ホーム > 組織で探す > 総務部 > 秘書課 > 広報室 > メールマガジン「いま、山形から・・・」 > シリーズ企画 > 厳選やまがた > 花笠まつり

花笠まつり

いま、山形から・・・ 厳選やまがた 真夏の夜空をこがす華麗な踊り 花笠まつり(尾花沢市・山形市)
(平成29年7月21日掲載)

 勇壮な太鼓の響きと、威勢のいい「ヤッショ、マカショ」の掛け声。グループごとに統一された衣装と、紅花をあしらった笠。花笠音頭にあわせ、多くの踊り手が群舞する花笠まつり。特に山形市の花笠まつりは、およそ100万人の来場者を誇り、東北四大まつりのひとつに数えられています。


 

花笠踊りの誕生
徳良湖築堤工事の様子

♪花の山形 紅葉の天童 雪をながむる尾花沢
ヤッショマカショ

 花笠まつりで歌われている「花笠音頭」の起源は尾花沢市にある 徳良湖とくらこの築堤工事の土搗き唄どつきうただと伝えられています。

 明治以降、各地で新田開拓が盛んになると、尾花沢の高宮常太郎たかみやつねたろう氏は2ヘクタールの原野にため池を造り、その水で新田開拓を計画。大正8年9月に工事が始まりました。当時は重機などありませんでしたから、すべてが手作業。近隣の70余りの集落から、17歳から20代はじめの男女が集まりました。全員が日除けや雨除けになるスゲ笠を持参し、男性はモッコを担いで土を運び、女性は土を固める土搗きを行いました。

笠を廻す以前の花笠踊り(昭和34年8月29日)

 重さが12~15㎏もある大きな土搗き石に10~12本の綱を付け、一人1本ずつ綱を握って引っ張ります。すると土搗き石が宙に浮き、綱をゆるめれば落下するという、単調ではあるものの大変な作業を繰り返し地面を固めました。そしてこの重労働をお囃子はやしに合わせて行っていたところ、懸賞金付きで歌詞を募集することになり、新しい歌詞がいくつもできたといいます。唄にあわせ土搗きをし、かぶっていたスゲ笠を使い即興で踊ることもあったそうです。

土搗きの様子を再現 写真提供:尾花沢市

 大正10年5月の完成までにおよそ7万人が築堤工事に従事。蛇足ですが、従事したのは年頃の男女でしたので、この事業をきっかけに、周辺農村では徳良湖カップルがたくさん誕生したそうです。次第にこの土搗き唄は、尾花沢本町をはじめ近郊農村の祝事の酒席で披露されるようになり、手拍子や笠踊りといっしょに宴に花を添えるようになったのです。

 徳良湖が完成した大正10年、尾花沢本町諏訪神社の秋まつり(旧暦7月28日)の行列には、百人余りの男女が笠踊りで参加。諏訪神社の山車を飾っていた紅花の造花(紅染めの紙でつくられた紅花)が付けられたスゲ笠を手に持ち、土搗き唄にあわせて笠踊りが奉納されました。この日は周辺農村に人がいなくなるほどの賑わいで、沿道の観客を魅了したそうです。これが花笠踊りの誕生とされています。

 参考資料『徳良湖と花笠音頭』著:星川茂平治


 

誕生の地・尾花沢の5つの花笠踊り

日差しや雨を除ける動き

 周辺農村の青年たちは、祝いの席で花笠踊りを披露しながら保存と育成を行ってきました。。尾花沢市には現在でも上町かんまち流、寺内てらうち流、安久戸あくと流、原田はらだ流、名木沢なきさわ流の5つ踊りが継承されています。

 どの踊りにも徳良湖築堤当時の作業の仕草が取り入れられていて、例えば頭の上で笠を大きく回すのは、日差しや雨を除ける動作。笠を両肩に担ぐのは、土を運ぶモッコを担ぐ動作だったり、土搗き綱を引く動作。左右に大きく笠を振るのは、あおいで風を送る動作。足元で笠を回すのは、土を掘り起こしたり、土を掃う動作です。

モッコを担ぐ、または土搗き綱を引く動き
土を掘り起こす、または着物についた土を掃う動き。
笠であおいで、相手に風を送る動き。

 尾花沢小学校では花笠を次世代に伝えていこうと、5つの踊りをマスターする授業が行われており、一つひとつの所作の意味がわかると、子どもたちの踊りの質がグンと上がるのだそうです。

 尾花沢市商工観光課の土屋順二さんによれば「尾花沢の人は子どもの頃に学校で踊りを覚えて運動会や8月28日の花笠踊り大パレードで踊ります。その後学校や会社ごとで参加するようになると、別の流派の踊りも覚えます」とのこと。さらに「花笠踊りは尾花沢の人にとって魂、ソウルです。呼吸するのと同じで、踊りが体に染みついているので、曲が流れてくると体を動かしたくなってしまうんです」と話してくれました。

尾花沢花笠踊り大パレードの様子 写真提供:尾花沢市
大きな花笠、法被と白い短パン、帯という衣装が特徴。写真提供:尾花沢市

 源流5流派の流れを汲む踊りを見ることができる「おばなざわ花笠まつり」。8月27日の諏訪神社例大祭の翌日にあたる、8月28日に行われる花笠踊り大パレードには、毎年3000人ほどの踊り手が参加し、街中を花笠一色に染めます。大きな花笠を豪快に振り回す発祥の地ならではの踊りを、ぜひご覧ください。


 

尾花沢の花笠踊りから、山形花笠まつりへ

 尾花沢で踊り継がれてきた花笠踊りですが、より多くの人に認知される契機となったのが山形市で開催される「山形花笠まつり」です。

 昭和38年、蔵王の観光開発とPRを目的にした「蔵王夏まつり」のイベントのひとつとして「花笠音頭パレード」が行われ、昭和40年からは「山形花笠まつり」として単独で開催する現在の形になりました。昭和45年の大阪万博で、日本を代表する民族芸能の一つとして披露されると、山形花笠まつりの知名度は全国的に広がりました。

 パレードで歌われている「花笠音頭」の歌詞は、従来からあった2つの歌詞に、県内外から公募した13の歌詞を加えた15の歌詞で構成されています。蔵王権現や温泉地、さくらんぼにりんご、花の名所、月山、鳥海山など県内の名所や名物が歌い込まれており、歌を聴けば、まるで県内旅行をしているかのようです。

正調花笠踊り薫風最上川(女踊り)

 踊りについては、昭和38年に10種類ほどあったものを一本化し、誰でも手軽に踊れる、現在の日本舞踊的な新しい振り付けの「正調花笠踊り 薫風最上川(女踊り)」ができました。踊り手たちの粋な着物姿と一糸乱れぬ集団美で多くの人をひきつけます。平成10年には男性的な踊り「正調花笠踊り 蔵王暁光(男踊り)」も誕生。尾花沢市の5流派や、趣向をこらした創作花笠踊りも祭りに参加しています。

ヤッショマカショ、シャンシャンシャン
パレードの先頭に立つのは、山形県花笠協議会舞踊指導員会のみなさん。

 「山形花笠まつり」は8月5日から7日まで、3日間の開催です。平成28年の参加者は165団体、13,822名。来場者数はおよそ100万人。「正調と他の踊りが同じ曲に合わせて踊られるのはめずらしいようです。東京県人会や千葉花笠会、学校、企業など、毎年参加してくださる団体も多いですね。子どもたちの出番を早くしたり、飽きずに様々な踊りが見られるよう、参加団体のパレードの順番にはとても気を使います」と山形県花笠協議会の村山きみさん。さらに「簡単そうに見えますが、正調女踊りをしなやかに踊るのは、実はとても難しいんです。近年はダンス的な創作花笠踊りが増え、開催曜日にもよりますが参加者は増加傾向です。見て楽しいのはもちろん、踊ってみるとさらに楽しいですよ」と教えてくれました。

頭と両腕、3つの花笠をつけた子どもたちの踊り

 この夏、ぜひ花笠まつりにおいでください。自由に参加できる輪踊りコーナーや飛び入りコーナーもあります。参加の心得はズバリ、3つだけ。“花笠を持って踊る”“花笠音頭に合わせて踊る”“みんなで楽しく踊る”です。うまくなくてもいいんです!艶やかな花笠のうねり。踊りで流す汗と笑顔。真夏の熱い夜、花笠まつりに参加しませんか。


 

山形花笠まつり

平成29年8月5日(土)、8月6日(日)、8月7日(月)
いずれも18:00~21:45ごろ
会場:山形市中心市街地(十日町~本町・七日町通り~文翔館)
 

おばなざわ花笠まつり

平成29年8月27日(日)まつり行列 9:00~17:30ごろ
平成29年8月28日(月)花笠踊り大パレード、花笠踊り共演15:00~21:00ごろ
 


 

取材協力・お問い合わせ

山形県花笠協議会(山形商工会議所) TEL 023-622-4666 http://www.mountain-j.com/hanagasa/
尾花沢市商工観光課 TEL 0237-22-1111 http://www.city.obanazawa.yamagata.jp/5.html
花笠踊り資料館(尾花沢市大字二藤袋1401-6 サンビレッジ徳良湖オートキャンプ場管理棟内) TEL 0237-86-1811
 


 


 

この記事に対するお問い合わせ

このページの先頭へ

ナビゲーション

更新情報

  • 平成29年7月21日掲載

関連情報