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更新日:2025年2月6日
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『山居倉庫』は、米の揚げ下ろし作業の際も雨風に当たらない構造や、倉庫内の工夫を凝らした空調管理、入庫米の厳しい選別審査などで、中央市場でも日本一と評される「山居米」を生み出した。
現在の近代的な倉庫の保管機能と比較しても、決して遜色の無い山居倉庫は、庄内米の改良と声価向上を果たし、農村経済の振興に貢献した。
山居倉庫は1893年(明治26)に酒田米穀取引所の付属倉庫として、最上川と新井田川に挟まれた通称「山居島」に建てられた。
舟による米の積み下ろしに便利な立地で、12棟の巨大な木造の倉庫と、その背後のケヤキ並木が独特の風情を伝えている。
令和4年秋まで米穀倉庫として使用されていた。
倉庫内は、設立当時から二重屋根やケヤキ並木、天窓や換気窓の配置など、様々な工夫が施されていた。
二重屋根は、土蔵と屋根の間に空間を作って風通しをよくし、積み重ねた俵の熱の放散と、屋根からの伝導熱を防ぐ役割を果たしている。
また、ケヤキ並木は、日本海からの強い西風と夏の直射日光をさえぎり、倉庫内の温度を一定に保つ目的で植えられたもので、現在では見事な巨木となっている。