無垢材をふんだんに使った真壁造りの「木の家」

<Data>
◎タイプ:3LDK ◎家族構成:4人 ◎築年月:平成24年4月新築 ◎敷地面積:1,208㎡(366坪)
◎延べ床面積:134.15㎡(40.65坪)1階:86.12㎡(26.10坪)2階:48.03㎡(14.55坪) ◎構造:木造2階建て
◎工法:在来木造工法 ◎工事期間:4ヶ月 ◎補助金等:河北町持家住宅促進事業費補助金

<新築プラン>
■柱や床、天井に無垢材を使用した木の住まい
■切妻屋根・真壁造りのシンプルでおしゃれなデザイン
■勾配天井と吹き抜けで開放感のあるリビング
■1階と2階の一体感を生む空間構成
■冬は薪ストーブ1台で全館暖房が可能な省エネ住宅
■省エネルギー対策「等級4」基準を満たした高い断熱性能
■住宅金融支援機構「フラット35」Sの技術基準に適合

無垢材をふんだんに使った真壁造りの「木の家」

木のぬくもりを感じる高断熱の住まいを
リーズナブルな価格で
家づくりの夢やこだわりを実現。

もともと東京に住んでいた施主は、生活の拠点を自然豊かな山形に移したいと考え、河北町に土地を求めた。住まいへのこだわりも強く、木をふんだんに使った家に憧れを持っていたという。その施主が、たまたま目にして「こんな家に住みたい」と希望したのが、30年前から無垢材を使用した「木の家」を手がけていた小関建築工房の自宅兼事務所だった。これが縁で自宅を設計することになった。

完成した住宅は、切妻屋根が印象的なシンプルなデザイン。外壁はサイディングを使用しているが、玄関やテラス部分には無垢板を使い、温かみのある外観になっている。

どこにいても家族を感じられる空間

家族が集う1階のリビングは大屋根のデザインを活かした勾配天井で、ゆったりとした開放感のある空間だ。梁には変形や割れなどが生じにくい集成材を用いたが、柱はすべて4寸角の無垢材を使い、床は無垢の杉板のフローリング、壁は柱の見える真壁造りで、家全体に木のぬくもりと落ち着いた雰囲気が感じられる。

2階の子ども部屋も屋根勾配を利用した勾配天井で、床・天井は無垢の杉板、真壁造りの室内は木の香りが漂う空間に。1階リビングの吹き抜けに面した室内窓が上下階の一体感を生み、家族の気配が感じられる設計になっている。また、小屋裏収納、冬物に便利な屋内物干場も設け、限られたスペースを有効に活用した。

さらに、施主の要望に応え、暖房は薪ストーブを使用。1階リビングに置いた薪ストーブ1台で家中に暖かい空気が流れる空間構成にし、全館暖房を可能にしたが、これを支えているのは優れた断熱性能にほかならない。 現地は積雪地で次世代省エネルギー基準Ⅱ地域でもあり、住まいには高い断熱性・気密性が必要とされる。基礎断熱・壁断熱・屋根断熱のほか、アルミ樹脂複合サッシの使用などで断熱性能を高め、住宅性能表示基準における省エネルギー対策「等級4」基準を満たして、住宅金融支援機構の「フラット35」Sの技術基準に適合した高性能住宅を実現した。

無垢材をふんだんに使った真壁造りの「木の家」

設計、施工が一体となって課題を乗り越える

外壁は「真壁造り」のため、通常であれば通気を確保できない仕組みになってしまうが、「フラット35」(長期固定金利住宅ローン)を利用する条件に「外壁内の通気を確保する」ことが義務付けられていたため、梁に縦穴をあけ「通気孔」を確保することで解決している。

また、夏場の強い日射しをさけ、雨、雪による劣化を軽減できるように妻側、桁側の軒の出を90cmとし、基礎断熱により床下換気口がない点は、結露防止と調湿作用のある炭を床下全面に敷き詰めて対応した。施主は「夢が叶った」と喜んでいる。設計、施工が一体となってまさしく手作りの家が完成した。

無垢材をふんだんに使った真壁造りの「木の家」

施主の声

設計を依頼した際は東京に住んでいましたが、何度も現地を訪れ、また設計士の方にも東京まで足を運んでいただいて打ち合せを重ねたので、イメージ通りの個性的な家になり、満足しています。
無垢の木をふんだんに使い、真壁造りでありながら高断熱の要件を満たす設計で、冬の山形でも薪ストーブ一つで全館暖房を行え、暑い夏も長い軒と風の通り道を考えて窓を配置したことでエアコンもあまり必要なく、省エネ性の高い「エコ住宅」になりました。
また、一部に下見板を用いたり、持ち込みのステンドグラスを組み入れてもらったり、職人さんにつくってもらったアンティークの模様ガラスを使用した内装建具をしつらえたりと、すべてに自分たちのこだわりを活かすことができ、永く愛着の持てる住まいになったと思います。これも、打ち合せと設計に十二分に時間と労力を使っていただいたお陰と感謝しています。


<取材協力/資料提供> 設計:小関建築工房一級建築士事務所 施工:布川建築