匠の仕事:斎藤三郎工務店:斎藤眞一(S邸/東根市)

斎藤眞一
その地で心豊かに暮らせる家を造り、守る、
「かかりつけの大工」でありたい。
斎藤 眞一 技能の匠 認定番号020

斎藤三郎工務店
〒 999-3787 東根市白水1-4-24
☎ 0237-42-1727


※所属等は取材当時のものであり、現在と異なる場合があります。

匠の手がけた作品

匠の手がけた作品

昔は地域の家々をその地域の大工が造り、守ってきた。「かかりつけの大工」が常にそばにいた。東根地区で約50年間家づくりを手がけてきた斎藤眞一さんはまさにそんな存在である。そこに住む家族の嗜好や生活スタイルを把握し、気候風土への対応やオリジナリティーを加味し、その土地ならではの快適空間を堅実に提案できる技を持つ。

Sさんの以前の家も斎藤さんの先代が造り、斎藤さんの手で守り続けられてきた。そのSさんが「これから迎えるシニア時代をより豊かに不便なく過ごせる家を」と斎藤さんに新居づくりを依頼した。新築された家は、Sさんご夫妻とお子さん夫婦が生まれ育った土地で心豊かに暮らすための配慮にあふれている。まず、近隣との交流の多い家族に合わせ、玄関を畳敷きにして、床の間や桜材の面皮柱を設けることで待合のイメージにした。「立ち寄ったお客様と座って気軽に話がしたい」との思いからだ。玄関右の和室は、Sさんの奥様が嗜んできた茶道を楽しむ空間。伝統的な茶室の様式美を取り入れながらも、隣接する和室と県産材の木肌と木目の美しさで統一し、多くの来客に対応できる続き間としても使えるようにした。

玄関左は洋の間。廊下を中心にLDKや主寝室などを機能的に配し、体に負担の無い動線を創っている。屋根の雪下ろしをせずに雪を積もらせたままでいる地域に合わせ、屋根周辺を強固にした緻密で確かな構造など、地域を知り尽くした大工ならではの配慮も見逃せない。住み手の気持ちを知り、この地域で快適に住み続けるための工夫を盛り込んだ住まい。「かかりつけの大工」によって守られ、これからもずっと快適に住み継がれていくだろう。

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施主の声

「この土地で、こんな生活ができる家を建ててください」と要望し、そのうえで採光や通風がとれる窓の位置や大きさ、高さなどを一つひとつ相談していきました。斎藤さんは、地域の自然や生活事情などを知っているうえ、茶室など伝統的な住まいづくりの経験があったことから、私たちの思いを丁寧に形にしてくれて満足しています。

〈取材協力/資料提供〉設計・施工 斎藤三郎工務店