佐藤誠治

大工

佐藤誠治の仕事。
佐藤建築 代表 (遊佐町)

生まれた時から身近にあった家業の大工職人に。
日々の研鑽でお客様が住み良い住宅を提供。
お客様の笑顔を第一に職人仲間や環境にも配慮。
これからの大工職人のために
作業環境の向上と未来の大工を目指すきっかけづくり。


※所属等は取材当時のものであり、現在と異なる場合があります。

佐藤誠治 生まれた時から身近にあった
大工という仕事


実家が元々大工を家業としており、分かる範囲で自分が4代目になる。
大工という仕事が身近であり、大袈裟に言うと生まれた時から作業場で木材を使って遊んでいたくらいだった。そして、いつも父の仕事を見て育った。
高校の時には、バイトとして現場に行き、父の仕事を手伝ったこともあった。
高校卒業後には、一度は実家を離れ、他の仕事に就いたが、大工になりたいという思いが次第に強くなっていき、今の大工職人という仕事に就くに至った。


お客様が住み良い住宅の提供を信条にした仕事
お客様が喜ぶ顔を見せてくれるプレゼント


「現在は代表を務める『佐藤建築』として依頼を受けた木造在来工法住宅の新築工事、リフォーム工事、修繕工事を手掛けている他、地元ハウスメーカーの下請けの仕事も行っている。
最新の技術も取り入れつつ、お客様が住み良い住宅の提供を信条として、日々技術を磨きながら仕事を行うことを目指している。
お客様に喜んでもらえる家づくりをするのはもちろんなのだが、スピーディーな仕事も大切と考えており、家づくりは自分たち大工職人の仕事だけで完結するものではないので、他の職人たちとの連携、繋がりも大切に、段取りよくスムーズに作業ができるように考えながら作業をしている。
他には、販売はしていないが、現場で出た木材の再利用も兼ねた木製品の製造も行っている。飼い猫の名前から『木工房 福』と名前を付けて、小さい椅子やスマホスピーカーなどを制作し、お客様に喜んでもらえればと住宅工事の完成記念にプレゼントをしている。これは、開業当初から10年以上続けており、お客様にも大変好評なので、これからも続けていきたいと思う。
常々、端材がもったいないと思っているので、このような廃材の再利用での木製品の製造をもっと行い、今後は販売も考えていきたい。


標高1,700mでの印象に残る仕事
厳しい作業環境と感動的な自然環境


印象に残っている仕事としては、地元建設会社の下請けで行った、鳥海山の標高1,700mの地点にある御浜小屋のトイレ建て替え工事があげられる。
ヘリコプターで資材を運搬しなければならないような場所なので、2週間泊まり込みでの作業となった。
天気が良ければ綺麗な夕日や星空が見えて感動的だが、天気が悪ければ作業もできずに小屋でじっとしているような生活だった。そんな何もない山での生活も含めて、とても印象的な仕事となった。


若手職人の技術向上、育成
未来の大工職人へのきっかけづくり


若手従業員の技術向上、育成にも力を入れており、2人の弟子を庄内職業高等専門学校木造建築科で学ばせ、一級技能士、職業訓練指導員免許書の資格を取得させることができた。
年々、職人不足になってきているので、若い人が大工になりたいと魅力を感じてもらえるように、現場へのエアコン導入など、快適な作業環境づくりも行っている。
私自身も令和2年度の「熟練の匠」や「ものづくりマイスター」にも認定いただいているので、ものづくりの魅力を伝えるために木工教室などに参加して、未来の大工職人へのきっかけづくりに貢献していきたい。