中に座り、ワッショイの掛け声とともに、3回噛まれるとほとんどの子どもが怖さのあまり大泣きに。しかし、“厄除け・無病息災”を願い、多くの親子連れが集まるのです。

「今年は、昨年復活した“花魁道中”を一層充実させようと美容組合が中心となって取組んでいます。華やかで艶やかな姿に期待が高まっていますよ」と、酒田市商工観光部の庄司英一さん。さらに「4月になると踊りやお囃子の練習、山車の修理が始まり、酒田の人たちはワクワクしてきます。昨年から小・中学校では、酒田まつりの日をふるさと休暇として休みにしました。2日間心おきなく楽しめると思います」と話してくれました。

酒田の人たちが、いつの時代も誇りに思い、参加するのを楽しみにしている酒田まつり。まちの歴史と酒田人の気質を感じることができますよ。みなさんも一度出掛けてみませんか?

秋田竿灯(JPG:92KB)

特別参加の秋田竿灯

酒田まつり

宵祭り

日時:平成29年5月19日(金曜日) 16時00分~
場所:日和山公園ほか

本祭り

日時:平成29年5月20日(土曜日)
12時00分 式台の儀
13時00分 山車行列出発
場所:国道112号線マリーン清水屋前など

取材協力・お問い合わせ

  • 酒田青年会議所 TEL 0234-24-9192
  • 酒田市商工観光部観光振興課 TEL 0234-26-5759