更新日:2021年1月29日

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旧山形師範学校本館

旧山形師範学校本館の写真、2010年10月撮影

近代日本の学校教育を物語る学び舎 旧山形師範学校本館(山形市)

『旧山形師範学校本館』は、明治、大正、昭和の時代に数多くの教育者を育成し、現在の日本を形作る礎となった。

沿革

山形師範学校は、1878年(明治11)9月に山形市旅篭町に校舎を新築し、入学生135名で開校した。明治5年の明治新政府による学制の発布により、文部省は県立師範学校の設置を奨励したが、この方針に初代県令三島通庸が対応したものである。その後、教育制度の変更などにより下記の沿革となる。

  • 1886年(明治19)山形県尋常師範学校と改称
  • 1889年(明治22)初めて女子生徒20名の入学が許可される
  • 1898年(明治31)山形県師範学校と改称
  • 1901年(明治34)現在地(山形市緑町)に新築移転
  • 1943年(昭和18)官立山形師範学校と改称
  • 1949年(昭和24)学制改革により山形大学教育学部となる
  • 1951年(昭和26)山形師範学校が廃止される
  • 1963年(昭和38)施設が山形県に移管され、山形県立山形北高等学校の管理となる
  • 1971年(昭和46)山形北高校の校舎改築により、旧師範学校の本館と両翼の階段室を残して解体される。

残された建物は、1973年(昭和48)6月に国の重要文化財に指定され、修理工事を経て現在の「山形県立博物館教育資料館」となった。

現況

旧山形師範学校本館の建物は、1980年(昭和55)山形県立博物館教育資料館として開館した。展示室には師範学校当時の教室が活用され、江戸時代から現代にかけての教育に関する資料が展示公開されている。
明治中期ルネッサンス様式の建物の文化財的な価値を感じながら、山形県の教育関連の歴史を、教科書・教材・教室の模型風景などによって理解することが出来る。

昭和初期の教育展示の写真(JPG:74KB)

昭和初期の教育展示

2階展示室の写真(JPG:69KB)

2階中央の展示室

建物

現在の建物は、1901年(明治34)に新築移転されたもので、ルネッサンス様式の木造桟瓦葺き2階建である。一階正面には車寄せがあり、軒下は装飾が多く施されている。
全体の構造は左右対称で、中央には明治11年に創建された旧校舎時計台の名残である塔屋がある。中央屋根は櫛形で、両端には切妻形の飾り破風を施し、その間には屋根窓を取り付けてある。
外壁は、下地に竪瓦型レンガを使用し、その上にモルタルを塗った耐火構造になっている。また、廊下や教室の床と天井は斜め板張りになっており、美的効果と構造上の強化も考慮してあるなど、建築技術史的な価値も高い。

1階と2階間の胴蛇腹の写真(JPG:81KB)

1階と2階の間の胴蛇腹

車寄せの写真(JPG:77KB)

車寄せ

廊下の写真(JPG:74KB)

斜め板張りの廊下

門衛所の写真(JPG:85KB)

門衛所

遺産データ

旧山形師範学校本館の地図山形県立博物館・教育資料館
山形県山形市緑町2丁目2-8
問合せ先:023-642-4397
教育資料館-山形県立博物館(外部サイトへリンク)

  • 名称:旧山形師範学校本館
  • 竣工年:1901年(明治34)(初代竣工は1878年)
  • 所有者:山形県
  • 構造:木造桟瓦葺き二階建て
  • 指定:国指定重要文化財

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