大沼仁

大工

大沼仁の仕事。
株式会社大沼建築 三代目(寒河江市)

ハウスメ―カーに負ない地元工務店のチャレンジ。
創業80年以上の技術を活かすための新しい家づくりへ。

大沼仁 住宅の仕様や施工費を「標準仕様」で明確に提示し、若い施主層にアピールする新部門「With Home」。

大沼建築は、創業以来地元に密着し、「木づくり・手づくり・心づくし」をポリシーに丁寧な家づくりを続けてきた。一般住宅の実績は500棟、寺社仏閣も数多く手がけている。
3代目となる大沼さんも、和風建築、伝統建築に携わる大工修業を重ね、家業を引き継いだ。しかし、大手ハウスメーカーの進出などで受注は激減。下請けに回っては、すぐれた技術を持っていても活かせないし、受け継げない。そこで苦境脱却の手段として新部門を立ち上げる。「With Home」である。
工法や使用する木材、設備などの細かな仕様を想定したいくつかの「標準仕様モデル」を設定し、坪数に合わせた坪単価も明示する。
「メーカー規格商品との大きな違いは、仕様やデザインの変更にも柔軟に対応し、大幅な予算変更なしでオリジナルな住まいを実現できること」と大沼さん。また、受注前の打合せや見積もり、ゼロから設計する手間を省き、さらにメータモジュールの採用で材料の無駄をなくすことで、住宅品質を落とさずに坪単価を適正に抑えている。

元請け100%の責任ある家づくり。
「BDAC」は、地元工務店の利点を活かすもう一つの取り組み。

安価による著名建築家の設計、安心できる地元工務店の施工。この2つをマッチングさせる仕組みが「BDAC」。施主の家づくりの夢や理想をかなえ、完成後も身近でアフターサービスが受けられる。「With Home」も、この「BDAC」も、下請けにならず、自社の大工技術を高め、活かしていくためのもの。「これまで手がけた住まいに対する責任、これから家を建てる施主の方の満足。どちらにも応えていける"幸・夢・店"を目指しています」。

腕がいいのはプロとして当たり前。それをきちんと表現していくことが求められている。

初代は弟子を24名も育て上げたという。「自分も同じように人を育てていきたい。家だけでなく、それも使命だと思っています」と大沼さん。技術だけを誇るような武骨な職人イメージでなく、服装や礼儀、接客態度などもスマートな、そんな新しい大工像を作れたらという。そして、あくまでも地元寒河江にこだわり、目も気持ちも届く30分~1時間エリアで勝負していく。そうやって頑張る大工や職人たちのネットワークも作っていきたい。
「家を作るのは、結局は"人と人"ですから」。