児童福祉施設防災マニュアル作成例について
1 防災マニュアル作成の経緯について(平成22年度から)
山形県最上総合支庁では、平成22年度から「福祉施設危機管理向上対策事業」に取り組んでいます。
内容は、福祉施設での防災マニュアル作成に対する支援が中心で、初年度は児童福祉施設、23年度は高齢者及び障がい者の施設を対象にしました。
福祉施設危機管理向上対策事業(防災マニュアル作成の支援)の背景
大規模な地震や局地的な豪雨などの自然災害が全国各地で発生し、福祉施設の被災事例もあるため、施設における安全対策や危機管理体制の早急な再点検、強化が求められています。
事業の概要
(1)福祉施設危機管理研修会の開催
事業のはじめに、危機管理意識の向上を目的にした研修会を開催しました。
- 開催日/場所 平成22年10月28日(木曜日) 新庄市民プラザ
- 講師 田村 圭子氏(新潟大学危機管理室教授 兼 災害復興科学センター危機管理分野長)
- 概要 テーマ『社会福祉施設の危機管理に向けて ー過去の災害事例をもとに考えるー』
新潟県中越地震の被災事例をもとに、職員の参集や連絡体制について事前に取り決めしておくこと、周辺地域と協力し合える関係を日ごろから築いておくことの大切さなどを学びました。
- 参加者 管内福祉施設等、市町村、県最上総合支庁職員 計57名

(2)児童福祉施設防災マニュアル作成検討会の開催(3回)
防災マニュアル作成にあたり、アドバイザーのもと、関係者による検討会を実施しました。
- モデル施設(防災マニュアルの作成) 社会福祉法人みらい パリス保育園(新庄市)
- アドバイザー 新潟大学危機管理室教授 田村 圭子氏
- 検討会メンバー パリス保育園、新庄市役所(環境課防災担当、福祉事務所)、県最上総合支庁(総務課防災担当、地域保健福祉課、子ども家庭支援課)
第1回 平成22年10月28日(木曜日)
事業の趣旨及びスケジュールの確認、現在の防災マニュアルの検証
第2回 平成22年12月16日(木曜日)
モデル施設の守るべき優先順位の確認、災害発生時からやるべきことの流れ確認
第3回 平成23年3月2日(水曜日)
マニュアル素案の検討、周辺地域との連携について

(3)モデル施設の避難訓練でのマニュアル活用と検証
保護者や地域の方を招いて避難訓練を実施し、施設や周辺地域の防災体制を確認しながら、マニュアルの検証を行いました。
- 日時 平成23年10月28日(金曜日) 午前10時から11時(訓練終了後、関係者による意見交換会を実施)
- 想定 新庄盆地断層帯東部を震源とするマグニチュード7.1の直下型地震が発生し、最上管内では最大震度6弱を観測した。
- 避難場所 一次避難:パリス保育園前庭、二次避難:山形県立新庄養護学校駐車場
- 参加者 パリス保育園職員及び園児、避難補助:保護者(連絡メールで参集)
- 視察者 地域の方(区長、企業、住民)、新庄市役所(環境課、福祉事務所)、県最上総合支庁(総務課防災担当、地域保健福祉課、子ども家庭支援課)
(4)児童福祉施設防災マニュアル啓発研修会の開催
管内の児童福祉施設等での危機管理の取組みの拡大を図ることを目的に、研修会を開催しました。
- 開催日/場所 平成24年1月31日(火曜日)、県最上総合支庁講堂
- 内容
- 説明「防災マニュアル作成の経緯とマニュアルの構成について」(事務局)
- 事例発表「防災マニュアルの作成と活用について」(モデル施設:パリス保育園)
モデル施設によるまとめ
- マニュアルはあくまでマニュアルで、絶対ではない。
- 実践の積み重ねが大事。
- やってみると想定しないことが起きる。
- それを記録で残す。
- 東日本大震災からは大きな教訓を得た。
- プラン→ドゥ→チェックの繰り返しが必要。
- 実際の災害で使えるマニュアルづくりを続ける。
- 参加者 管内児童福祉施設等、市町村、県最上総合支庁職員 計41名
2 児童福祉施設防災マニュアル作成例の構成について
- 作成例(エクセルデータ)は、パリス保育園(新庄市)をモデルとしたものです。
- 児童福祉施設全般に共通すると思われる事項(骨格となるもの)について、主に地震を想定して、初動態勢を中心にまとめています。
- 各施設で活用する際は、個々の実情に合わせて詳細を盛り込んでください。
※詳しくは防災マニュアル作成例の構成のページをご覧ください。