匠の仕事:菅戸建設(O邸/尾花沢市)

菅戸政春
揺るぎない安心感と緻密の技、
宮大工が建てる風格ある住まい。
菅戸政春   熟練の匠 認定番号009

菅戸建設
〒999-4225 尾花沢市若葉町1-3-19
☎ 0237-22-1333


※所属等は取材当時のものであり、現在と異なる場合があります。

匠の手がけた作品

菅戸政春

厳しい寒さと豪雪の冬を暖かく快適に、
県産材の香りとぬくもりに心やすらぐ家。

豪雪地帯として知られる尾花沢市で長年大工として活躍している菅戸政春さんが手がけたO邸は、やはり雪国を知り尽くした、冬の快適を第一に考えた住宅だった。両親、若夫婦、子ども2人の6人で暮らすOさん家族、建て替え前は屋根の雪下ろしと、その膨大な雪片付けに大変苦労していたという。30年以上前からヒートパイプを使った無落雪屋根を取り入れてきた菅戸さんだが、O邸は敷地が広く、融雪井戸もあるというので片屋根にして、自然にその融雪井戸めがけて屋根の雪が落ちるようにした。おかげで雪下ろしの危険や重労働から解放されたと大満足。さらに、家の中がとても暖かくなったこと、最近多くなっている地震もあまり揺れを感じないことでも喜ばれている。1階は車庫で2階、3階が住居スペース。木造3階建てながら筋交いのほかに構造用合板を採用することで耐震性を高めている。また、車庫から直接2階に上れる階段部分には断熱ドアを採用するなど、冷気をことごとくシャットアウトしているのだ。
玄関を入るとやさしい木の香りに迎えられ、県産材にこだわる菅戸さんならではの贅沢な木使いが目を引く。間取りや設備については若夫婦が中心となって打ち合わせを行い、浴室・洗面所を広く、階段幅も広く、収納スペースをふんだんにと要望。菅戸さんはしっかり応えくれたという。みんなが集まる茶の間の壁は、左官職人のおじいちゃんのこだわりで漆喰に。ヒノキの柱と相まって純和風の空間を造りだしている。そして、ダイニングキッチンは、若奥様とお姑さんがいっしょに家事ができる広々とした流し台に、随所に設けられた収納スペース、毎日のにぎやかで楽しい食卓の様子が目に浮かぶ。さらに、洗濯機のある洗面所のすぐ隣と3階の2カ所に物干し場があり、冬でも家族6人分の洗濯物が余裕で干せるようになっている。木のぬくもりと使い勝手のよさが光る、菅戸さんの長年の経験と知恵、そして匠としての技が惜しみなく注ぎ込まれた住まいといえそうだ。

菅戸政春

施主の声

家の建て替えを決めてから住宅メーカーの展示場なども見て回りましたが、あまりピンとこなくて......。以前から菅戸さんが手がけた住宅を何軒も見ていていいなと思っていて、息子夫婦も "木の香りと温もりのある家がいい"というので「やっぱり菅戸さん」となってお願いしました。なんといっても屋根の雪下ろしから解放され、家全体が暖かくなったことで冬の生活が本当に楽に快適になりました。木造3階建てですが、地震の揺れもほとんど感じなくて、太くてしっかりした木材がふんだんに使われているのだと実感しています。近所の人やお客様からも"木の家は本当にいいね"と好評です。300㎡を超える家なので提出書類とか、菅戸さんにはいろいろご面倒をお掛けしたようですが、おかげさまで家族全員が本当に満足しています。

〈取材協力/資料提供〉設計・施工 菅戸建設