木造馬頭観世音菩薩立像 (もくぞうばとうかんぜおんぼさつりゅうぞう)

名称(事業名) | 木造馬頭観世音菩薩立像 |
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ふりがな | もくぞうばとうかんぜおんぼさつりゅうぞう |
指定区分 | 県指定文化財 彫刻 |
指定年月日 | 昭和62(1987)年 8月 25日 |
所在地(市町村) | 長井市横町14-8 |
所有者(実施団体名) | 普門坊 |
概要 (活動状況等) |
この像の高さは198㎝、蓮華台座は45㎝で、馬頭観音像として珍しい巨像である。“喝”と叫ぶように大きく開いた口、睨みつけるように見開いた眦(まなじり)、炎のように逆立つ怒髪など、面部の怒りの表情は大変迫力にとみ、8臂の構えも力強く、条帛や裳の襞の彫り出しも写実的で、鎌倉時代の中央の正統的な仏像を、彷彿とさせる逸品である。また、金と朱で、激しく燃えたぎる火炎を表現した光背を背負ったこの像は、忿怒(ふんぬ)・威厳・迫力を余す所なく表現している。 平成24年には、約300年ぶりとなる本格的な像の保存修理が行われた。その結果、台座連弁及び光背等に鎌倉期の特徴を有するとの指摘がなされたほかに、本体固定軸に「大工タケタキヘエ」の陰刻文字や体内納入品(細長い小箱3箱)から馬頭観音由来文(朱書訂正文)が新たに見つかった。この由来文からは「正嘉2戊牛歳」(西暦1258年)及び「前長門守時朝再興」等の文字を読み取ることができた。また、併せて行った本像の木片調査(樹種同定調査、放射性炭素年代測定)において、使用木材はヒノキ、炭素年代は1030年頃~1155年頃という数値が算出された。 測定用木片試料採取箇所 (放射性炭素)測定法で暦年代に較正した年代範囲(観測値の95%が入る範囲) 1 馬頭観音菩薩像体幹部 前面材左腰部 紀元後1035年(95.4%)―1155年 (板目材の現状での最外輪部) 2 馬頭観音菩薩像体幹部 前面材右腰部 紀元後1032年(95.4%)-1155年 (板目材の現状での最外輪部) 3 馬頭観音菩薩像体幹部 紀元後776年(8.4%)-793年 背面材左腰部 紀元後802年(50.8%)-907年 紀元後915年(36.2%)-968年 4 台座(蓮肉部)枘穴内部 紀元後1015年(59.0%)-1050年 紀元後1083年(29.3%)-1127年 紀元後1136年(7.1%)-1152年 調査協力:山形大学 高感度加速器質量分析センター 門叶 冬樹 教授・センター長 木製彫刻文化財保存修復研究所 岡田 靖 代表 |
問い合わせ先 |
普門坊 期間限定での公開 60年に一度御開帳 公開の有無:有 ホームページ:木造馬頭観世音菩薩立像 Tel:0238-84-0427 |
地図 |