床下エアコン1台で通年快適な吹き抜けのある家 [やまがた健康住宅]

<Data>
◎タイプ:4LDK+ウォークインクローゼット+書斎+吹き抜け ◎家族構成:3人 ◎築年月:令和3年1月新築
◎敷地面積:248.07㎡(75.2坪)
◎延べ床面積:130.84㎡(39.65坪)1階:69.56㎡(21.08坪)2階:61.28㎡(18.57坪)
◎構造:木造2階建て ◎工法:在来工法 ◎工事期間:4ケ月
◎補助金等:令和2年度山形の家づくり利子補給制度(寒さ対策・断熱化型)

<新築プラン>
■温熱計算、気密測定を実施した確かな断熱性能
■壁200mm、天井450mmの断熱材を施し、高気密高断熱を実現
■山形県産無垢材を使用した風土に寄り添うインテリア
■全館空調で間仕切り不要、空白のない広々とした間取り
■欲しいものを欲しい場所にしまえる“適在適所”の収納スペース
■国の現行基準を超える省エネ基準による「やまがた健康住宅」認証制度に即した高性能住宅

床下エアコンが叶えた365日の快適性と
自由な間取りプランニング。大開口部から吹き抜けへ
たっぷりと陽光差し込む明るい住まい。

取材は冬真っ只中の1月。にもかかわらず、玄関ドアを開けてすぐに体感したのが外気温からは想像できないようなぽかぽかの暖気。家に上がると足裏にはふわりと心地良い床温度が感じられた。

設計施工を担当した米住建設は、県内でも先駆けて高気密高断熱の宿泊型モデルハウスをオープンし、以来高い機能性を基本とする住宅の数々を手掛けてきた。紹介するE邸のコンセプトは「光を採り込む明るい家」。南向きのリビングを中心に陽光を得る、高さ5mもの吹き抜けがシンボルマークの住まいである。

「設備は最小、効果は最大」

玄関にいても室内と変わらない気温を保つこちらの住まいは、エアコン1台を1階の床下に設置し、冬は1階から2階の床下へと暖気(夏は冷気)を送風、全館を暖かい(冷たい)空気で包み込む仕組みだ。窓にはトリプルガラス(Low-E)を採用。壁材には充填断熱100㎜+付加断熱100㎜の高性能グラスウール、天井材にもブローイング工法による450㎜の同素材を施工。北海道でも通用するという高い断熱性、気密性などを持ち合わせた、同社古畑社長のいう「設備は最小、効果は最大」な高性能住宅を実現した。

暮らしに適するプランニング

この高い基本性能は自由なプランニングを可能にした。1階LDKは多くの人が集まれるようにと、約17畳の広々とした間取りに。庭のウッドデッキはアウトサイドリビングとして外とのつながりを感じさせ、より空間を開放的にしている。和室はご両親を招く際や客間としても使用でき、襖で仕切れば6畳の個室に。洗面室、脱衣室、浴室は一ヶ所に集め、家事動線を考慮したデザイン。2階も各室と踊り場2ヶ所に収納を設置し、施主の念願だったシナの現しが斬新な書斎スペースも確保した。コード収納に配慮した穴あきのデスクは、在宅ワークなどにも最適な同社の作り付け家具である。

「お気に入り」と意匠の融合

玄関先で暖気ともう一つ感じたのは、自然木のやさしい香り。E邸は県産スギなどの無垢材を随所に使用し、経年変化の楽しみもある。また、桜が好きな施主は階段やフローリングに桜の無垢材、襖やクロスなどには桜の絵柄を採用。自然の風合いを生かしつつ、調湿、消臭などの効果もある壁材をアクセントとして使用し、室内をモダンな雰囲気に仕上げている。また、和室の畳と天井、玄関~アプローチへと続くタイルの市松模様は、それぞれの空間に“和”を加える。施主の「お気に入り」を丁寧に収め、形になった建築美。光注ぐ居室のままに住む人の心も明るく照らす、長く住み続けたい住宅が完成した。

施主の声

子どもの誕生を機に、子どもが思う存分走って遊べるような住まいをと考えていました。米住建設さんとは土地探しからのスタートとなり、同時にプランニングも進め、私たちが納得するまで何度も話し合いの機会を設けていただきました。機能性重視の私と、動線や使い勝手重視の妻の意見を上手く採り込んでいただき、満足のいく住まいづくりができました。


<取材協力/資料提供>設計・施工 株式会社米住建設