四釜武

表具

四釜武の仕事。
四釜表具店(長井市)

千年を越える歴史に裏打ち
された日本古来の職、表具師。
その伝承技術にこだわり、
新しい可能性を広げたい。

四釜武 表具を手がける職人の多くが「内装」を看板に掲げるなか、表具師、表具店であることにこだわり続ける。

「師」は「匠」を意味し、洗練された熟練の腕が成す手仕事の粋、美術工芸品として、掛軸、巻物、経本、額、衝立、屏風、襖、障子といった日本古来からの和紙の文化を支えてきたのが表具師である。時代の移り変わりによりニーズも変化し、紙と糊と水を材料とする「張り」の技術は、インテリア、内装といった仕事に活かされ、今日に至っている。
県内でも表具だけを生業とする職人は皆無。「内装が仕事の主となり、表具師、表具店を名乗る店も数えるほど」と四釜さんはいう。四釜表具店はそんな数少ない店の一つだ。

第25回技能グランプリ「表具」部門で日本一。
県内からは実に14年ぶりの参加だった。


四釜さんは、祖父から続く表具店の3代目。専門学校卒業後、さらに5年間、鎌倉の表具師のもとで修業を積んだ。神社仏閣の額装や屏風、掛軸、襖などを手がけながら、紙の選び方、糊の作り方など表具の様々な技法を学んだ。1枚に見える紙を何層にもはいでいく作業、ロール紙や大判紙などない和紙を、継ぎ目が分からないように継いでいく腕、それら表具師に不可欠な緻密な技術は、内装の仕事にもそのまま活きる。和紙の内装材は扱いが難しいからと、指名での依頼もあるそうだ。
「障子なら紙はがし3年、内装でも下地のパテ塗り5年と言われ、共通することも多い。すべてが勉強です」。
そんな日々の研鑽が、表具師日本一という輝かしい成果に繋がった。

内装の仕事と両立させながら、次の世代を育てたい。
表具という伝統ある仕事をなくさないために。


作業場には、古い障子戸や板襖が紙を張る作業を待っている。何枚かの書画が掛軸になるのを待っている。「家が時代によって変化しても、表具の仕事は決してなくならない」と四釜さん。古いものはきれいに修復再生して後世に残すことができる。床の間がなくても洋間に合うような新しい掛軸にもチャレンジしたい。内装も含め表具師の仕事の幅と役割、可能性は広い。自分が納得できない仕事はお客さんも満足しない。だからこそ自分に厳しくありたい。そして、いつか自分が高めた技術を誰かに伝えたいのだという。