快適・健康に暮らせる低燃費の家

<Data>
◎タイプ:2LDK+ウォークインクローゼット+書斎+ロフト ◎家族構成:4人 ◎築年月:平成30年12月新築
◎敷地面積:259.78㎡(78.58坪)
◎延べ床面積:102.67㎡(31.00坪)1階:52.99㎡(16.00坪)2階:49.68㎡(15.00坪)
◎構造:木造2階建て ◎工法:在来工法 ◎工事期間:5ケ月
◎補助金等:平成30年度山形の家づくり利子補給制度、やまがた健康住宅認証制度
◎熱損失係数 Q値:1.33(w/㎡k) 外皮平均熱貫流率 Ua値:0.35(w/㎡k)

<新築プラン>
■国の現行基準を超える省エネ基準による「やまがた健康住宅」認証制度に即した高性能住宅
■屋根200㎜、壁200㎜、床155㎜。充填断熱+付加断熱により高い断熱性能を確保
■新木造住宅技術研究協議会の「Q1.0」住宅規準により、暖房エネルギーを半分以下に削減
■在来工法+自然素材による木のぬくもりと耐久性を備えた自由な設計
■山形県の気候に適した、断熱性と気密性を維持する建築構造
■造作家具を設け、収納力とインテリアの質を高めた空間使い

機能とデザインが一致する、日本の伝統的な
工法の妙。良いものを長く、という基本に即し
家族のライフデザインを形にした超省エネの家。

「流行のデザインではなく、機能美の結果としてのデザインを」施主が新居に求めたのは、機能性を内包したスマートなデザイン、特にランニングコストを重視した省エネの住まいだった。

それを見事に具現化したのはコルポ建築設計事務所。室内は無駄なく整然としながらも、アットホームな空気が漂う。構造材には山形県産木材を多用し、造作に木の質感を巧妙にあしらってあるためだろう。四季の鮮やかな日本、寒暖の差の大きい山形県において、県産材を用いた家は、人の居住まいと波長が良く、強度が長続きするという最大のメリットがある。

断熱材の性能を最大限にいかす施工

そして驚くべきは、1台のエアコンで1階2階の全室の冷暖房をまかなえる点だ。それほどの断熱・気密性能を実現したのは、“断熱技術屋”として超省エネ住宅を手がける安孫子建設。「断熱設計がしっかりしていれば、エアコン1台で高断熱・高気密の上を行くことができる」と安孫子さんは話す。その根拠となるのが断熱材だ。一般的に壁の断熱厚は100ミリ前後だが、この家に使用したのは200ミリ。床、壁を付加断熱してすっぽりと包み込んだ。素材は不燃材料のグラスウールのみを使用し、温度差のない家を実現した。

県内でこうした高断熱住宅化が進む背景には、ヒートショックの発生率の高さがある。そこで県では独自に「やまがた健康住宅」の認証制度を設け、現行基準を上回る断熱性能の住宅普及を目指している。

収納も家具も、自由度の高い内装

また、機能美を追求する中で「収納」は一つの課題となった。そこをカバーするのが夫婦の寝室と子ども部屋をつなぐ2階のロフト。いわゆる“屋根裏”は、夏場になると屋根の放射熱で熱だまりが発生するが、ここでも断熱材が力を発揮し、熱気を遮断。年間を通して適温・防湿が保たれるため、衣類や本などの収納場所としても十分なスペースに仕上がった。

さらに、1階のカウンターキッチンや洗面台の収納棚は、大工職人がその場で施工した一点ものだ。家具は生活スタイルや室内のテイストに合わせて、使いやすさ、収納力、耐震などの強度を兼ね備えたものが理想的。置きたい場所にジャストサイズのものとなれば、オリジナルの造作家具が適材適所といえる。また、カウンターキッチンの壁はマグネットクロスにして、画鋲やピンを打たずに磁石でプリントなどを留めることができるのも、子どもたちには安全で、ディスプレイも楽しむことができるアイデアだ。

高性能住宅は未来のスタンダード

「建物の性能が良ければ、居心地の快適性は何十年も続くもの。次の世代に引き継げる家になります」。日本の家づくりはスクラップ&ビルドを繰り返し、最近は空き家も増えて住宅が飽和状態、一方で人口減少は加速している。そうした中で、寿命が長く資産価値の高い家づくりが地域の住環境を守る一手となる。「断熱材の性能は半永久的」その性能をいかすプロたちの手によって、“形態は機能に従う”といえる、長く住み続けたい建築美を持つ家が完成した。

施主の声

冬の寒さ対策はもちろん、光熱費のランニングコストなど、機能面を重視して設計していただきました。わたしたちの要望を巧みに取り入れていただきうれしい限りです。
実際に暮らしてみて一番に感じるのは、やはり暖かさです。外の寒さを全く感じず、朝も夜も気持ちよく過ごすことができ家族で驚いています。
まだ住み始めて間もないので、光熱費のコストパフォーマンスを実感できるのはこれからだと思いますが楽しみです。


<取材協力/資料提供>設計:コルポ建築設計事務所 施工:有限会社 安孫子建設