板金
鬼を描き出す
板金職人の技。
「鬼」をつくりだす技法は「鬼打ち出し」といわれ、
代々受け継がれて来た板金職人の技である。
板金

昔の建物は、茅葺(かやぶき)屋根が一般的で、火災が起これば飛び火による類焼により大火災になることが多く、こうした火災から建物を守る為に登場したのが、瓦や銅板葺きの屋根である。
銅板は、長い年月を経ると美しい緑青(ろくしょう)に覆われ、腐食を防ぐ効果があるとして、主に神社・仏閣に使用されてきた。
屋根の棟端には建物や家族を守る守護神の象徴「鬼瓦」が据えられる。瓦屋根の場合は、鬼瓦というが、銅板屋根の場合は、「鬼」又は「鬼板」と呼ばれ、屋根の装飾として家屋など和風建築にも多く用いられている。
「鬼」をつくりだす技法は「鬼打ち出し」といわれ、原寸から作りだされた銅板(又は金属板)を焼き、表と裏から叩いて模様を打ち出す技法である。
複雑で大きな「鬼」ほど型の種類も多く、こうした型を描き出すのも板金職人の技であり、代々受け継いでいかなければならない伝統技法である。