大工
伝統的な技に裏打ちされた
木造建築へのこだわり。
大工の頭の中には、建物の決まり事と一軒分の図面が丸ごと入っている。
木を知り、道具を知り、土地(地域)を知り、そして人(暮らし)を知る。
大工

「大工」とはそもそも、太宰府に属し、その名が示す通り「木工職人または建築工匠の長」、今で言えば棟梁を意味する由緒ある職名であった。すぐれた伝統の技を受け継ぎ、確かな見識と施主の思いをかなえる創造力が、家づくりの総合技術者たる大工を大工足らしめている。単なる施工者とは違う誇りが大工という職業にはある。
水平垂直のみにプレカットする工法では不可能な曲木の活用や丸太の2面を残した太鼓梁などは、100種類にも及ぶであろう道具を使いこなす大工ならではの技であり、強度にも勝る。近年、家づくりの地産地消に対する機運が高まっている。地元の木の利活用は、森林を守り育み環境を保全し、地域経済を回していく。そして大工がこの森林や木材と消費者(施主)をつなぐ。日本家屋への郷愁、懐古趣味にとどまらず、明日の地域らしさ、暮らしづくりの「大黒柱」でもある。