耐震リフォームで安心して住み続けられる住まいに

<Data>
◎家族構成:2人 ◎築後年数:30年 ◎施工面積:15m2
◎工事期間:約1ヶ月 ◎工事費用:100万円 ◎補助金等:山形市木造住宅耐震改修補助事業

<リフォームプラン>
・出来るだけローコストに抑えたリフォームプラン
・耐震ボードを使って天井・床を壊さずに壁面のみで補強
・地震時の揺れによって柱が土台や梁から抜けないようにするためのホールダウン金物の設置
・住み続けながらの工事のため、騒音・ほこり等の軽減を考えて、押入や広縁の壁を補強

リフォーム後 ― After

リフォーム後

この住宅は平成19年に一度、耐震診断を実施していたが、その時は診断のみで終わっていた。令和6年に築30年を迎え、経年的に耐震性能に不安が大きくなってきていたので再度、耐震診断を実施するとともに耐震補強リフォームを検討することになった。施主のEさんご夫妻は耐震改修工事補助金に加えて補助金の高齢者上乗せもあったので改修工事を決断した。
設計を担当した(有)石山設計事務所の石山代表は、施主が高齢だったので、経済的な負担が少なくなる施工法として、日本建築防災協会認定の耐震ボードを使用した耐震補強を提案したと話す。建物の解体を行わずに室内の壁面を取り除き、耐震ボードを設置することによって、面で耐震強度をアップさせる方法だ。この方法はコスト面だけでなく、工期を短縮することもできる。

また、地震時の揺れによって柱が土台や梁から抜けないようにするための、ホールダウン金物の設置は必要不可欠だ。N値計算法を用いて算出し、柱脚(柱の下部)と柱頭(柱の上部)の両方に取付した。
施工を担当した(株)創研の渡邉代表は、今回は耐力壁の配置バランスが悪い、広縁まわりの3箇所を補強したと話す。改修工事をしたのは押入の中の壁2面と大開口の窓の脇の壁面だ。工事を行ったところが目立つことのないように配慮して、30年前に使用した壁紙にできるだけ近いものを探して仕上げを行った。
施主が住み続けながらの工事だったので、施主の工事中のストレスを少しでも少なくするために、騒音や振動、ほこりなどによる負担を減らすように心がけて工事を実施した。準備に1ヶ月、実際の工事も約1ヶ月で終了した。

リフォーム途中

リフォーム途中

<リフォームポイント>
・工事範囲を最小限に抑えることでの安価な補強工事
・耐震ボードを使った補強工事で在来工法と比べて工期を短縮
・住みながらの施工となる為、施主の工事中のストレスを少なくするための工事箇所の選定
・耐震基準が1.0を超える補強
・工事箇所が目立たないようにした仕上げ

リフォーム前 ― Before

リフォーム前

施主の声

以前から耐震についての不安があり、耐震診断も実施したのですが補強工事は行わずにいました。
令和6年元旦の能登半島地震の報道を見て、災害時も避難所ではなく、自宅で待機、生活がしたいと思っていたところに、行政から「補助金もあります」と耐震補強を勧める連絡があり、耐震補強リフォームを決断しました。
設計会社様、施工会社様には、私たちが高齢なことを考慮して、コストを抑え、工期も短いリフォームプランをご提案いただきました。
リフォーム後は震災への不安も軽くなり、とても綺麗な仕上がりで、安心、快適に過ごすことができています。


〈取材協力/資料提供〉設計/有限会社 石山設計事務所 施工/株式会社 創研