和風住宅に欠かせない
日本の心。
日本の住宅といえば畳の間。洋風住宅が増える一方でその需要は激減しているものの、旅行先や寺社仏閣で畳に出会うと、その感触にホッとし、気持ちが落ち着く。
畳職人

畳が一般住宅に普及したのはそれほど昔ではない。室町時代以前は板の間に、クッション代わりとして部屋の一部に使われたり、厚さによって階級を表すものだった。武家社会となり城や屋敷の部屋全体に敷かれるようになり、これを一般の町民も倣ったのは、贅沢の象徴、位の高さへの憧れからだったのかもしれない。
フローリングに一部畳敷きといったモダンなしつらえは、座具として使われた畳の由来に回帰しているともいえ、風合いや、心身の健康にもいいこと、表替えによるメンテナンスが可能なことなど、環境・エコロジーの面から見直されつつある。
古来からの畳「刺し」の技は、機械の導入で職人による差が平均化されたものの、紙一重の納まりを決める部屋の寸法取り、畳表を見る目、特注品への対応など、山形県内においては現在も技術の研鑽が盛んである。また、山形発信による純国産畳にこだわった新しい取り組みが注目を浴びている。