造園
石水、草木、建物が
一体となった作庭の技。
和洋を問わず、庭は自然の有り様を一つの世界観・宇宙観として表現する。
建物と調和し、暮らしに四季折々の自然の豊かさ、美しさを凝縮して魅せてくれる。
造園家

庭作りにはルールがある。極楽浄土の世界を再現する浄土庭園や、遠州流といった著名な流派とはまた別の、基本となる組みの技法。「主・副・客」「天・地・人」または「真・副・体」とも呼ばれ、茶道、華道にも通じるいわゆる3点技法のことで、石組み、庭石と植物、植物同士の組み合わせは、基本的に「主なるもの、沿うもの、従うもの」の三者の不等辺三角形で構成されるという。これらは、万物は3つの要素から成るとの考えに基づき、そのバランスと調和を美しいとする、日本庭園、つまりは日本人の精神性をよく表している。
伝統の技法には、このように元になる軸がある。だからこそシンプルで無駄がなく、それでいて豊かでもある。たとえ小さな坪庭でも、造園家の作る庭が凛として心を打つのはそのためだ。