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ラーメン王国やまがた物語

(平成29年7月7日掲載)
個性豊かで独創的な、山形のイケ麺たち

 米、酒、くだもの、蕎麦・・・おいしいものを挙げればきりがない、食の玉手箱「山形県」。その中でも他県に負けないものが「ラーメン」です。総務省が平成29年3月に発表した「家計調査」によれば、「年間1世帯当たりの中華そば(外食)の支出金額」において、山形市は15,622円で第1位。第2位の新潟市が11,900円、全国平均が5,929円ですので、まさにダントツです。また、NTT東西のタウンページデータベースをもとにした2017年調査結果によると、人口10万人当たりのラーメン店舗数も67.41軒と日本一です。こちらも、第2位の栃木県が48.67軒、全国平均が25.17軒と、ズバ抜けています。

 では、山形のラーメンは一言でいえばどんな味でどんな特徴なのでしょうか。著名なラーメン評論家は山形県を「ご当地ラーメンの宝庫」と評しています。山形県は村山・最上・置賜・庄内の4つの地域に分かれますが、各々の地域で提供される代表的なラーメンの特徴といえば、村山地域はまろやかな甘味が特徴の牛骨スープを使ったラーメン。最上地域は思いのほかあっさりして食感が楽しい“とりもつ”をトッピングした「とりもつラーメン」。置賜地域は鶏ガラスープに細い手揉み縮れ麺が特徴の「米沢ラーメン」や、味噌ベースのスープに中太縮れ麺で唐辛子の入った辛味噌がのった「赤湯ラーメン」。庄内地域は魚介系スープに自家製麺を合わせた「酒田ラーメン」などがあります。県民性・お国柄という言葉がありますが、山形県の場合はもともと4つの藩が一緒になった経緯からか、県としてひとくくりにはしがたいほどに地域間の個性が非常に豊かです。文化も違えばことばも違います。それぞれの地域に象徴的で独創的な自慢のラーメンが存在するため、どの味をもって山形のラーメンと称するかは限定できないほど、ひとつの県の中に多種多様なラーメンが存在しているのです。まさに山形は『ラーメン王国』なのです!!

 今回は、数ある山形のラーメンの中から、これからの季節にぴったりな「冷やしラーメン」をご紹介します。


 

うだる夏を乗り切る、山形人の知恵
連日、行列ができる栄屋本店

 7月に入り、いよいよ夏本番に向けてまっしぐらです。山形市は1933年7月25日に40.8度を記録し、2007年に埼玉県熊谷市と岐阜県多治見市から塗り替えられるまで、実に74年間にわたり日本最高気温の記録を保持していたほど暑い地域です。暑い山形では、キュウリやナスなどの夏野菜をみじん切りにして作る郷土料理“だし”や、ご飯を水で洗い冷水をかけた“水かけまんま”、小さく切った四季折々の旬の野菜や凍みこんにゃく、打豆に干し椎茸や干し貝柱でとった出汁をかけた“冷や汁(ひやしる)”。B1グランプリでも上位に顔を出す、歯ごたえのある親鶏をトッピングした“冷たい肉そば”。食べ物ではありませんが、床屋さんではキンキンに冷したメントール系シャンプーで頭を洗う“冷やしシャンプー”というサービスまで生み出しました。このように山形人は、身も心もクールダウンする独特の冷し文化を創り上げてきたのです。

 こうしたなか、これからの季節に超おススメなのが“冷やしラーメン”です。冷やしラーメンといっても冷やし中華や冷麺、ましてや温かいラーメンを単に冷たくしたものではありません。それではいったいどんな食べ物なのでしょうか?冷やしラーメンの元祖として知られる「栄屋本店」に取材を敢行しました!!


 

店主の情熱が生んだ、「冷しらーめん」

「栄屋本店」三代目店主・阿部徹さん

 栄屋本店(山形市)の創業は昭和7年。三代目店主の阿部徹さんにお話をお聞きしました。もともとはお蕎麦屋さんだったのだそうですが、いつしかラーメンのおいしさが評判となり、「蕎麦もうまいが、ラーメンはさらに旨い!」というお客さまが増えていったのだそうです。

 時は、はじめてプロ野球オールスターゲームが行われた昭和26年。常連のお客さんが「夏は冷たい蕎麦を食べるんだから、ラーメンも冷たいのが食べたい」と言いました。そんなお客さんの何気ない一言が冷たいラーメン開発のきっかけになったのだそうです。しかし一筋縄ではいきませんでした。スープを冷たくすると味の決め手である牛脂が固まってしまいます。お客さんからの要望に何とか応えようと何度もなんども施行錯誤を繰り返し、牛肉の旨味だけを残しつつ固まってしまう脂をきれいに取り除き、代わりに植物性の油でコクを出すという方法を思いつきました。そこから1年の歳月を経た昭和27年、ついに待望の「元祖山形名物冷しらーめん」が完成したのです。

 スープは、昆布とかつお節をベースに牛スープを加えた伝承の味にゴマ油の香りをプラスし、いっそう爽やかで風味豊かなものに仕上げました。麺は熟成したコシのある太麺で、製麺所には、水にさらすことでよく締まること、のびにくいことなどを依頼して作ってもらった特注品です。そんなこだわりの麺の茹で時間はたっぷり8~10分間。茹で上がった麺をしっかり冷水にさらした後、氷の浮かんだスープの中へダイブ。脇を固めるのは、チャーシュー・メンマ・ねぎといったお馴染みのトッピングです。そこにキュウリとシャキシャキのもやしが加わることでグンと涼感が増します。さらに麺がのびにくいので時間が経ってもおいしく食べられるという特徴があります。

 「冷しらーめん」は、暑い暑い山形の夏から生まれた食文化であり、店主の熱い熱い情熱が完成させた賜だったのです。地元客ばかりでなく県外からのお客さんが多い同店ですが、「どうしても冷やし中華をイメージされるのでしょうね。温かいラーメンと同様に、麺がたっぷりのスープに浸されている様子と、一口目に体感する甘酸っぱくない出汁の効いたスープのインパクトに驚かれる方が多いですね」と徹さんは教えてくれました。今では、夏場で1日500食、冬場でもその2割ぐらいは注文があるのだそうです。「多いときは、1日にもやしを60kg茹でるのが、また大変」と徹さんはうれしそうに目を細めます。


 

ラーメン消費量、なぜ山形が日本一?

 山形県では、栄屋本店のように、近所のそば屋や食堂のメニューには必ずといっていいほど“ラーメン”があります。また、県内の多くの地域では、親戚や知人が家に訪ねてきたときは“おもてなし”として、ラーメンを出前してもらったり皆で食べに出かけるのです。県外の方たちがお祝い事やおもてなしのときに“すし”や“焼肉”を食べるのと同じ感覚なのです。「山形のラーメンは、その特別なときを満足させるのに充分なクオリティを兼ね備えている逸品ぞろい」と徹さんはいいます。また、熱いラーメンは寒い冬なら身も心もポッカポッカにしてくれる頼もしいアイテムですが、暑い夏は汗だくになってしまうため敬遠されがちです。でも冷やしラーメンなら暑さを忘れさせてくれるのです。暑ければ暑いほど「今日は冷やしラーメンだ!!」となるのです。

 こうして春・夏・秋・冬と一年中ラーメンに夢中になっている山形人だからこそ、「年間1世帯当たりの中華そば(外食)の支出金額」がブッチギリでトップなのです。近ごろでは山形発祥の冷やしラーメンは全国的にも大人気。遠く関西でも提供する店が増えていると聞きます。夏本番を迎えるこれからの季節、『ラーメン王国やまがた』の本場の冷やしラーメンをぜひご賞味ください。


 

大人気のラーメン評論家・本谷亜紀さんから嬉しいお便りが寄せられました!!

 皆さんこんにちは!ラーメン評論家の本谷亜紀です。山形では地元局の「山形麺遊記」という番組にて数年MCを努めさせていただいています。私は1日1麺をモットーに全国のラーメンを食べ歩いているのですが、ひいき無しに山形の麺文化には本当に素晴らしいものがあると感じています。取材だけでなく山形のラーメン好きチームと食べ歩きもご一緒させていただきましたが、皆さんの食文化に対する思いには感動させられてしまいます。
 まず、ラーメンがとても身近ですよね!またお店に行くと老若男女関係なくラーメンを 楽しんでいる光景に良く出会います。これって他県では意外と無い光景。特に小さい子が 入れるお店って限られているんです。そして、それぞれのお店のこだわりには驚きます!え!そこまでやってこの値段?安すぎませんか?!と。ひとつの県に沢山のご当地ラーメンの種類があるのも魅力的ですね!これはすばらしい事だとおもいます。また、今回は “冷やしラーメン”特集ということですが、山形に冷やしラーメン文化があるということを大学生のころ知って、大変驚きました。あのお蕎麦の出汁のようなさっぱりしたスープが忘れられません!こんなに美味しいラーメンがあふれている山形県の皆さんが本当に羨ましいです。
 また今年もイベントや取材でうかがえるのをとても楽しみにしています!


 

本谷 亜紀さん

【プロフィール】
本谷 亜紀(ほんや あき)
1988年5月18日生まれ 埼玉県出身

テレビ朝日の深夜番組「お願いランキング」にてラーメン女子大生としてデビュー。これまでに全国の3000杯以上のラーメンを食べ歩き、その魅力を発信。
講演会、商品開発、店舗プロデュースなど多数を手がけ、どれも大人気。また、メディアにも多数出演し、情報番組では食業界の視点からのコメントが好評を博している。また、会社員として広報を担当するとともに、人気の総合情報サイト「All About」のラーメンガイドとしても活躍中。https://allabout.co.jp/gm/gp/1022/

ブログ http://ameblo.jp/aki-honya/
Instagram http://instagram.com/akichi0518
 


 


 

メルマガ編集部員おススメの「冷やしラーメン」の店


 

栄屋本店

栄屋本店

冷しらーめん 810円

住所: 山形市本町2-3-21
電話: 023-623-0766
営業: 夏期(3/19~9/30)11時30分~20時
    冬期(10/1~3/18)11時30分~19時30分
休み: 水曜日(祝日の場合は翌日) ※1月と8月は不定休
 


 

金長本店

金長本店

冷しラーメン 780円
明治中期の創業。女性が暖簾を守る老舗です。牛骨と野菜のみで作る伝統のスープが奥深い味わいがあり旨い。白キクラゲが清涼感を添えます。
住所: 山形市十日町2-3-40
電話: 023-623-0717
営業: 11時30分~16時
休み: 日曜日
 


 

そば処 伊右エ門

そば処 伊右エ門

冷やしラーメン 650円
鶏ガラとトンコツから採るスープはあっさりしつつもコクのある旨味が広がり、山形県産小麦「ゆきちから」使用の自家製麺にぴったりです。
住所: 山形市嶋北1-16-41
電話: 023-684-5716
営業: 11時~18時30分
休み: 火曜日
 


 

蕎麦いしやま

蕎麦いしやま

冷やしラーメン 800円
蕎麦屋ならではの極上天然出汁をベースに青じそを加えた清涼感あるスープと、山形県産小麦を使ったつるつるなめらかな麺が相性抜群です。
住所: 山形市十日町3-9-30
電話: 023-622-4689
営業: 11時~14時30分/17時30分~19時30分
    ※スープがなくなり次第終了
休み: 水曜日
 


 

蕎麦處 みねた

蕎麦處 みねた

冷丼ラーメン 890円
麺は山形産小麦ゆきちからを使用。スープはチャーシューを煮込んだ際の醤油をベースに蕎麦屋ならではの厳選した素材で仕込んだこだわりの出汁を加えた逸品です。
住所: 山形市城西町2-1-40
電話: 023-643-0252
営業: 11時30分~19時
    ※スープがなくなり次第終了。都合により早仕舞いあり
休み: 不定休
 


 

八千代食堂

八千代食堂

冷たいラーメン 700円
美味しさを追求し続けて創業54年。3種類の小麦粉を厳選した自家製麺。鶏ガラ、トンコツ、にぼし、昆布から採るスープは素材の旨味たっぷりです。
住所: 上山市二日町7-10
電話: 023-672-0346
営業: 11時30分~20時
休み: 火曜日(祝日の場合は営業)
 


 

皿谷食堂

皿谷食堂

冷たい中華そば 700円
創業90余年。牛骨ベースに鶏ガラとカツオ節を加えあっさりながらもまろやかで余韻の美しい旨味のある味わいです。ストレート麺とよく合います。
住所: 寒河江市本町2-6-54
電話: 0237-84-2188
営業: 11時~19時30分 ※早仕舞い(11時~14時30分)あり
休み: 木曜日 ※ほかに連休あり。お店にご確認ください。
 


 

※「家計調査」とは、都道府県庁所在地(例えば、山形県なら山形市)の1世帯当たりの様々な項目の支出金額等を調査しているもの(過去3年間を平均するので、2017年3月に発表されたものは、2014~2016年の平均値)です。
※使用した画像は、すべてイメージです。
※紹介した店舗はあくまで当部員の独断と偏見で選ばせていただいたものです。人により好みは違いますので、あなたのイチ押しの一杯をぜひ見つけてください。


 


 

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  • 平成29年7月7日掲載

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