ライフステージの変化を見越した開放感あふれる平屋設計の家 [やまがた健康住宅]

<Data>
◎タイプ:3LDK+ウォークインクローゼット ◎家族構成:4人 ◎築年月:令和3年3月新築
◎敷地面積:498.10㎡(150.67坪)
◎延べ床面積:97.71㎡(29.55坪)
◎構造:木造平家建て ◎工法:在来工法・枠組壁工法 ◎工事期間:6ケ月
◎補助金等:令和2年度山形の家づくり利子補給制度(寒さ対策・断熱化型)、「やまがた健康住宅」認証

<新築プラン>
■国の省エネ基準を上回る「やまがた健康住宅」の認証を受けた高性能住宅
■天井315㎜、壁210㎜、床147㎜。断熱材+気密シートにより高気密・高断熱性能を確保
■太陽の光や熱、風などの自然エネルギーを活用することで快適な暮らしと省エネを実現
■調湿・消臭効果に優れた珪藻土塗り壁や珪藻土クロスを採用
■暮らしに光や風を取り入れて季節の変化を楽しむための3つの庭
■家族全員で使用するウォークインクローゼットをはじめ、各種収納を豊富に設置

施主が心に描いた夢を余さず図面に落とし込み
熟練の宮大工職人が手塩にかけて具現化した
世界にふたつとないオンリーワンの住まい。

1892年の創業以来、130年以上にわたり山形の発展に寄り添い続ける市村工務店。プランニングから設計施工まで一貫した総合建築を手掛ける同社が、今日まで連綿と継承してきたもの。それは、長年培ってきた知識と経験に裏打ちされた伝統の技をベースに、住まわれる家族の幸せに想いを馳せつつ、魂を込めて一棟一棟大切に仕上げるという普遍の建築哲学にほかならない。

この建築哲学によって誕生したH邸は、ご夫婦と2人のお子さんが仲睦まじく暮らす平屋住宅。施主が心に描いた夢のひとつひとつを図面に落とし込み、熟練の自社宮大工が忠実に具現化した、世界にふたつとないオンリーワンの住まいだ。

「やまがた健康住宅」のレベルⅡ認証を取得

施主が最も重視したのは、住まいの基本性能。とりわけ、冬は寒く夏は暑い築50年を超える旧家で過ごしてきた経験からも、年間を通して快適に暮らすために欠かせない断熱性能へのこだわりは非常に大きかった。

そこで、国が定めた省エネ基準を遥かに上回る断熱性能を有した山形県独自の高気密・高断熱住宅「やまがた健康住宅」のレベルⅡ認証を取得。ヒートショックをはじめとする健康被害とは無縁の夏涼冬暖な暮らしを目指した。

さらに「南北に約50mという細長い敷地形状を有効に活かしたい」、「年を重ねた後も階段昇降がない住環境で安心して暮らしたい」という考えから平屋プランをチョイス。巧みな採光設計が紡ぎ出す、明るく快適なワンフロアの住まいが完成した。

大型開口による採光・風と高気密・高断熱を両立

実は、高気密・高断熱を追求する上で弱点となるのが大型開口の複数採用だ。「断熱性能を追求したい」、「大きな窓を数多く設えてたっぷり採光や風を取り込みたい」という相反する要望を同時に叶えるために、H邸では開口部すべてに断熱性に優れたトリプルガラスを用いている。

このトリプルガラスによる窓断熱と壁、床下、天井に仕込んだ十分に厚みのある断熱材や気密施工との相乗効果で、前述した「やまがた健康住宅」の要求基準をクリア。カビやダニの原因となる結露の発生を抑制するなど、年間を通じて健康的に過ごせる住空間を創出している。

こうした先進の技術をベースに、無垢材などの自然素材をふんだんに盛り込んだH邸。そこにあるのは、ぬくもりに抱かれた優しい家族の風景だ。

光と風に満たされた、心地よい家族の居場所

素足の感触が気持ちよい無垢のナラ材で仕上げたフローリング、調湿・消臭作用を持つ珪藻土塗り壁などの自然素材に包まれたLDKは家族が集い語らう場所。たとえば、お子さんたちは勉強や読書、ご主人はパソコン作業、奥様は調理や家事など、それぞれが思い思いの時を自由に過ごしている。

その居心地のよさに輪をかけるのは、随所に設けた開口部から太陽の光や熱、風といった自然エネルギーを巧みに取り入れて快適な住環境を実現するパッシブデザインだ。当然、四季を通してエアコンの電気使用量を最小限に抑えられるので、家計にも環境にも優しい省エネな暮らしを楽しまれているとのことだ。

東に面した高窓と勾配天井が、20帖ものLDKをよりいっそう明るく伸びやかに演出するH邸。リビングの延長線上にある中庭の木々が、これからも家族の時間を鮮やかに彩り続けていくことだろう。

施主の声

私たち夫婦が心に描くマイホームの夢を設計士の方と共有することができ、最初にご提示いただいた案でほぼ決定。プランに要した期間も約4ヶ月と短く、家づくりへの期待が一気に高まりました。
何より重視した断熱・気密性能に関しても、高次元で実現してくださったことに加え、調湿効果を発揮する珪藻土の塗り壁をLDKに、珪藻土クロスを各居室に設えていただいたので、風邪を引くと喉を痛めやすかった私や次女も健康に過ごすことができています。
外構に関しては、暮らしに光や風を取り入れて季節を感じられるよう「北の庭・中庭・南の庭」の3つの庭をプランニングしていただきました。特にコの字型の中庭は子どもたちのお気に入りの場所。夏はプール遊び、春と秋は外ごはん、冬は雪遊びを楽しみました。
子どもたちが大好きなこの家で歓声をあげて喜ぶ姿を見るたびに、私たちは「家を建てて本当によかった!」と実感しています。


<取材協力/資料・写真提供>設計・施工 株式会社 市村工務店