建具
全国に知られる
繊細で緻密な山形建具。
木造家屋の仕上がりを左右する、戸、襖、障子、欄間などの建具。
暮らしに密着し、用の美を究める繊細な伝統の技は、山形人の堅実さをそのまま物語る。
建具

「隙」という小さな「空き」や「空間」を表す耳慣れた言葉。「小+日+小」は光が漏れることを指し、光が漏れる「所」がすなわち「隙」である。この「隙」をコントロールすることが、まさに建物の開口部を担う建具師の真骨頂と言える。扉や戸の合わせを寸分の隙もなくピタリと合わせ、一方で障子、格子戸、欄間など組子による美しい隙を創り出し、光と風を操る。
山形建具の歴史は古い。山形建具業組合が設立されたのは明治26年、大正の終わりに指物から独立し、現在の山形建具協同組合に引き継がれる。伝統の堅実さから全国的にも評価が高く、木の性質を知り、木に合った熟練の技を施す山形の建具。その「隙」にこだわる職人ならではの細工は、古来からの和住宅はもちろん、モダンな建築にも数多く取り入れられている。